
21本のトロンボーン・アンサンブルには、あのJ.J.ジョンソン、カイ・ウィンディングも参加しているのですが、ソロはいっさいとらずアンサンブルプレイに徹してします。そんな超豪華メンバーをバックに従え、アービー・グリーンが自由奔放に、そして豪快に吹きまくっています。このアルバムで聴けるアービー・グリーンのスーパーハイノート、超絶技巧はまさに圧巻。そして最高なのがバックのリズムセクションで、ベンチャーズ風’テケテケ’エレキサウンドがものの見事に21本のトロンボーン・アンサンブルにマッチしています。今こういうサウンドを聴くと古臭さよりもむしろオシャレなラウンジ・ミュージックに聴こえますね。ミッドセンチェリーモダンなインテリア空間に似合いそう。
アービー・グリーンは本当に膨大な数の録音を残していて、代表作といわれるアルバムは他にも沢山ありますが、僕的にはこの21 Trombonesほどアービー・グリーンがその真骨頂を発揮しているアルバムはないのではないかと思います。アービー・グリーンのまるで何かの制約から開放されたがことく自由奔放で遊び心満点なプレイが最高です。超豪華メンバーを擁した20本のトロンボーン・アンサンブルをバックにソロを吹くというのが相当気持ち良かったんだろうなぁ。言うまでもなく、バックのトロンボーン・アンサンブルのアレンジ、演奏も本当に素晴らしい。アービー・グリーンといえばスウィート・トロンボーンの代名詞的存在ですが、そんな甘くスムースなプレイから超高速タンギング、スーパーハイノートを駆使した超絶技巧、はたまたプランジャーミュートでのハードはプレイまで実に多彩な演奏スタイルを堪能できます。こんな振り幅の広いプレーヤーを目指したいところですね。
現在このLPの入手はなかなか難しいようなんですが、ジャズ・トロンボーンをやられている方なら是非とも聴いてもらいたいアルバムです。