インターネットの憂鬱

仮想空間と現実の狭間で

データだだ漏れw

2012年07月02日 | 雑感

10日ほど前にファーストサーバという会社が、同社で提供するレンタルサーバーのデータを飛ばしてしまったという
大変素晴らしい恐ろしい事件があったわけだが、今度はその復旧作業において、復元したユーザーのデータが
他のユーザーのデータとごちゃ混ぜになってしまったというトラブルが発生している。

このファーストサーバという会社は、ソフトバンク傘下のレンタルサーバー大手企業なのだが、
孫正義の東日本大震災復興支援財団のサイトも落ちたまま復旧できてないという、まさかの自爆状態だ。

同社はこの件について、先週末にプレスリリースを出している。
そこでは、対象サーバー103台/最大2308ユーザーの復元データの一部が、同じく障害の影響を受けた145ユーザーのデータ領域に
混在した可能性があることを確認したと、さらっと言ってるが、これは日本のネット業界における最大の事故ではないのか。

データを消しだだけではなく、さらにデータ漏洩まで起こしてしまったのだから、これはもう犯罪行為と言ってもいいだろう。
ちなみに、インターネット関連のデータサービスでおきてはいけない事と言えば…

サービス停止
データ消失
情報漏洩


見事に三冠王達成だ。これで被害者から訴訟を起こされたら役満だ(笑)。

しかも、すでにデータ消失直後の時点で情報漏洩の報告があったとか、この事件が発覚してからコールセンターのバイトを急募してたとか、
完全に独立したバックアップを持っていなかったとか、かなりいい加減な業務実態を指摘する「噂」が飛び交っている。Q&Aも笑わせる。

Q:バックアップは行っていないのか?
A:バックアップは行っていましたが、今回の障害により消失いたしました。

バックアップという言葉の意味を知らないのかと。

まあ、要するにクラウドコンピューティングで一番重要なことが、なにひとつできない会社だったというわけだが、今回の事件における教訓は、
他人を信用せずに重要なデータは自分でHDなどにバックアップすることが鉄則であるということと、
クラウドコンピューティングがまだ過渡期にあるということではないだろうか。

1筐体に対して1個のサーバーというシンプルなシステムだった頃と違い、仮想環境がどんどん増えて複雑化している現在は、
「何を適用すると、どこに影響が出るのか」という作業後に確認すべき内容が非常に分かりにくいと言われている。
今回の事件では、その「仮想環境」に対して、管理をまともに行なっていなかったことによる人災であるという指摘がある。
管理能力の欠如でも、管理不十分でも、結果はどちらでも同じだ。個人的には「安かろう悪かろう」という言葉が思い浮かぶ。

また、この事件に関する訴訟が起きた場合、その判例は今後の電子データのあり方についてのガイドラインとなるだろうから、
ユーザー側に不利な判決になると、クラウドコンピューティング自体の将来性にも影響を及ぼすだろう。
例えば、これが銀行の貸金庫だった場合、おそらく利用料+αレベルの賠償では済まないであろうが、デジタルデータの場合はどうなるのか?
という、判決内容がデジタルデータの価値そのものを問うことになる可能性もあるのだ。

いろいろな面で、どのように収束するのか少々気になるところである。




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