インターネットの憂鬱

仮想空間と現実の狭間で

楽天の失敗

2012年07月26日 | 雑感

そういうわけで、あの楽天がお手頃価格もあって鳴り物入りで売り出した、
電子書籍端末「kobo」が全然使いものにならないと、大絶賛炎上中だ。

何しろ日本語がまともに表示できないとか、PCのアクティベーション(認証処理)が出来ないとか、
まったくもって商品化以前の、試作品レベルかそれ以下のクオリティだという。
楽天の直販サイトのレビューは苦情で炎上どころか大爆発、慌ててサイトを閉鎖するという状況になっている。

おかげで印刷会社の営業は、ニコニコしながら「koboが凄いことになってます」って、
先物取り引きの営業みたいな挨拶をしている始末。そりゃあそうでしょう。

「大きなミスを犯してしまった」——楽天koboに何が起きたのか
こちらのサイトに担当取締役の、お詫びと弁解があるので詳しくは参照していただくとして、
笑ってしまったのはこの後に及んで、どこかの会社では「koboを成功させてくれる人を募集中」であり、
「グローバルなベストプラクティスを実践していただくグローバルなオポチュニティ」だそうだ。

グローバルなベストプラクティスを実践していただくグローバルなオポチュニティ

どういう意味なのかと。社内だけではなく、客も日本語禁止なのかと。
日本語で英単語を必要以上に使うバカの典型は、昔ならベンチャー企業の社長、今ならIT上場詐欺師らしいです(笑)
あ、ついでにインチキコンサルタントも加えておいてください、お願いします。



そもそも楽天は、インターネット通販のポータルサイトが登場し始めた頃に、内容の頻繁な更新や、
ページのそこそこの見やすさ・使いやすさで、人気を集めて成長した企業だ(当初はほとんどの作業を三木谷夫人が担当)。
その後はご存知の通り、過当競争で他のポータルサイトが自滅していく中、生き残ってきたと。独占と言っても良い。
これまでのビジネスモデルが、良いか悪いかは別にして、本業はそこなわけで、電子書籍端末じゃないだろうと。

電子書籍も1990年代終盤には出回っていたものの、ここまで普及しなかったわけで、要は本当のニーズが無い。
なにしろ、書籍や雑誌は離島や僻地でもなければ、どこでも簡単に手に入る。しかも電源はいらない。
おまけに、facebookを見れば分かるように、どうでもいい広告だらけになることは容易に想像できるだろう。

そういう電子書籍の端末を、あの楽天が……と,聞いただけで私は関心が一切なくなったし、
今回の一件で、電子書籍自体がネガティブなイメージを持たれたのではと感じている。

まあ、ソフトバンク傘下のサーバーの件を考えても分かるように、
この程度のレベルが日本を代表する(と思われてる)IT企業の実力だったということ。


この2つの出来事を見るにつけ「ただのホームページ代行業者が、上場ゲームで膨らました結果だから、
元から実体や中身なんて無いと。せいぜいスパム業者か名簿売り業者がその実力だ」という、厳しい意見もある。

要するに化けの皮がはがれちゃったと。

皆さんも、IT屋とかホームページ屋とか、ソーシャルメディア詐欺師には気を付けましょう。