インターネットの憂鬱

仮想空間と現実の狭間で

インチキSEO屋 終了のお知らせ

2012年05月08日 | 雑感

ゴールデンウィーク直前に、googleからかなり重要な発表があった。
そろそろ影響が出始めているのではないかと思う。

これは良質なサイトをより高く評価するためにという内容で、要するに検索アルゴリズムに新たな変更を加えることで、
Google の 品質に関するガイドライン に違反しているサイトは、その掲載順位を下げることになるというものだ。

その基本方針は以下の通り。
・検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。
・検索エンジンでの掲載位置を上げるための不正行為をしない。
・サイトの順位や PageRank を上げることを目的としたリンク プログラムに参加しない。
・ページの送信や掲載順位の確認に不正なコンピュータ プログラムを使用しない。

で、具体的なガイドラインはこうだ。
隠しテキストや隠しリンクを使用しない。
・クローキングや不正なリダイレクトを行わない。
・自動化されたクエリを Google に送信しない。
・コンテンツに関係のないキーワードをページに記載しない。
・複数のページ、サブドメイン、ドメインで同じコンテンツを公開しない。
・フィッシングや、ウイルス、トロイの木馬、不正なソフトウェアのインストールなど、悪質なページを作成しない。
・検索エンジン用の誘導ページを作成したり、オリジナルのコンテンツがほとんどないアフィリエイト プログラムを使用したりしない。
・アフィリエイト プログラムに参加している場合は、サイトを訪れるユーザーにとって価値のある内容であることを確認する。
 独自性や関連性があるコンテンツを提供して、サイトにアクセスする目的をユーザーに提供します。

早い話が、昔から行なわれて来た、インチキSEO屋の小細工はもう通用しないというわけだ。

もっとも、白地に白字テキストを入れるような「隠しテキスト」は、旧石器時代のシロモノだろうから、
今でもこれをやっている業者はさすがにいないだろうし、同じコンテンツを公開する「パイロットサイト」や
「誘導ページ」なんかはちょっとネットの知識のある人なら誰でもやっていることだ。

問題なのは、どのレベルまでが作為的で悪質と判断されるかだ。これは、ここしばらくの動向を観察して
どのような傾向性があるのかを判断する必要があるかもしれない。

そして、あるいは少なくない数の企業や経営者にとって、このgoogleの決定が由々しき事態となる可能性を
秘めていることが、実は最大の問題ではないだろうか?
もしも自社のホームページが、新たなガイドラインに抵触するような内容を持っていたとしたら、
ある日突然、何だか分からないうちに検索順位が大幅に下がることになるからだ。

その時に、どうすれば良いのか。社内に専門部署があり、信頼できる業者と保守点検契約を結んでいるようなら、
きっと対応も可能だろう。しかし、単発仕事で発注したホームページ制作業者やSEO屋のやったことだと、
修正に新規依頼の料金が請求される。あるいはその業者がすでに存在していない。そして、どこにどんな
細工を施しているのかわからない。こうなったら、もうどうにもならないわけで、最悪の事態だ。
その間にも、自社のホームページはどんどんランクを下げて行くかも知れない。

だいたい、インチキSEO屋と呼ばれるのは、その仕事がインチキだからだ。
「検索上位表示ガ~」「閲覧者の判断速度ガ~」なんて言っておきながら、実はまともにSEO対策ができてない場合も多い。

それどころか、実効性がほとんどないような細工を施していて、それが今回のガイドラインに抵触してしまい
悪影響を及ぼす可能性だって十分に考えられる。そうなったら、高い料金を払っても検索順位が大して上がらなかったのに
今度はめでたいことに“バッチリ効いて”、順位が下がってしまうというのだから、まさに「踏んだり蹴ったり」だ。

これまでは「ホームページを拝見したが、SEO対策ガ~」なんて電話営業をかけてきた業者が、
この事態を逆手にとって、今度は「今のホームページのままでは、googleの検索対策ガ~」といって
きっと電話してくるであろうことは容易に想像がつくから、もう笑うしかない。

最近、少々疑問に思っているのは、検索上位に表示されるのが至上なのか? ということだ。
検索上位にくれば、客が来る、物が売れる、というロジックを裏付けるものはどこにあるのか。
もちろん、何ページも開いた先ではなく、1ページ目に表示されるに越したことはない。

だが、ホームページに来てもらったのはいいが、その構成やアピール度合いはどうなのか?
仮にそこで興味を持ってもらえて、閲覧者がそのまま商品を見てくれたときに、その商品は本当に売れる物なのか?
あなたの目的はホームページに来てもらうことではなく、商品を買ってもらうことだということをお忘れなく。

最終的には商品や企業や人が魅力的でなければ、商売は成立しないと思う。それはネットの世界でも同じだろう。
今回のgoogleの決定は、完全後付けである目先の技巧や細工で勝負するのではなく、
本質的な部分で勝負することがビジネスの王道であることを、再確認するための良い機会だと思う。

私の会社では、今までも、これからも、まず最初に“人と物”をじっくり理解させていただくところから
商談をスタートさせるよう心がけている。人と物が間違っていなければ、検索順位さえ自然にじわじわと上がり
それなりのポジションを獲得するものではないだろうか。



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