インターネットの憂鬱

仮想空間と現実の狭間で

SNSで儲けているのは誰か?

2012年05月02日 | 雑感

こういうビジネスブログらしき物を生まれて初めて立ち上げてみたのだが、
色々なジャンルでブログを書いていらっしゃる方が、本当にたくさんおいでだ。

で、どんなことをおっしゃてるのか少しのぞいてみた。すると、なかなか香ばしいテイストの
ブログが思いのほか多いことが分かった。 とくに“コンサルタント”という人々がどうにも怪しい。

日本では、この“コンサルタント”という名前の響きには、懐疑的ではないだろうか?
理由は、その仕事の無責任さにあると思う。もちろん、実力と実績のある方もおいでだ、しかしその反面、
“詐欺師”と呼んでも差し支えない輩は、その何倍もうごめいている。

理由は簡単。誰もがそう簡単に“実績”を上げられないからだ。ご自分のビジネスを考えられてもお分かりだと思う。
ほいほい上げられれば、誰も苦労はしないはずである。要するに、知識や経験があって、それをカタチにするセンスとか、
善良さとか、誠意とか、さまざまな条件がコンサルタントには求められるのではないだろうか?

かくいう私も、 “コンサルタント”を標榜しているので、“同じ穴の狢”に見られぬよう、
自戒を込めて今回の記事を書こうと思う。


さて、本題。

そういうコンサルタントの実態を知るために、けっこうな数のブログやホームページを覗いてみた。
すると、あるサイトのリンクからface bookページに飛んだわけだが、その先は素晴らしいお花畑だった。

“face bookを金にする”方法を伝授するというのである。

あまりにもストレートすぎて後ろにひっくり返りそうになった。いやもう、その内容といったら、
自己啓発セミナーや、MLM(ネットワークビジネス)の資料そのものである。
いわく“最高の結果を導き出す方法”、いわく“売り上げが倍になる”、いわく“やった者だけが勝ち残る”

こういうフレーズは使い古されたものだ。中身のないビジネス書、インチキ情報商材屋、
無責任コンサルタント、そして現在大流行中のソーシャルメディア詐欺師。みんな同じことを言っている。
にも、関わらず、その話に乗せられる人が後を絶たないのはなぜか?

商売に行き詰まっている? 資金繰りに困っている? それとも、欲の皮が突っ張っているのか?
いずれにしても、正常な精神状態でないことが多いから、正常な判断ができないのではないかと思う。

以下の話を冷静に考えていただきたい。

“売り上げが倍になる”とか“3割アップ”とか、景気が良いことを掲げているが、何を根拠にしているのか?
こちらの売上高や収支も知らないうちから、どうして具体的な数値を言えるのか。
また、それが過去の成功事例に基づくものならば、伸び率0%もあれば、200%もあるような平均値なのか、
それとも単純に最高値なのか。

さらに、その証拠となるデータを開示すべきである。その代わりのごまかしとして、このような場合は
“お客様の喜びの声”といった記事を載せて、実績の裏付け(という錯覚)をしているわけである。

調子の良い話なんか、信用できるわけがない。

顔写真とコメントはいくらでも捏造できる。口コミサイトのヤラセやステルスマーケティングを考えれば、
同じことをやっていると考えるべきである。会社名はどうか? 検索しても引っかからない。あるいは、
ホームページを見つけたが、何だか怪しい…多くの場合、そのコンサルタントを持ち上げまくっているのは、
仲間だろう。そうやって、仲間内でリスペクトしあって、哀れなカモを回しあっていくのは詐欺の王道である。

だいたい、成果を上げたからと言って、ほいほい実名で顔出しする経営者ばかりではないと思うのだが…
むしろ、競合に知られたくないから、黙っているという場合も考えられる。経営コンサルタントなんかの場合でも、
誰もが知っている大手企業の名前をやたらと例に使うが、大手ほど体面や秘密保持に神経質だから、
仕事の発注先を公開しない場合もある。むしろ保守義務があってもおかしくないはずだが…。

もしも、紹介するならば、裏付けとなる具体的なデータもあってしかるべきだし、
顧客サービスとして会社紹介のひとつもするのが礼儀だろう。

まだ、納得できない?
本を出しているくらいだから、信用できるとおっしゃる?
今の世の中、本なんかいくらでも出せる。いかがわしい情報商材屋やコンサルタントの
片棒を担ぐ有名な出版社もあるほどなので、本ごときで信用はできないと考えられた方が良い。

では、なんでface bookページでこの手のSNS詐欺師が活躍しているのかと言えば、
ネット起業、情報商材とやってきて、ひと通りカモを食い尽くしてしまったので、
次の猟場に移って来ただけに過ぎないのだ。

こういう輩は頭がキレるから、機を見て敏であるというわけで、多くはMLMの経験者だろう。
MLMの真理は“最初にやったやつだけが儲かる”、“人間関係をすべて金に変えてしまう=後には何も残らない”という
2点であり、情報商材の販売や、ネットやSNSを使っての収益拡大を説くビジネスセミナーの多くは、
MLMとまったく同じ本質を持っているように思えてならない。

欲を出して儲けるなら、最初に動く。そして、後から続く者たちの欲望で儲ける。儲けたら、それで終了。
成功しなかったのは、あなたの努力が足りなかったから。違法行為でないから問題ない。

このような本質を理解するには簡単な方法がある。
彼らの言っている、夢のようなキャッチフレーズを過去形にすればいい。

face bookを金にする→face bookを金にし
売り上げを倍にする→売り上げを倍にし

つまり、彼らの言うキャッチフレーズは、自分たちの成功事例か、あるいは確信なのである。
そして、セミナーや商材を買った“あなた”は、それで儲けるのではなく、彼らがあなたによって
儲かるというわけだ。この点だけは、彼らも本当のことを言っている。
自分がface bookを使って儲けているのだから。3割だか、倍増だか、きっとそれ以上に。

また、彼らが口を揃えて言う「face bookで儲けるために友達を1,000人集めよう」というのも危険な話だ。
アフィリエイターの相互リンクみたいに、見知らぬ他人同士が友達申請していたり、知らない人からの友達申請とか、
それらがインチキIDだったり。フィード購読者を確保しましょうと言って、他所ではそれらを有料で売っていたり。
露骨なやり方は、face bookの運営サイドからアカウントを削除されるのでご注意を。

くれぐれも申し上げるが、これらはface bookで儲けようとしている彼らの手口であって、あなたが儲けるためのものではない。
face bookページで何かを告知し販促しようとするなら、地道なスタンスとアイデアが基本になるだろう。
そして、誰もがすぐに結果を出せるものとは考えないほうがいい。

世の中にうまい話はありません。あったら他人に教えるわけがありません。
最初からいい顔をしてすり寄ってくるのは、水商売のオネーチャンと詐欺師だけだと
昔から相場が決まっているはずなんですけどね。そうは思いませんか?