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自分で考える時間をつくることが大事~受け身から能動的学習へ~

2023-06-17 | 日記

「うちの子、成績がなかなか上がらないんです。塾にも通わせて、学校の先生も熱心に指導してくださっているのに……。やっぱり、地頭が悪いんでしょうか?」

僕は親御さんからこんな質問をよくいただきます。いろんな学校・いろんな地域で同じようなことを聞くので、普遍的に多くの親御さんがお悩みなのではないかと思います。

実はこの質問、前提条件が間違っている可能性があります。ずばり、「先生や塾の講師が、熱心に勉強を教えているから、成績が下がっている」可能性があるのです。

今回は、「教えるから頭が悪くなる」ということについてみなさんにお話ししたいと思います。

先生の授業を聞くと、頭はよくなる?

まず、みなさんに1つ質問をさせてください。

「先生の授業を聞くと、頭がよくなる」

これは、○でしょうか?×でしょうか?

おそらく多くの人は「○」と答えると思いますが、よく考えてみてください。たとえばこの記事を読んでいる人が大人の方だったとして、10年以上前の授業の内容を覚えていますか?

「1ミリも覚えていない」「断片的になんとなく思い出せるが、まったく再現できない」という人のほうが多いのではないでしょうか。

「頭がよくなる」というのは、「新しい知識を得て、知らなかったことがわかり、問題解決に生かすことができるようになること」だと定義できます。

この定義で考えた場合に、少し年月が経ったら忘れてしまうような学校の授業は、はたして「頭がよくなる」と言えるのでしょうか?

もちろん僕は、「授業が無駄だ」と言いたいわけではありません。

ですが、そもそも多くの人は、「頭がよくなる瞬間」というものを間違えて解釈していると思っています。

これは教育学的に証明されている話なのですが、人間が物事を記憶したり、知識を生かせる状態になるのは、知識をインプットしている瞬間ではなく、アウトプットしている瞬間です。

たとえば先生の授業を聞いたり、教科書を読んでいるだけでは、あまり記憶には定着せず、問題を解くこともできません。

情報を自分の中に取り入れる「インプット」の時間では、頭はよくならないのです。その内容を自分なりに咀嚼して、問題を解いたり、ノートを取ったり、人に説明したりして、情報を自分の中から外に出す「アウトプット」の時間にこそ、頭はよくなっていきます。

人の話を聞くだけでは覚えられない

実際に、コロンビア大学では、「覚えるべき事柄をインプットする時間とアウトプットする時間を計り、実験者たちがどれくらいの割合のときに一番成績が高いのかを計測する実験」が行われました。そのときに、「インプットの割合が3割・アウトプットの割合が7割」のときに、いちばん記憶に定着することがわかったのです。

要するに、人の話を読んだり聞いたりしているだけでは人は物事を全然覚えられず、問題を解いたり説明したりしているときのほうが物事を覚えやすいのです。

この話を知っていただいたうえで、同じ質問をさせてください。

「授業を聞くと、頭がよくなる」。これは、○でしょうか?×でしょうか?

僕はこの問いの答えが×だとは思っていません。ですが、「授業を聞くだけでは、頭はよくならない」というのは明確ではないかと思います。

真に頭がよくなるのは、人から何かを教わっているときではなく、自習の時間です。自分で時間をコントロールして、自分で考えて、自分なりに咀嚼して、ノートにまとめたり、問題を解く時間が長くないと、成績は上がらないのです。

結局先生がどんなにいい授業・わかりやすい授業をしたとしても、それを受ける生徒が家に帰ってからその授業を咀嚼したり復習したりする時間がないと、成績は伸び悩んでしまうんですね。

これを象徴するような話として、「自称進学校のジレンマ」というものがあります。

生徒の成績を上げるために、普段から先生が熱意を持って生徒指導をしていて、かなり強い口調で「この学校は進学校だから、サボらずに勉強をするんだ!」と言い、課題や授業の数が他の学校に比べてかなり多い学校のことを、「自称進学校」と揶揄する風潮があります。そう揶揄される学校であればあるほど、逆に生徒の成績が伸び悩む場合がある、という話です。

アウトプットの時間が足りない

なぜこんなことが起こるかというと、メカニズムは簡単です。

先生が熱意を持っているので、こうした学校では「放課後にも講習をやろう」「もっと授業を増やそう」と、生徒に教える時間を伸ばす傾向にあります。

「平日も夜まで授業をしよう」「土曜日もみっちり勉強を教えよう」と、どんどん授業の時間が増えていって、生徒はインプットの時間が長くなっていきます。人の話を聞く時間ばかりが取られるようになって、アウトプットや復習の時間が取れなくなってしまいます。そうすると、いくらいい授業を聞いていたとしても消化不良で終わってしまい、普通よりも成績が下がってしまうのです。

これは、親御さんが勉強を教えている場合も同様です。どんなに親御さんの頭がよくていい授業ができる場合でも、子どもの自習の時間が減れば、当たり前のように成績は下がります。

親御さんが熱心に勉強を教えれば教えるほど、子どもはアウトプットの時間が取れず、勉強の成績が下がってしまうのです。

同じように、塾に通っている生徒の中でも、熱意のある生徒のほうが、なぜか成績が下がってしまう場合があります。意欲があるので塾の授業を取りまくり、真面目に授業を聞いてはいるのですが、授業数が多くてアウトプットや復習の時間が取れなくなってしまい、塾に通っていないときよりも成績を下げてしまう場合があるのです。

こうした現象の話を聞くと、「授業を聞くと、頭がよくなる」は必ずしも「○」ではないということがわかってもらえるのではないでしょうか?

さらに言えば、教わる時間が長くなれば長くなるほど、子どもたちは「答えを覚える勉強」が主眼になってしまいます。

授業では、多くの先生たちは「こういう問題にはこう対処するんだ」「こう聞かれたらこう答えるんだ」という指導を行います。

そうすると、「Aという問題にはBと答えるんだな」と、知識として答えを暗記する勉強が主になっていきます。こうなると、「A」という問題が応用されて出題された「A`」の問題には対処できないんですよね。

例えば、こんな話があります。1×1~9×9の、81個の計算を覚える「九九」ですが、この九九を、「いいか、7×8は56だぞ!」と親や先生が細かく指導し、他人がバックアップして覚える経験をした子は、他の子に比べて早く九九を暗記できます。

しかし「じゃあ、70×8は?」というように、九九を応用した問題に対しては、即答できず「覚えてない」「紙に書いて計算する!」と言ってしまう場合が多くなるのだそうです。細かく「こう来たらこうだぞ!」と教わりすぎて、逆に自分の頭で応用する力が衰えてしまうわけです。

自分で考える時間をつくることが大事

これはもちろん、本質を教えず子どもに暗記をさせてしまう、指導の仕方自体が悪かったということもあるのだと思いますが、「えっと、7個のものが8セットあったら……56個か」「7個のものが7セットあったときは49個で、それに7個足した状態ってことか」というように、本人が自分の頭の中で考える時間を取ってあげることも重要なのです。

「教えすぎる」と成績が下がるため、自分で考える時間=自習の時間を取らないといけないというわけです。

「うちの子、成績がなかなか上がらないんです。塾にも通わせて、学校の先生も熱心に指導してくださっているのに……。やっぱり、地頭が悪いんでしょうか?」

というふうに悩んだら、その子が今どれくらい自習の時間を作れているのかを考えてあげる必要があります。

塾や授業を詰め込みすぎているのであれば、あえてその時間を減らしてあげることも有効な手立てなのかもしれません。


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