入試本番まであと少し。ここからは、いかに効率の良い勉強をしていくかが合否の分かれ目となります。そこでこの時期にダメな受験生の特徴をまとめてみました。名づけて、「落ちる受験生」のチェックリスト。あなた(のお子様)は、何項目当てはまってしまうでしょうか……?
■1.受験校でまだ迷っている
→ここまで来たら、明確な目標に向けてラストスパートに入っていなくてはなりません。少し成績(偏差値や過去問の点数)が足りないくらいでどうしようか迷っているのであれば、受けるのは止めた方がいいでしょう。どうせ受かりませんから……。
■2.余計な情報に惑わされている
→この時期、外野から入ってくる様々な情報に、いちいち反応する必要はありません。塾等で正確な情報を手に入れたら、あとは合格するための勉強に「没頭」してください。時々、保護者の方がうるさい「外野」になってしまっている場合があります……。
■3.「落ちたらどうしよう……」「自信がない……」が口癖になっている
→この時期、不安がまったくない受験生はいないでしょう。しかし、それを口に出していると、本当にそっちの方向に意識が引きずられます。意識して、強気の思考・会話を心がけてください。周囲に、こういう「かまってちゃん」がいたら、明確に距離を置いてください。足を引っぱられます。保護者の方が不安になってしまって、子どもの足を引っぱっているケースもよく見かけます。
■4.勉強量が足りない
→みんな必死に取り組んでいる時期です。勉強の絶対量が少なければ、周りの受験生に負けてしまうのは当然です。ただし、必要なのは勉強「時間」ではありません。勉強「量」です。ここを間違えないように。
■5.睡眠時間を削って無理している
→一昔前は、「4当5落」などと言われていて、睡眠時間を削って、ねじりはち巻きで夜中に頑張ることが美徳とされていた時代がありました。今は、逆のような気がします。毎日睡眠時間が4時間以下で取り組んでいたら体が持たないでしょう。昼間の集中力にも影響が出ます。よく寝て、よく食べて、余裕を持って受験勉強をしている生徒の方が、結果が良い場合が多い気がします(もちろん、寝すぎ・食べ過ぎはダメです……)。いかに無駄な時間を使わず、効率的にやるべきことをこなしていくかがポイントです。
■6.(塾の)自習室に行くことが目的になっている
→そういう生徒に限って、集中して取り組んでいません。塾にいることで安心してしまうのです。最悪なのは、本人は乗り気でないのに、親や塾講師に自習室に行け(来い)と言われて仕方なくそうしている場合。こういう生徒は、だいたい落ちます。自習室に行って勉強するのは、より集中できる環境を自ら求めて、自発的に講師を利用したりして、合格を勝ち取るための手段の1つです。決して目的ではありません。このあたりを履き違えている受験生は、入試が終わった後も苦労するはずです。
■7.友だちと一緒に勉強している
→友だちの家で一緒に勉強しているとか、塾の自習室に誘い合わせて一緒に行き帰りしているような生徒は、だいたいうまく行きません。受験勉強は本来孤独なもので、最終的には1人でやらなくてはならないものだということが分かっていないのです。ついおしゃべりをしてしまったり、友だちをボーっと待っているだけだったり、無駄な時間を使っている場合が多いです。特に、異性の友達と一緒に勉強しているというケースは要注意です。共倒れになる場合も多いのですが、なぜか男子の方がうまく行きません……(笑)。
■8.自分が受ける学校の過去問をほとんどやっていない
→慣れが重要なのです。少なくとも、過去5年分を2~3回ずつはやりましょう。出る問題・出ない問題等の、傾向がある程度つかめるぐらいにはしておかなくてはなりません。
■9.過去問ばかりやっている
→逆もまた然りです。入試問題で点数を取れないのには、明確な理由があるのです。そこを埋める作業をしていかないと、永遠に点数を取れるようになりません。この時期、塾の職員室で常に過去問を持ってウロウロしている生徒は、要注意です。「過去問中毒」になっている可能性があります。
■10.分からない問題に時間をかけている
→算数・数学や理科に多いと思いますが、1問をウンウン唸りながら時間をかけて考えている生徒がいます。この時期は、百害あって一利なしです。せいぜい5分真剣に考えてまったく方針が立たなかったら、答え(解説)を見るか、塾の先生に質問してください。その上で、そのパターンの解き方を覚えてしまい、次に出てきたら使えるようにしておくことです。それでも理解できない場合は、おそらく(本番でも)捨て問です。ほっといてください。
■11.ノートを作るのに時間をかけている
→知識をまとめているにしても、テストのやり直しをしているにしても、ノートを作っている時間が勉強時間のほとんどという生徒は、ここからの時期は間違いなくテストの点数は伸びません。知識の定着と、テストでのアウトプットに時間をかけられないからです。
■12.新しい参考書・問題集をたくさん買い込んで積んである
→これもダメな受験生の典型です。これからの時期、もう新しいことに手を出す必要はほとんどありません。今までやってきたことをいかに完璧にするか、入試本番でいかに自分の実力を発揮するか、この2点に集約するべきです。
■13.ミスの存在を蔑ろにしている
→「これはケアレスミスだから本当はできたんです」とか言っている受験生がいます。そういう生徒は、本番でもきっと同じセリフを言うのでしょう。どっちが「本当」なのでしょうか? 分からなかった問題は、しっかり理解できれば、次には点数を取れる可能性が高いです。しかし、常にミスをしている生徒は、本番の緊張感の中だと、必ずと言っていいほど「とんでもないミス」をやらかしてきます。この時期は、ケアレスミスほど、しっかり分析・復習する必要があるのです。ミスをなくすための「対策」を考えましょう。
■14.受験できることや塾に通えることに対して感謝の気持ちが持てていない
→私の30年近い塾講師経験を通しての結論です。ここがダメな生徒は、入試でいい結果が出ない場合が多いですし、受験を通して成長することもできません。毎年、奇跡的な合格を勝ち取ってくる生徒は、だいたいこの部分で我々が感心するようなことがある生徒です。家族・先生・友人・塾等に、感謝の気持ちを持つことが大切だと思いますが、今自分の置かれている環境・状況は、とても恵まれていて、ありがたいことなんだということに気づいているかどうかがとても重要だと思います。
この時期、悲劇のヒーロー・ヒロインになっている(なろうとしている)生徒はいませんか?