ウロ

木の洞に頭突っ込み独り言

老人ホームに

2018年05月28日 | XDAY
数日前の夕方 ホームから電話が入る。
どきっとする。

「夕食にビールをと仰っているので
ノンアルコールのビールを買って来てお出ししてもいいでしょうか」

晩酌なんてずっとしてない。
外食も終わりの頃はアルコール抜きだったし
その外食もずっと行っていない。
だから2年以上 あるいは3年 呑んでいない。
それをなぜいきなり「ビール」なのか。

そこをホームと認識している利用者ならば
「アルコールはお出しできません」で済むのだが
父は「ホテル」だと思っている(らしい)。

お金がないので帰る事が出来ないから仕方なく滞在している。
その線で見守っていて下さっているので
無下に「駄目です」とも言えなかったのか
少しでも居心地良くという気遣いなのか
こちらとしては「お願いします」と言うしかない。

で昨日こちらから電話して
「持参した方がよければ買って持っていきます」と
ついでに「ウエハースも要るようならば」と
お伺いをたて 薬局経由で訪問する。

ウエハースとは
「鉄分」補給を謳った薬局などで売っている品である。
「輸血をしなければ寝たきりになる」と言われながら
頑として総合病院に行こうとしない父に
気休めにと食べさせたらば みるみる血色がよくなった
という代物で
その後「カルシウム」版など取り揃え
食欲のない夏もそれで生き長らえさせたのであった。

入所当時
「食事が摂れないようでしたら食べさせてください」と預けた。
大方食事も食べているから要らないかなと思ったのだが
「もうなくなりました」と仰るから
ほぼ毎日食べているようである。

ノンアルビールとウエハースを受付で渡し 話を聞く。
面会はしない。
した方がいいのかしない方がいいのか分からないから
したくもないのに会う事もなかろう。

相変わらずの帰宅願望。夕方の彷徨い。
目を離すと他の居室に入ったりするので常につききり。
他に用がある時も父の車椅子を押して回る。

ああ……

どうか追い出されませんように。
要介護3でよかったとしみじみ思う。
これで1だったらいたたまれない。
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