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5月投句

永らへて今ひとたびの桜かな 粒石
大人ってオモシロがれる人 達磨草      変竹
目にやさしそしてきびしや柿若葉       粒石
天上大風ゆうゆうじじゃく 鯉幟       変竹   
背をのばし腹ひっこめて 五月風       変竹
草笛や もうすぐととせ 女川の原      変竹
初鰹売り込む口上緋の作務衣         雅田如
むかし男は男でありき 初鰹         変竹      
草笛や一日過ぎ行く尾瀬ヶ原         陽炎
聖五月まどろみて知る性善説         雅田如
江戸っ子は粋でいなせや初鰹         陽炎
草笛や幼なじみも皆老いて          粒石
モナ展の上野の森に若葉雨          陽炎
草笛や対岸騒めくホームラン         雅田如
仰ぎ見るピサの斜塔の薄暑かな        陽炎
白壁のカフェを囲んで夏木立         陽炎
今年また素十を偲ぶ初鰹           粒石
草笛の美音奏でる見知らぬ子         摸楽宙
草笛や子等の個性の競い合ふ         摸楽宙
糸取りの媼の色気指の先           雅田如
悦びも愁いもありて春の月          粒石
しなやかに竿に抗ふ鰹かな          摸楽宙  
変幻の草笛吹ける静かな子          摸楽宙
葉桜やジャングルジムにぽつんの子      雅田如
甲板を叩く尾びれや鰹舟           摸楽宙


****分科会************

  <川柳>
草笛や 江戸川土手に少年は居ず       変竹
初鰹さつきの鯉の吹流し           変竹
トレジャDNA 運命はかわる 青嵐      変竹
令和元年 ゆうゆうゆたり鯉幟        変竹
いってきます手術6時間 ハイさいなら    変竹
行ってきます冥府の旅の予行演習       変竹
夏場所やのこったのこった まだまだよ    変竹
新メニュー子ども食堂列長し         雅田如
減塩の朝昼夕の飯哀し            雅田如
病床にておむつ替えせし強面         雅田如
その人の深夜の雄叫び哀しけれ        雅田如
それぞれの咳に人生4人部屋         雅田如

  <短歌>
チコちゃんに叱られちゃうよそんなんじゃ
             世の中もっとオモシロがろよ    変竹
生きてなきゃ何もできない スイトピー
             だから今日も生きているんだ    変竹
5000キロ旅する蝶の浅黄斑
             おとこは夢見る見果てぬ夢を    変竹


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四月披講

           兼題 「花の雨」 「春の蝉」   
 

  天   春蝉の木曽路歩くや異邦人    陽炎
木曽路はすべて山ん中 春おそき森の奥から 春の 蝉の声
それにしても近頃の外じん様 日本人さんより日本美しってるネ(変竹)

  天    鹿屋知覧御魂鎮めて花の雨    陽炎
飛行機もろともに散った若い命。「お国の為」と信じ、信じる事を心の支えにいったであろうこと、時代が代わろうと知っておかなくてはいけない事だと思います。花の雨が静かに染みてきます(里楽乃)

  天   鹿屋知覧御魂鎮めて花の雨    陽炎
若き命が犠牲になった特攻隊。国策に翻弄された尊い命の儚さが季語により倍加された。日本人にとって「桜」は心のよりどころ、なお、平和を祈らずにはいられない(雅田如)

  天   ノクターン瞼閉じれば朧月    陽炎
たった17文字、しかしその17文字に詠者の万感の思いが凝縮しているようだ。中7がお見事(粒石)

  天    薄墨のわが生の末 春の蝉    変竹
人生哲学的なことは、難しくてさっぱり分からないが、人は皆同じゴールに向かって走り続ける。自分の目標を達成するという終わりは無いと思う。 人の心に何かを残してゆく。春蝉のように(模楽宙)

  天   春眠やブラックホールへ吸い込まれ    雅田如
春眠をブラックホールに結びつける技に脱帽。まさしく春の眠りは抵抗しても逆らってもブラックホールに吸い込まれるように深く眠りに落ち込んで行く。実感有り(陽炎)

  地   霊柩車の出棺合図花の雨    雅田如
どこか淋しくどこか幽玄 四月雨 女は春に みまかった
男は寡黙に み送った 霊柩車ひと声哭いて 花の雨ふる(変竹)

  地    万葉の言霊宿し令和春    雅田如
麗しき時代に詠まれた情景を現代に、文明が進んだが故の願い。
令和がただ平和であれと願うばかり(里楽乃)

  地   過呼吸の少女の涙春の蝉    雅田如
読んだ瞬間心が痛む。生半可な言辞を弄することは許されない慟哭の詩だ(粒石)

  地   あお向けに花降る先の空青く    里楽乃
満開の桜の木の下で何か考え事をして寝そべっている、そこへ花びらが降って来て
見るとその先に青空。その瞬間考え事など霧散してその美しさに見入ってしまう(陽炎)

  地    坪庭に若い声あり花の雨    粒石
坪庭といえば、手入れの良く行き届いた庭を思い描く。老人趣味的な雰囲気のところへ突然の若い声。ギャップの違いが面白い(模楽宙)

  地   ん そうだ あんたはあんただ坐禅草    変竹
上手い俳句だね。一寸分かち書きが気になるけど、これがまた、「空」の世界へと誘うようで妙だ(雅田如)

  人    ん そうだ あんたはあんただ坐禅草    変竹   
そのまま、ありのままで良いんだよ。あなたらしさそしてあなたの出した答え、すべてそれで良い.
最高の応援歌(里楽乃)

  人   ころがる石どこへ行くやら春の風    変竹
何だかフーテンの虎さんが出てきそうな句だ、当て所ない身に春風が優しく吹いている。ころがる石は、果たして石か自分自身か世の中か。含蓄のある一句(陽炎)

  人   薄墨のわが生の末春の蝉    変竹
己の人生をある時ふと振りかえった時の感慨か。若かりし頃思い描いた己の人生は夢のように消え去った人も少くないだろう。人の世の儚さを改めて思い報らされた(粒石)

  人    彷徨の春蝶映す潦 ( にわたずみ )    雅田如
( にわたずみ ) は万葉集の一節 。春の蝶の陽気で気ままな姿を、水溜りから 流れる水に映っているという、なんとも風流な句です(模楽宙)

  人   春眠やブラックホールへ吸い込まれ    雅田如
春は ネムい 地に吸い込まれるような眠け でも まあ ねー
ブラックホールにすい込まれたら 136億光年の眠りになっちゃうカモ(変竹)

  人   聴診の医師の目やさし春の蝉    摸楽宙
驚いた! 大胆な季語の取り合わせに。きった新任の若い医師だろうか、過疎地の医療に取り組み、ここがスタートで大空に羽ばたこうとする大志が見えて爽やかだ(雅田如)

  佳作  聴診の医師の目やさし春の蝉    摸楽宙
この医師は小児科医だろうか、患者を見る目が優しく微笑んでいる。 まだ鳴き始め春蝉の声が遠くから優しく聞こえている(陽炎)

  佳作  聴診の医師の目やさし春の蝉    摸楽宙
信頼する医師の優しい一言は患者には何よりの贈物だ。
「医は仁術」を改めて考えさせられた一句だ(粒石)

  佳作   春の蝉おもひだしては鳴きにけり    摸楽宙
途切れ途切れに鳴く蝉。ふと気付くと止んでいて、
また気付いたように鳴く。春ののどかな時の流れに蝉もウトウトしていたのか?(里楽乃)

  佳作  春蝉や記憶の果てのある事件    摸楽宙
春蝉に何か遠い思い出が有るのだろう、鳴く声を聞くとその思い出が甦ってくる。
記憶の果てと有り、若かりし頃の不穏な出来事か(陽炎)

  佳作  別れきて仰ぐ瞳へ花の雨    摸楽宙
別離の寂しさが下五の花の雨で癒される。人智を越えた自然の嫋やかさを改めて識る(粒石)

  佳作   ころがる石 どこへ行くやら春の風    変竹
春の話題は令和1色だが。遠い宇宙では世界初の小惑星竜宮への着陸。 石もころがして春の風をまき散らす(模楽宙)

  佳作  薄墨のわが生の末 春の蝉    変竹
閑寂な仙人のような生活とは、すべてを知り尽した果ての人生こそ憧れの的である(雅田如)

  佳作  ふらここのこぞりてくつを飛ばす子ら    里楽乃
暖かくなり外で子供達が遊ぶように成ってきた。友達とブランコに乗りながら靴を飛ばし、声出して笑いながら漕いでいる様子が春らしくほほえましい(陽炎)

  佳作   春蝉のふと止みハタと目の覚めて    里楽乃
音がして眼が覚めるのは普通の話だが、この逆パターンも有り。発想がユニークです(模楽宙)

  佳作  春蝉のふと止みハタと目の覚めて    里楽乃
春の夜半 途切れ途切れに 鳴いてた春蝉 プト止み 目覚めた
不安が降りてきた 何の予兆か 不吉な予感 眠れない 春宵(変竹)

  佳作   過呼吸の少女の涙春の蝉    雅田如
詠者は少女なのか、それとも理想なのか、過呼吸は本人にしかわからないが、詠者の若々しい気持ちはいつまでも変わらない(模楽宙)

  佳作   過呼吸の少女の涙春の蝉    雅田如
最近、思春期の女子に過呼吸を起こす子が多く居るようです。
その不安と苦しさそして涙。はかなさの取り合わせが素晴らしいです(里楽乃)

  佳作  万葉の言霊宿し令和春    雅田如
万葉の野に袖ふる君や 紫の こと葉は言霊 令和の和 輪 話(変竹)

  佳作   ノクターン瞼閉じれば朧月    陽炎
ノクターンの曲調とおぼろ月ぴったりの取り合わせです。
静かに流れるノクターンが春の夜をより特別なものにしてくれると思います(里楽乃)

  佳作   想ひ出に彩をつけるや春の蝉    粒石
昔の写真は白黒だった。それがカラー写真になった時の新鮮な驚きが思い出されます(模楽宙)

  佳作  想い出に彩をつけるや春の蝉    粒石
何と詩人の表現だろう、人生の彩ってなんだろう。読者に興味津々のドキドキ感がある(雅田如)



 ****白銀句会分科会********

  <川柳>

 ☆ 息しないロボットになりたいなあ    雅田如
その前に AI毛嫌いの 治療治験 を受け入れて 下さい ネ(変竹)

 ☆ 新免許なんでこうなるデスマスク    雅田如
まあ もう そろそろ 後期高齢者の免許運転制限も
やむを得ない そんな だんかいなのカモ かも ねー(変竹)

 ☆ 民主主義飽きた次は何の主義    屯児
スペインの哲学者オルテガちゃんは 一世紀も前に「大衆の反撃」で
民主主義の限界を予言 そして ちょっと前 悪夢のような民主党政権の 政治も(変竹)

 ☆ 早世の中也せんれつ春の蝉   変竹
川柳じゃない 1行詩句だ!30歳の若さで逝った中也の世界を春の蝉と言い切った。短命な愛と哀しさの詩人は春の蝉と合い和す。やっぱり詩だ(雅田如)

 「早世の中也せんれつ春の蝉」   変竹
不条理極まる世の中に命を絶れた若者の志は永遠に不滅だ(粒石)

 ☆ 春の蝉 みすず儚しなつかしぬくし   変竹
まいった まいった。春の蝉でもう一人 金子みすずですか。やっぱり詩だ。「ぬくし」の三文字で救われた(雅田如)

 「わが生は菜の花畑でおわりたし」   変竹
詠者の心情に100%共鳴します(粒石)


  <短歌>

 ☆ ひたすらに歩く遍路の杖の音
           自分探しの業行二人    雅田如
ジブン探しの同行お付き合い 空海さんも ご迷惑 ??
ただただ ひたすらに歩いて歩いて お遍路してください(変竹)

 ☆ 暁天の観音開きの幕開ける    
           刻を告げ行く梟の影    雅田如
ひむがしの空あけぼのの観音びらき夜あけて 梟は西方浄土に(変竹)
 
 ☆ 生きるとは今このときを生きること
             ただひたすらの日日是無常   変竹
たしか道元禅師の言葉で「今 此処 我」と言う言葉があり、禅の道を説いたものと記憶しています。正に人の生き方を示唆した短歌だ(雅田如) 
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