goo

四月 投句

そろそろネゆっくりでいい 春の月     変竹          
春風やぶらりご無礼 旅に出る       変竹
緋牡丹の言葉にならぬことばかけ       粒石
ぼうたんや縛られ地蔵の縄ほつれ      雅田如
生きたまま成仏するり 山辛夷       変竹
ひこばえや大日如来しろしめす       変竹  
海ふしぎ宇宙もふしぎホタルイカ      変竹 
兜太逝く ホタル残照いよよ鮮       変竹     
われも又ひこばえなるや此の星で      粒石
立山の淵に呼ばれし蛍烏賊         摸楽宙
写メの撮るひこばえツンと背伸び顔     雅田如
まついかの集めてエコの灯しかな      摸楽宙
盆栽にひこばえといふおまけかな      摸楽宙
ふらここや来る来ない来る来ない来る    雅田如
弁天の頬紅真っ赤芝桜           雅田如
陶窯の割れし器の山蘖ゆる         摸楽宙
ほたるいか神の光にさんざめき       粒石
ラジコン船画布によろしき花筏       摸楽宙
湾埋める蛍烏賊漁光る海          雅田如
浜の灯や生死も戯れにほたるいか      摸楽宙
ひこばえや二葉にして匂ひ立ち       粒石
尖り寄す波の先頭ほたるいか        里楽乃
今年又紫競ふ牡丹かな           粒石
ひこばえよ私は今日も元気です       里楽乃
清明や我もまた動物と知る         里楽乃
鉄線花の数をかぞえし朝の風        雅田如
菜の花にミツバチじっと土手の昼      里楽乃
緋牡丹に散策の脚止まりけり        粒石
顔描きし風船押し上ぐ声の風        里楽乃
胸に花つけてあげる方新年度        里楽乃


****白銀句会575分科会*****

   <川柳>
蘖やそろそろいいか託そうか        変竹林
たどりつく命の果ての蛍烏賊        変竹林
蛍いか海はいのちを生みつづけ       変竹林
おれジジイ気楽に気楽に春の雲       変竹林
ふわふわ追風になります春の風       変竹林
独裁者脳の一筋太古より          徹
本能が今の世に出る独裁者         徹
サピエンス技術沸点心退化         徹
駄々っ子が国会で遊ぶ政治かな       屯児
やれ証人やれ参考人で一日暮れ       屯児
小卒のおやじに光る自負矜持        屯児
東大卒の言い訳なんて中学生        麻太郎
嘘つくとエンマに抜かれる二枚舌      麻太郎
東大出が言葉遊びと聞く遊び        麻太郎


   <短歌>
モンゴルはオトコ十五で羊を捌く
           男育てる草原の風       変竹林
春風や もふもふさがしの旅に出る
        ゆけどゆけども果てやあるらん    変竹林
ひこばえや新たな命うらやまし    
        その清鮮のあらあらしきて      変竹林
はてさても不思議宇宙やホタルイカ     
        原始の神はまどいつなやむ      変竹林
汗の散る太鼓乱打の高校生
        束ねし髪の蒼天に舞ふ        麻太郎
シンバルの一打入魂終楽章
        瞬時の時は神との交信        麻太郎

        
        


コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )

三月披講

      兼題 「蝶」(胡蝶、春の蝶) 「土筆」(つくし摘む)

  天   折り紙で今年はごめんひなまつり    里楽乃
母と娘だけの暮しはつましい ひそやかに愛しく生きております
せめて紙雛で作った 小さなひな壇かざって 流し雛しましょう(変竹) 

  天   解されし蝶の円弧の昼下がり    摸楽宙
凄い句だ。蜘蛛の巣に捕らえられた蝶に奇跡が起こった。生贄から解かれた喜びの舞い。昼下がりがいいね。
なんでもない平々凡々の時間の流れの中に起こる奇跡の営み、そこに命を賭けたドラマがあった(雅田如)

  天   砂時計ひっくり返して三月尽    雅田如
あっという間に3月も過ぎ去ってしまう。時は時空の果てへ永遠に過ぎ去るのみなのか? 砂時計と 季語の取り合わせがなんともユニークです(模楽宙)

  天   天仰ぐやるだけやったよ青嵐    変竹
充実感溢れるさわやかな表現に引き込まれる。今春巣立つ若い人達にぜひとも贈り度い句だ(粒石)

  天    生きるって遠くへ遠くへ 春陽炎    変竹
陽炎は追っても追っても追いつけない。何かを求めて歩いて歩いて、先へ先へ。正に真理だなぁと思いました(里楽乃)

  地    生きてるよ ふわり浮き雲つくしんぼ    変竹
つかみどころのない浮き雲。人の心もふわっとしていて、その日の気分なんて言うが、よく変化もする。つくしんぼ
と浮き雲が語っているようでもあり、リズム感が良く、あかるい句すです(模楽宙)

  地    春浅き月夜の浜辺 泣く男    変竹
絵が浮かぶ一句です。まだ寒さの残る夜気にまぎれて泣く男性。何があったのか?でも月が出ていることで希望を感じます(里楽乃)

  地   誇らしげランドセル背負う歯抜け顔    里楽乃
山奥の分教場 ピッカピカの一年生は誇らしげ でも歯抜けが可笑しい
山姥の娘か 座敷わらしか でも 歯抜けの笑顔は めっちゃ可愛いい(変竹)

  地   春雷や君待つ茶房の古時計    雅田如
遙か彼方に過ぎ去った己の青春時代が思い出された。凡てが薔薇色に映えるトキメキの日々が青春だ。上5の春雷がその青春を謳歌しているようだ(粒石)

  地   初蝶の恐れを知らぬ乱舞かな    粒石
この世に生まれた喜びの命の賛歌が下五の言葉で言い尽くしている。生き生きした自然界のエネルギーを感じる(雅田如)

  人    初蝶の恐れを知らぬ乱舞かな    粒石
初蝶と中七、無邪気に群れ飛んでいる蝶の様子がよく伝わって来ました(里楽乃)

  人   あてもなくひたすら土筆摘みにけり    粒石
なにをするにも億劫 なにかを求めて なにするでもなく 当てはない
所在なく 野に出て することもなく ただ土筆を摘む 春はもの憂い(変竹)

  人    春雷や君待つ茶房の古時計    雅田如
今、ゆったりとくつろげる純喫茶は少なくなった。古風な時計がミステリアス な雰囲気を醸し出している。遠くで雷が、そしてその人は現れるのか(模楽宙)

  人   臥す我につくしんぼうからテレパシー    摸楽宙
可憐な草花に人はどれほど癒されているか。下五のヨコモジも見事に決まってお見事(粒石)

  人   誇らしげにランドセル背負う歯抜け顔    里楽乃
溢れる生命力の笑顔をありがとう。下五に子供の成長を願う親心の愛情がほとばしる句だ(雅田如)

  佳作   ひたすらにはためく蝶や何目指す    里楽乃
蝶のはためきは誰でも魅惑される。何処へ行くのか、動きが一定していない、危ういさ、それゆえの魅力なのか(模楽宙)

  佳作   学舎に数多のきずや春巣立ち    里楽乃
新学期の季節は、新入生と卒業生で慌ただしい。教室や廊下に残したきずあとも 生徒たちの学びの証し(模楽宙)

  佳作  学舎に数多のきずや春巣立ち    里楽乃
良くも悪くも子供達のうっ屈した心のありようが映し出された疵跡だ。ちょっぴり悔恨の気持ちを抱きながら巣立っていく。
それも何時しか懐かしい想い出に変わっていくことだろう(粒石)

  佳作  折り紙で今年はごめんひなまつり    里楽乃
何があったのだろう。深読みしていいのだろうか。ネガティブな私の発想は・・・・・・。
どうしても震災の大川小学校の子供たちへの供養だろうか。全てを津波に持って行かれた親御さんの心情を思うといたたまれない(雅田如)

  佳作  土筆ってこどもみたいねぐんぐんと    里楽乃
土筆の伸びの早さを疲れを知らぬ子供になぞらえる希有な詠みに脱帽。下五も自然な流れで心地よい(粒石)

  佳作   天仰ぐ やるだけやったよ春嵐    変竹  
物事をやりきった感、春の嵐にも負けない位の自信、希望に満ちあふれていて春らしい句だと感じました(里楽乃)
 
  佳作  あてもなくひたすら土筆摘みにけり    粒石
こういうことってあるな、と思いました。一つの事に集中してひたすら没頭する。何か別の事を繰り返し考えていたり(里楽乃)

  佳作  春眠を破ぶる一報サクラサク    粒石
サクラサクの威力にのんびとした空気が喜びの衝撃に変わる。おちおち寝ていられません(里楽乃)

  佳作  ライバルの脚の長さやつくしんぼ    雅田如
思わず、土筆の足ってどこから?頭の下はどんなバランスだろう?と考えてしまいました。人も自分より脚の長い人の隣に立つ時は気づかれないようにズボンのウエストを少し持ち上げたり(笑)なんて事まで浮かんでしまいました(里楽乃)

  佳作  ライバルの脚の長さやつくしんぼ    雅田如
八頭身から 最近は九頭身までがもて囃される でもねー いくらなんでも
つくしんぼの如き頭と あとはほとんど脚 と云うのもねー ちょっとねー(変竹)

  佳作  稜線の和らぐ里や地虫出づ    雅田如
且つて日本の至る所で見られた抒情溢れる里山の風景を彷彿させる句だ。思わず歌い慣れた抒情歌”ふるさと”を口ずさんでしまう(粒石)

  佳作   蜂蜜のとろけるラセン宵の春    雅田如
自分は朝食の生野菜サラダ用のドレッシングを、色々試行錯誤しながら 作っているが(自己流)なんでもやりだすと奥が深い。エスニック系が好みですが 誰か知っている方おりましたら御教授して下さい。さて、 欠かせないのが蜂蜜です。「とろけるラセン」が素晴らしいです(模楽宙)

  佳作  蝶つまむもはなすも我のたはむれ    摸楽宙
読み手の心をもてあそぶ怖い一句だ。
「さあ 君ならどうする どうする」の声が聞こえる(雅田如)

  佳作  臥す我につくしんぼからテレパシー    摸楽宙
ことしの寒さ 特別厳しかった そのせいか グズグズ病で 引きこもり
うつうつ私メに 土筆が「春ですよー 出てらっしゃーい」と呼びかける(変竹) 

  佳作  廃線の洞へ土筆にみちびかれ    摸楽宙
土筆摘み つくしを追って ふと顔を上げれば 廃線の洞の前にきていた
なんだか黄泉の国の入口に立ってるような 入るべきか 引き返すべきか(変竹)

     次回兼題  蘖(ひこばえ) 蛍烏賊(ほたるいか) まついか・こいか


******白銀575分科会*******

   <川柳>  

  ☆ 掻い掘りをしてみたくなる国会を    徹
水面からは見えない モノ サカナ 不可解 たしかに掻い掘ればね
でもねー 掻い掘り ばっか やってるって のもねー(変竹林)    

  ☆ 大国に独裁者増えおらが春    麻太郎
決められない 政策が前に進まないない あれもこれもで纏まんない
それはそれで 成り立たないってのもねー 難しい時代のようでんな(変竹林)

  ☆ 白い雲おって帰らずつくしんぼ    変竹林
いいなあ、童心に返えった谷内六郎の世界だ(麻太郎)

  ☆ たまにはね水入り相撲見せてくれ    屯児
よくぞ言ってくれました。その通り この頃のスモウは一瞬の瞬きもできない(麻太郎)

   <短歌>  

  ☆ 禅寺の尺八奏す異邦人    
       会話カタコト大阪なまり    麻太郎
訪れる外国人は増える一方 ブームから定着へ でも増え方が すごい
フジヤマ ゲーシャ(ちょっと古すぎ?)から 日本文化への深い関心 
ニンジャになりたがる ユカタ着たがる そして地方に関心の 国際人(変竹林)

  ☆星を読む大草原に星しずく
          羊と生きる牧人の夢    変竹林
豊かな大自然にはぐくまれたシャングリラだ。何事も肯定して生きる人間の豊かさに感動する(麻太郎)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )