深夜 離れの部屋から抜け出し終電に乗った
高2の夏休み
終電は海まで行かなかった…
始発が出るまで滑り台の上に身を潜め
始発電車で海を見た朝
離れの部屋にそっと帰宅して いつもの時間に台所へ行くと
両親はいつもの朝を過ごしていました
私もいつもの朝に加わりました
今日は久しぶりで部活のない日
朝ご飯の後 ゆっくりと布団で眠りました
年の離れた4人の兄姉たちは皆学業を終えこの家を出て
いきましたから その時家の中は祖母と両親と私だけ
何度も建て増しを繰り返した安普請の家は妙に広々としていて
風通しのいいものになっていました
今振り返ると
そこから3年間だけ続いたその家族構成は
この家の最も平穏な時期だった…
しみじみと思うのでありました