風のアルバム

些細な記憶の断片

続 それぞれ

2024-04-30 04:04:44 | 日記

流行り物に正直で家庭的な長姉は

新御三家の中では野口五郎が好きだったので

誕生日に「武蔵野詩人」というタイトルの

シングル盤を私からプレゼントしました

流行り物オンチで勉学ひとすじの次姉は

万葉学者犬養孝先生のラジオ番組での語りがツボで 

欠かさずに彼のラジオ講座を聴いていました

 

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それぞれ

2024-04-29 05:39:28 | 日記

おしゃれでマイペースな長兄は

オードリーヘップバーンの大きなポスターを

部屋の壁に貼っていました

勤勉でどこか不器用な次兄は

ラジオから流れてくる天地真理の歌声に

聞き入っていました

おっちょこちょいでぼんやりの三男(私です)は

研ナオコの出るテレビを見て喜んでいました

 

 

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絵本屋さん

2024-04-28 02:53:34 | 日記

大学生の時 生家からひとつ先の駅近くに

小さな絵本屋さんができました

一時期はよく通ったものです

店主に絵本の話を聞くのが楽しみでした

ある日小さな店内にはネギの匂いが漂っていました

(店主さん 昼食はざる蕎麦でしたか)

おかしみを噛みしめながら 店主の絵本話を聞いていました

私はセンダックの絵本を買って帰りました

 

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虹色の湖

2024-04-27 08:05:35 | 日記

地方から来た大学時代のその友人は

安アパートで苦学生活を送り 

学生生活の後も数年間 同じアパートに住み続けました

ある日その近所で会った私たちは 駅前のドトールへ

一緒に歩きました

裏道の角を曲がった時でした

「俺さー この角を曲がるといつも頭の中にある曲が

流れてくるんだよね」と友人

「へー 何の曲?」

「中村晃子の虹色の湖…」

理由は本人にもわからないそうです

 

 

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紅茶キノコ

2024-04-26 06:19:36 | 日記

父の場所には座椅子とタバコと灰皿が

いつもありましたが いつの頃からか

茶色い液体の入った瓶が加わりました

父が育てている「紅茶キノコ」でした

家族の誰も飲みませんでした

多分父も飲まなかったと思います

紅茶キノコは知らない間に

父の場所からいなくなっていました

 

 

 

 

 

 

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