〜1970年代前半のできごと〜
紐の先についたオモリを垂らすと
テケテケと歩くおもちゃ
こんな面白い物を買って来る、或いはもらって来る
のは、13才としの離れた長兄に決まっています
〜1970年代前半のできごと〜
紐の先についたオモリを垂らすと
テケテケと歩くおもちゃ
こんな面白い物を買って来る、或いはもらって来る
のは、13才としの離れた長兄に決まっています
〜1972年(10才)頃のできごと〜
街にサーカスが来て
祖母に連れていってもらった覚えがあります
空中ブランコと曲芸のオートバイと
着物姿のおばさんがゆらゆら揺れる丸太の上で
しゃがんでいるだけ、という曲芸が脳裏に残っております
〜1970年代のできごと〜
空き地に面して建つ、青い屋根の家には
ステンドグラスの窓がひとつありました
絵描きが住んでいるというその窓が美しいので
私は友達と遊んでいる時もチラチラと
見てしまうのでした
〜1970年(8才)頃のできごと〜
半分がバニラ、もう半分がイチゴのカップアイスが
グリコから出ていました
それを母と半分こで食べるのが
いっとき私たちのブームでした
今日はイチゴがお母ちゃん、バニラが僕、というように
食べ終わり、からになったカップを見ながら
私たちは決まってため息をつくのでした
すごいあげ底だなあ…と
〜1977年(中3)のできごと〜
たしか中3の時だったと思うのですが
音楽で「笹舟」という合唱曲を教わりました
教科書には載っていない作品だったので
楽譜のプリントが配られました
当時の教科書にはさまれたままのそのプリントを
久しぶりに取り出して見ていると
改めていい歌であることに深い感慨を覚えます
笹舟を笹舟を流してみよう
梶さえないけれど流してみよう
まだ青い木の実のような夜明け
空の深さをのせて
空の深さをのせて
笹舟を笹舟を流してみよう
しるべもない水脈(みお)を流してみよう
打ちやまぬ嵐に風にたえて
ゆれる思いをのせて
ゆれる思いをのせて
笹舟を笹舟を流してみよう
孤独な旅だけど流してみよう
身をもんで舞いおりてくる花を
せめてひとひらのせて
せめてひとひらのせて