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風のスケッチブック

些細な記憶の断片
記憶を記録しておくこと
想いを残さないために

母がアンジェリーナ・ジョリーになるとき

2025-08-28 19:35:39 | 日記

 

〜1970年代のできごと〜

母の視界に"G"が入ってしまった

かわいそうに

この瞬間にもう、"G"に未来はないのだ!

 

はいていた青いスリッパを素早く手に持ち

らんらんと目を光らせた母はそろりそろり

"G"に近づいて行く

と、殺気に気づいた"G"が動いた

戦いが始まった!

母は悲鳴とも怒号ともつかないキテレツな声を

あげながらスリッパでバシバシ床を叩きつけるも

なかなか"G"にはヒットしない へたっぴ…

だが最後は「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる攻撃」に

軍パイが上がり へたくそスナイパーはやれやれと

ため息ついて ぺたんこの"G"をスリッパ裏から

はがしたのでございます

 

余談ですが 母の青いスリッパを家族は誰も

はきませんですた

 

 

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えっちゃんの家

2025-08-27 12:07:10 | 日記

 

〜1970年(小2)のできごと〜

隣の席のえっちゃんの家に遊びに行きました

路地奥の小さな2階家の茶の間では

お父さんがラーメンを食べていました

「お姉ちゃんが買ってきたの」と言って

えっちゃんがレコードをかけました

流れてきたのは由紀さおりの「生きがい」でした

 

 

 

 

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地下の音

2025-08-26 15:48:29 | 日記

 

〜1986年から1993年のできごと〜

バレエスタジオの隅っこに畳を3枚並べ

布団を敷いて寝ていました

横になっていると時々、床下深くから

ゴーーーーーーーーーと奇妙な音が聞こえてきます

 

何年も経ってからその正体の見当がつきました

“地下鉄日比谷線が走る音”が私の結論です

 

 

 

 

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完璧な瞬間 ー深夜の創作ー

2025-08-25 10:40:58 | 日記

 

〜1987年頃のできごと〜

路地裏のバレエスタジオに住んでいました

はす向かいの寿司屋が店を閉める午前0時を

すぎると 人通りは殆どなくなります

私は路地に面した出入り口のドアを全開にして

絵の制作にかかりました

深夜、都心でもこの一画は眠ったように静かで

開けたドアから大都会の夜気がそっと部屋に入ってきます

そのときでした

えも言われぬ充足感で心がいっぱいになったのです 

あれはなんだったのだろう…

 

 

 

 

 

 

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自慢話の純度

2025-08-23 22:18:21 | 日記

 

〜1960年代、70年代、80年代のできごと〜

「よその人にも使ってもらえるよう、裏木戸脇に

『私が』水道を作らせた」と、祖母の毎度の自慢話です

そこで話をやめておけば他愛のない自慢話で終わるのですが

祖母はそこに非難話の味付けを加えてしまう

「僚さん(私の父、祖母の息子)の奴はそんな事は

考えもしなかったのだから!あのばかやろが」

 

せっかくの自慢話を自ら台無しにしてしまう…

自慢話を聞くのが好きな私は勿体ないと思ってしまいます

誰かを非難するなら愚痴話のコーナーでやればいいのになあ…

ちなみに私は愚痴話を聞くのも好きであります

 

 

 

 

 

 

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