潮待小屋

セイゴの大群に遭遇


5月某日 釣果:なし

シーバス(スズキ)を狙って、作田川河口の片貝港へ出かけた。
朝4時、片貝港に到着。
ここの港は、どこでも車横付けで釣りをすることがができる。
足場も良く安全なので、秋のハゼ釣りシーズンには大勢の家族連れでにぎわう。

時合はちょうど満潮の潮どまり。
釣人は私のほかに5~6人。皆シーバス狙いのルアーマンだ。

片貝新港入口の上流側にある突堤に入り、川筋に向かってキャストを始める。
ルアーは、ここの港で個人的に実績のあるアイマ「コモモ」。
潮も徐々に下流に向かって流れ始める。
港内から払い出す流れと、川の流れがぶつかって小さな渦ができている。
いい感じだ。

しかし、釣り始めて1時間を経過しても、まったくアタリなし。
他のルアーマンにもヒットしている気配は無い。

やがて東の海からオレンジ色の太陽が顔を出す。
日が昇り、明るくなってしまうともうシーバスは釣れない。
タイムオーバー。

「今日もダメだったなあ。」と荷物の片付けを始める。
ふと川筋の水面に目をやると、なんとそこにはものすごい数の小魚がいた。
流れに逆らって、上流に向かって必死に泳いでいる。
今年生まれたばかりのセイゴ(スズキの稚魚)の群れだ。

水面だけでなく水中にも、真っ黒に見えるくらいのすごい数がいる。
いったい何千匹いるのだろうか。
これだけの数のスズキが九十九里の海で生まれているんだ。

豊かな海の生命力に少し感動した。

(2002年5月)


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