潮待小屋

伝奇ホラー的風景にちょっとびびる

 
3月某日  釣果:なし

岩船、ママ岬へサヨリを狙って釣行した。


 
大原港や太東港の港内では11月末頃から体長20センチほどのエンピツサヨリが釣れ始めるが、年が明けてからは、外房一帯の外洋に面した潮通しの良い場所で、30センチ級の大型サヨリが盛期を迎える。
すし屋の高級ネタ、刺身もうまい、一夜干しにして軽く炙るとこれがまた最高の酒の肴、というわけで、酒飲み親父たちは冬になるとこぞってサヨリ釣りに繰り出す。

朝5時、岩船に到着。
まだうす暗い中をママ岬に向かって伸びる護岸堤防を歩く。

この岩船港からママ岬までの護岸堤防の前は、干潮時には底が見えるほどの浅い岩礁なのだが、実は知る人ぞ知るクロダイの好ャCントである。
干潮時に見ると良くわかるが、岸から沖に向かって、岩の侵食による一段深くなったスリットが何箇所もある。
そのスリットに沿って、上げ潮に乗ったクロダイが入ってくるのだ。
干潮時にスリットの場所を確かめておいて、軽い仕鰍ッで攻めてやると良い。
春になると、クロダイ師でにぎわう穴場的ャCントだ。
しかし今日のところはクロダイには用は無い。目指すはサヨリの刺身と一夜干しだ。

今日は、先客が既に2名いた。
ママ岬はこの辺り特有の砂岩質で、波の浸食で角が削られ、全体にのっぺりした感じの磯だ。
足場が良く、初心者でも比較的楽に入れるが、波をかぶる場所には海藻が付いていて滑りやすいので、スパイクかフェルトソールのブーツは必需品だ。
早速チャランボを立てて仕鰍ッを用意し、釣り開始。
先行者が既にかなりのコマセを入れているようなので、すぐにでもヒットしてくるかもしれない。
わくわく・・・。

しかし、小一時間経ってもノーヒット。一向にサヨリの釣れる気配はない。
先行者にもあたりなし。あれれ、どうしたんだろう。

先行者に「釣れませんねえ。」と話し鰍ッると、「先週まではそこそこ釣れたんだけどねえ。群れが離れたのかなあ。」となんだか頼りなげな返事。
潮もどんどん下げており、これ以上粘っても、見込みナシ。
さっさと引き上げることにした。
サヨリのシーズンは終わったのか・・・。

荷物を片付け、漁港方面に戻っていると、向こうから数人の老人がやって来た。
皆、背中に大きなカゴをしょって、手には鋭そうな「カマ」を持っている。
げげ、なんだか浮「ぞ。
しばらくするとまた別の集団が、同じようにカマを持ってやってくる。
更にまた別の老人達が・・・。
これでろうそくを持ったら八つ墓村だ。
そそくさと車に乗り込み、「いったい今見たのはなんだったんだろう?」と考えながら帰路に着く。

外房のとある小さな村。
ここでは20年に一度、あらぶる海の神を祀る奇祭がとり行われるという。
今年がその祭りの年だ。
祭りの取材のため、東京からやってきたジャーナリストの安藤とカメラマンの由紀子。
しかし彼らは奇妙なことに気付く。
村人の誰も、その祭りの内容について話そうとしないのだ。
「明日になれば判る・・・・。」 明日がその祭りの日だ。
そしてその夜、旅館の部屋から由紀子の姿が忽然と消えた・・・。


そんなストーリーが頭の中に浮かんでくる。
いかんいかん、これじゃあまるで坂東真沙子の小説だ。

(追記)
その夜のテレビで、大原のヒジキ漁解禁のニュースが伝えられていた。
な≠セ(笑)。
でも正直ほっとした。

  

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