いらっしゃいませ。
おや、お客さん、先日もいらしてくださいましたね。
ええ、そりゃもう、覚えてますとも。
だって、ひとりでアジの干物10枚も召し上がったじゃないですか。
お口に合ったようで、私もうれしくなっちゃいましたよ。
え？今日もあるかって？
当たり前じゃないですか。ここをどこだと思ってるんです？（笑）
少々お待ち下さいね。すぐに用意しますから。
はいどうぞ。外房産のアジの干物です。
昨日の朝釣った奴を、その日の昼過ぎには干しましたからね。
活きのいい、ピンピンの干物ですよ（笑）。
でもね、干物ってやつは、干したその日よりも、翌日の方が格段に獅｢んです。
アミノ酸が多くなって、事｡が増すんだそうですよ。
え？知ってるって？
お客さん、さすがですね。
それじゃあ、これはどうです？
この一番下の奴、なんだかわかりますか？
なんだかわからないけど目茶美味いから降参ですか。
あはは。
これはね、ムツの干物ですよ。
アジ釣りの外道で時々釣れる奴。
浮｢顔してますけどね、とってもやさしい味でしょ。
干物にしても最高なんですよ。
ビール空いてますね。もう一杯いきますか？日本酒？もちろんありますよ。
地酒ですか。え？できればこの近くのがいい？
それじゃあ、これなんかどうです。
上総一ノ宮の「稲花正宗」です。
ほど良い酸味で、魚料理によく合いますよ。
おっ！冷やでいきますか。
お客さん、いい飲みっぷりですねえ。
・・・
お客さん、そろそろ時間ですよ。
東京の方でしょ。
もうじき上りの最終電車ですよ。
このあたりじゃ、早い時間に上りの電車なくなっちゃいますからね。
終電逃したら、朝まで釣りして待たなくっちゃ。
あはは。
え？ボトルキープ？
どうぞどうぞ。かまいませんよ。
またおいで下さいね。
地物の魚用意してお待ちしてますから。
それでは、お気をつけて。
おやすみなさい。
