インドへのマ-ケティングを考える上で、「識字率」が問題に
なります。日本やシンガポールなどでは、識字率が問題になる
ことはほとんどないのですが、インドでは大きな問題です。
消費者は、年齢、性別、職業などの属性でデモグラフィックに
分類されますが、インドではこれに「識字率」が加わります。
通常のマーケティングでは、文字を読めない消費者を相手にす
るということはあまりありませんが、その実態を把握しておく
のは重要です。
教育の向上により、識字率は着実に上昇しています。1970年初
頭には32%だった識字率は、2001年に入って65%を越えました。
大変な成長率です。しかし、35%くらいの人はまだ文字の読み
書きができません。総人口を10億とすると、3億5千万人の人
が読み書きができないのです。
これはあくまでも平均数値のお話しですが、男女別、地域別で
見ると、格差が歴然としてあり、その悲惨な現実に驚かざるを
えません。
まず、男女差です。日本とかだと、女子生徒のほうが勉強熱心
の感じがするのですが、インドではこれが全く違うのです。
インドでは、女性のほうが圧倒的に識字率が低いのです。
2000年までは女性の識字率は5割に達しませんでした。2001年
になって、やっと54%を越えた程度です。2001年時点で、男性
の識字率は76%ありますので、その差の大きさにびっくりして
しまいます。
女性の識字率が低いのは何故かを追求していくと、非常に複雑
な社会問題に触れざるをえません。実は、インドの人口の男女
比率を見ると、50:50ではないのです。男性の数が女性の数を
上回っています。これも識字率と同じような根の深い問題に繋
がっているのです。
インドは男尊女卑の歴史が長く、女性は虐げられてきました。
男性に比べて劣るものと認識されていましたので、結婚式の時
には、嫁入りする相手の家に多額の金品(ダウリ)を贈与しな
いといけないということです。貧しい農家などでは、女の子が
生まれるのは迷惑なこととなります。また、結婚した後でも、
ダウリの不足が原因でのイジメや殺人事件が後をたたないよう
です。
そんなわけで、結果的に女性の人口が少なくなり、生まれても
あまり教育機会にも恵まれないのだそうです。詳細は、ブログ
に書くにはあまりも残酷でありますので、参考となるサイトを
ご紹介いたしますのでそちらをご参照ください。
インド最新事情_農村部に生きる少女達の現状と課題
私はこのレポートを読んで、恐ろしくなってしまいました。
インドの女性人口が何故少ないのか、またインドの女性の識字
率が低いのは何故かということに関して、非常に根深い問題が
あったのですね。
このレポートの最初に出ていますが、ケララ州は例外的に識字
率が高い州として有名です。このページに添付した図にもそれ
が明記されています。ケララ州とは、インドの半島の一番南の
左側(西海岸)にある州です。
ケララ州は、「ケララカレー」とかで有名ですが、教育レベル
の高さと、観光地としても有名です。ここは決して豊かな州と
いうわけではないのですが、伝統的に教育を重視してきていま
す。この州の言語は、マラヤラム語という言語ですが、マラヤ
ラ・マノラマというマラヤラム語の新聞は、発行部数でいうと
Times of Indiaにつぐ数を誇っています。
識字率が高いのはケララ州なのですが、高学歴ということに関
してはまた違うことになるというのが下のニュースに出ていま
したのでご参照ください。
学歴はデリーがトップ
識字率の高い州のトップ5は、ケララ州を除いては、比較的
小さな地域です。ミゾラムというのはミャンマー国境付近の
州です。ラクシャドウィープは、アラビア海に浮かぶ島嶼部
ですが、モルジブと同じようにイスラム教が優勢な地域です。
一方、一番低いのがビハール州。ガンジス河流域の州で非常
に貧しい州として有名です。参考サイトはこちらです。
ビハール州
ということで、インドの消費者を見る場合には、単に人口や
地域のみで把握するととんでもないことになる場合があります
ので注意しましょう。
なります。日本やシンガポールなどでは、識字率が問題になる
ことはほとんどないのですが、インドでは大きな問題です。
消費者は、年齢、性別、職業などの属性でデモグラフィックに
分類されますが、インドではこれに「識字率」が加わります。
通常のマーケティングでは、文字を読めない消費者を相手にす
るということはあまりありませんが、その実態を把握しておく
のは重要です。
教育の向上により、識字率は着実に上昇しています。1970年初
頭には32%だった識字率は、2001年に入って65%を越えました。
大変な成長率です。しかし、35%くらいの人はまだ文字の読み
書きができません。総人口を10億とすると、3億5千万人の人
が読み書きができないのです。
これはあくまでも平均数値のお話しですが、男女別、地域別で
見ると、格差が歴然としてあり、その悲惨な現実に驚かざるを
えません。
まず、男女差です。日本とかだと、女子生徒のほうが勉強熱心
の感じがするのですが、インドではこれが全く違うのです。
インドでは、女性のほうが圧倒的に識字率が低いのです。
2000年までは女性の識字率は5割に達しませんでした。2001年
になって、やっと54%を越えた程度です。2001年時点で、男性
の識字率は76%ありますので、その差の大きさにびっくりして
しまいます。
女性の識字率が低いのは何故かを追求していくと、非常に複雑
な社会問題に触れざるをえません。実は、インドの人口の男女
比率を見ると、50:50ではないのです。男性の数が女性の数を
上回っています。これも識字率と同じような根の深い問題に繋
がっているのです。
インドは男尊女卑の歴史が長く、女性は虐げられてきました。
男性に比べて劣るものと認識されていましたので、結婚式の時
には、嫁入りする相手の家に多額の金品(ダウリ)を贈与しな
いといけないということです。貧しい農家などでは、女の子が
生まれるのは迷惑なこととなります。また、結婚した後でも、
ダウリの不足が原因でのイジメや殺人事件が後をたたないよう
です。
そんなわけで、結果的に女性の人口が少なくなり、生まれても
あまり教育機会にも恵まれないのだそうです。詳細は、ブログ
に書くにはあまりも残酷でありますので、参考となるサイトを
ご紹介いたしますのでそちらをご参照ください。
インド最新事情_農村部に生きる少女達の現状と課題
私はこのレポートを読んで、恐ろしくなってしまいました。
インドの女性人口が何故少ないのか、またインドの女性の識字
率が低いのは何故かということに関して、非常に根深い問題が
あったのですね。
このレポートの最初に出ていますが、ケララ州は例外的に識字
率が高い州として有名です。このページに添付した図にもそれ
が明記されています。ケララ州とは、インドの半島の一番南の
左側(西海岸)にある州です。
ケララ州は、「ケララカレー」とかで有名ですが、教育レベル
の高さと、観光地としても有名です。ここは決して豊かな州と
いうわけではないのですが、伝統的に教育を重視してきていま
す。この州の言語は、マラヤラム語という言語ですが、マラヤ
ラ・マノラマというマラヤラム語の新聞は、発行部数でいうと
Times of Indiaにつぐ数を誇っています。
識字率が高いのはケララ州なのですが、高学歴ということに関
してはまた違うことになるというのが下のニュースに出ていま
したのでご参照ください。
学歴はデリーがトップ
識字率の高い州のトップ5は、ケララ州を除いては、比較的
小さな地域です。ミゾラムというのはミャンマー国境付近の
州です。ラクシャドウィープは、アラビア海に浮かぶ島嶼部
ですが、モルジブと同じようにイスラム教が優勢な地域です。
一方、一番低いのがビハール州。ガンジス河流域の州で非常
に貧しい州として有名です。参考サイトはこちらです。
ビハール州
ということで、インドの消費者を見る場合には、単に人口や
地域のみで把握するととんでもないことになる場合があります
ので注意しましょう。
男女の比率が人為的に歪められると、当然、結婚出来ない男性が増えるわけで、行き着くところまで行き着かないと、こういうのはわからないんでしょうかね・・・。
かつては、江戸も恐ろしく女性の数が少ない都市だったと聞いたことがあります。
その為、様々な社会問題が起こったとか。
中国もインドも、良い面だけを見れば、素晴らしい未来があるように見えますが、なかなか、マイナスの面も根深いですから、そうそう、順調というわけにもいかないでしょうね・・・。