
映画「第9地区」
監督:二ール・ブロンカンブ
出演:シャールト・コプリー
2009年作品
<あらすじ>
南アフリカ共和国のヨハネスブルク上空に突如宇宙船が出現。しかし、船が故障してしまったため船内の者たちは地球に降りてくる。28年後、乗船していたエイリアンである「エビ」(外見がエビ[=PRAWN]に似ているため)たちは地上に移り、隔離地区である「第9地区」で難民として地球人と共存していた。そこは人間とエビの争いが絶えないため、MNU (英:MULTI-NATIONAL UNITED) と呼ばれる超国家機関によって管理・監視されていた。MNUの職員であるヴィカスは、エビたちをさらに離れた彼ら専用の居住区域である第10地区に移住させるべく、立ち退き要請の同意を得るため第9地区を訪れるが、その道中に見つけた謎の液体を浴びてしまう。
私の敬愛する(変態)監督ピーター・ジャクソン製作のB級SF映画。
本国では低予算でそこそこの興行成績を上げたらしいです。
久々のB級、そしてSFホラーの王道エイリアンものなので、わくわくしながら観ました。
冒頭から、真面目な顔してふざけたことを発言する関係者たちのインタビューという、TVのドキュメンタリー風のつくり。なぜかキャットフードが大好物のエイリアン…と高まる期待感。
言葉もろくろく通じない彼らに立ち退き・移住させるのに、法律上必要だからと言って同意書にサインさせたりするくだりがそもそもバカバカしいのですが、エイリアンVS人類、組織VS個人のわかり易い構図、人類愛(エイリアン愛)あり、家族愛ありのわかり易い展開で極めてわかり易くまとめてあります。
こういうバカバカしい映画は、映画の構造が単純なほうが、細かいところに突っ込みどころを見出し易くていいと思いますね。
B級映画に限らず、変に時間軸を交差させたり、主人公が切り替わったり、入れ子構造だったりする複雑な内容は、はっきり言って疲れるので苦手です。
さてこの映画、エイリアン映画のお約束で、びちゃー、ぐちゃー、どろー、ぐしゃーのオンパレードなので、ビジュアル的にかなりきついです。
若い頃は全然平気で、B級ホラー観ながら食事とか出来たのに、なんで今は無理なんだろう。
大人になって苦いものなどが食べられるようになるのは、大人になって舌が肥えたわけではなくて、「苦味を感じる部分の味覚が鈍くなる」かららしいですね。
だとしたらこういう感覚も大人になるにしたがって鈍感になってもいいはずなのに、頭や心のある部分はどんどん臆病に、許容範囲が狭くなっていく…って不思議ですね。
子供の頃大好きだったエイリアンごっこ(スライムを口に含んで人の顔に吹き付ける、服の片方の袖から手を抜いて、体内にエイリアンが寄生された真似等)なども今はできないですしね。