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中国電影迷

「中国」在住の「電影」好きの「迷」子のブログ。
映画の紹介と日常の心象風景のワンシーンを記録しています。

かわいいやつら

2011年12月28日 | ネコ
黒猫とサバ猫が一緒に暮らし始めてちょうど1週間。

実は先日の黒猫の脱走・失踪劇の発端は彼女が自分でドアを開けたらしいことが判明。
その後、黒猫さまは徐々に拙宅にも私めにもサバ猫にも慣れてくれましたが、お気に召さないと、また脱走してしまうので、お嬢の機嫌を損ねないよう、常にお嬢の顔色を伺って対応。

その甲斐あり、非常にのびのびとお暮しになっておられます。



そこ、サバ猫のお気に入りの場所なんだけどねー。



じーっ。



どうぞ、気にしないで続けて下さい。あ、別に気にしてませんよね。

サバ猫は小さな頃から、私に猫っ可愛がりされ、物質的にも愛情的に充足している状態なので、場所を取られても餌を取られてもまったく意に介さない様子。



ホント、いつも満ち足りてて羨ましいよ。



雪だ!
そこでいつも定点観察してるサバ猫は後ろで順番待ち。



もういいでしょ、あたしが来ても。
(このあと黒猫にパンチされるサバ猫)

黒猫は動物の本能を忘れ、弛緩しきったサバ猫と比べ、動物らしい縄張り意識や危機管理が徹底されているのですが、サバ猫に闘争心にないので安心したのか、下剋上して天下取ってやれ、という野心はなさそう。
かつてはサバ猫の砦だった場所を次々に攻めていても、本丸(ソファーの上とベットの上)は敢えて狙わないとかね。
ま、サバ猫は政権交代にも頓着してなさそうですけど。

徐々に過熱していく追いかけっこには時々ひやっとさせられるけど、介入は堪えて見守る。
やっぱりぶつかり合ってお互いの距離感をつかみ、関係を構築していかないとね。
そうすると、ときどき距離がぐっと縮まる瞬間の、感動的なワンシーンを目にすることが出来たり。

相入れない猫同士はいくら時間が経っても絶望的と聞くので、この2匹の相性は良かったのかな。
おかげで目の端と端の間の固定アングルのワンショットで、画面(視野)に2匹の姿を映しこむという贅沢な時間を過ごせている。



私はこれまで、猫の、本能に忠実に自由に生きるところが美しいと思っていた。

でも今回、他者に対しては、奔放に振る舞いつつも、肝心のところでは、お互いに譲り合い、尊重し合っているのを見た。

自我を通し、我儘に振る舞うことが美しいのではなく、それがあるからこそ、猫は気高く美しいのだ。

ひとつ気になったのは、サバ猫の黒猫への愛情表現。
威嚇されても、攻撃されてもめげずに近寄っていくのはいいんだけど、その距離の詰めかたは性急すぎるし、明らかに嫌がられているのに、しつこすぎるような気が。
そこまでベタベタすると嫌われるよ、と思いながら、これまで私がまったく同じ態度でサバ猫に接してきたことに気づく。
サバ猫はその鬱陶しいほどの暑苦しい愛情の押し付けが愛情表現だと思ってるに違いない。

そして、それは私の好きな人への愛情表現にも似ている。
明らかに腰がひけている(嫌われている)のに、「ダーリン、好きだっちゃ!」と猛烈アタック。
「うる星やつら」のラストってどうでしたかな。
せめてラムちゃんだけでも救われててほしいです。


冬至黒猫24時

2011年12月23日 | ネコ
3日前、家に第二子(猫)がやってきた。
台湾に移住する友人の猫で、検疫手続のため、半年間限定のお預かり。
みーちゃんと二人っきりの甘い生活にはなんら不満がないのだが、猫(犬)好きなら一度は憧れる多頭飼い、こんなにすぐに夢が叶うなんて!と、この日を楽しみに待っていた。

米やんは、みーたんより少し若く、個性的なパターンの美しい猫。

出会ったとたんに仲良くなって、すぐさま2匹で戯れる姿や寝姿を観察出来ると思っていたのが大間違い。

米やんは新しい環境にもみーたんにも慣れず、2日間ソファの隙間に隠れ続けた。

みーたんは、窓からうっかり入ってきたカゲロウにすらも容赦しない(「1日しか生きられないのに可哀そうでしょ」、と諭すも聞き入れず)乱暴者なので、人さまの猫に怪我でもさせたらと心配していたが、あんがい友好的。

米やんに威嚇されながらも、応戦することなく鷹揚に近づいてゆくみーたん。
器の大きさと思慮深さを兼ね備え、美しく成長していく姿にいつも新鮮な驚きと感動をくれる…

…と、せめて米やんの写真が撮れるくらいになったら、少しずつ2匹の生活を記事にしようと思っていた矢先に事件は起こる。

昨晩、友人たちとの食事会の前に家に寄り、2匹の様子を見て、再び家を出たのが19時。
深夜2時頃に帰宅すると、なぜか家のドアが開いていた(注1)。
多分さっき家を出たときのドアの閉め方が甘かったんだと思われる。
机の上に置いておいた人民元の札束も無事だったし、泥棒ではない。
それより猫たちはどうした。
みーたんは奥からのこのこ出てきたが、米やんがいない。奴の呑気な様子から、米やんはもう部屋の中にいないことを察した。

私は当時ワイン1本半以上のアルコールが回っていたが、マンション内を捜索開始。
猫はエレベータが苦手なはずなので、非常階段を1Fから21Fまでつぶさに点検。
真っ暗な駐車場と非常階段がかなり苦手なんだけど、そんなことは言ってられない。
転び、つまづき、身体をぶつけながら捜索するも発見できず。
一旦家に帰り、戻ってくる可能性を考えてドアを開けっ放しにして、リビングで夜を明けるのを待つ。

夜が明けて、再度非常階段点検、ビラ貼り、ガードマン、清掃工たちへの聞き込みも開始。

猫も捜索に駆り出そう(気配を感知させるとか)としたが、当然のごとく失敗。頼れるのは自分しかいない。冷静に対応しつつも、これまでにない種類の精神的打撃も大きく。

これまで財産も仕事も恋人も家族も失くしてきたけど、それらのものは、大抵が自業自得か、避けられない事態なので、ある意味「仕方がない」と思いきることができる、もしくはそう思うしかないもの。

でも今回の場合は違う。

「仕方がない」なんて思っちゃいけない。思いきるべきではない。諦めることは許されない。
必ず見つかる、きっとどこかにいるはずだと信じる陽性の感情と、後ろ向きのとめどない自責の陰性の感情が代わる代わる押し寄せる。

正直言って会社に行けるような状態では全然なかったが、社内的に猫を理由に休める状態ではなく、ひとりでいると気がヘンになりそうだと思い、いつも以上になりふり構わない恰好で出勤した。

気もそぞろで、同僚たちに泣き言を言いながら業務をこなし、昼休みに家に帰ると、のびのびした顔で甘えてくるみーたん。

自分の家の猫は無事なのに、人さまの子がいなくなってしまうなんて。
米やんは一体どうしているだろう。きっと寒さと怖さと空腹で震えているに違いない。
呑気なみーたんが憎らしいとさえ思ってしまう。
多分、自分の猫がいなくなってしまったら、ある程度手を尽くした段階で諦めがつくだろう。
悪意がない過失で加害者になった心境とはこんな感じだろうか。

もう一度非常階段の点検をして、貼り紙の範囲を広げて、近隣の部屋に匿われていないか確認に回るも収穫はなし。

午後も時計を気にしながら仕事を終えて、定時きっかりに家路に着く。

米やんは昼には隠れていても夜に行動するはず。
馴染みがなく、先住猫のいる家に戻ってくる可能性は低い。
今夜中に見つけなければ別な場所に移動する可能性がある。
今夜が正念場だ。
体力がないので、21階の非常階段を何度も上り下りするのはきついけど、友人にもらった米やんの写真を励みに力を振り絞る。
こんな可愛い猫を見捨てるわけにいかないよね。

そして夕方3度目くらいの非常階段点検で、ごみ箱の陰にうずくまる米やんの姿を発見。全然動かないので、最悪の場合も一瞬頭をよぎり、抱き上げる手が震える。
米やんがいたのは1Fの非常階段。あともう少し遅かったら外に出て行ってしまっていた可能性だってある。ところどころ汚れているけど、怪我もなく、体温を感じながらエレベータに入ったとたん足が震える。

恐る恐る家に入って、先住猫との対面を果たすと、一晩の冒険の後のせいか、逃げも隠れもせず、ものすごく大胆になった米やん。
外の世界より、家の中の方が少しはましだと思ったのか、積極的に家の中を歩き回り、匂いをそこらじゅうにすりつける。
自分にこの騒動の一因があると自覚しているのか、自分のテリトリーに入られても、食べ物や水や、お気に入りの場所を侵犯されても牽制も威嚇もせず、米やんの挑発にも乗らない。
米やんはすっかり安心してきって、撫でると喉を鳴らした。

午前2時まで遊びまわっていた冬至の夜は、中央にクリスマスツリーが置かれているスペインレストランで、同い歳の女3人で飲んだり食べたり。話題は、恋愛・結婚・出産、性。
某RPGにはまっている彼女らは、男性との付き合い方をゲームの主人公になぞらえて盛り上がっているのを見ながら、しみじみと楽しさを味わい、性についての面白発言を耳にして、ワインを吹き出したり。
さらに興に乗って、「小公女セーラ」と「フローネ」、「めぞん一刻」を歌いに行こうぜ!と、白タクの若い運転手にセクハラ発言(注2)されながら、カラオケの出来るバーに行き、シャンパンをラッパ飲みして50曲は歌いあげた34歳。

楽しい舞踏会のあとのこの大事件。

ドラマチックでスリリングな長い長い冬至の夜がやっと終わりを告げました。

注1:治安が良い家のマンション。でも北京は他の家でも大体そんな感じかも。
注2:「日本人だろ?気持ちいい(日本語)ってどういう意味?」って聞かれた。


帰って来た米やん


そこって実はみーたんの定位置なんだけどね。


大人になりますよ、あたしは。


精神安定剤代わりにバラ食べてますけどね。

痴心

2011年11月21日 | ネコ

住んでいるマンションの前庭に集う猫たち。



家に帰れば妻が待っているのに、ついつい愛人(恋人)のところに寄らずにはいられない男性の心境です。



猫(女)がいれば構いたくなる。



でもやっぱり妻がいちばんかわいい。



大切なので箱に入れて育てています。

☆痴心(中国語)意味:ある事柄や物に夢中になる。