今、どのリールにも必ず装着されているIAR(インスタント・アンチ・リバース)
ハンドルが逆方向に一切戻らない今となってはコレがついてないリールを発売しても絶対売れないだろうと思えるシステムだ。巷ではこのシステムにより感度が上がるなどの意見があるが、俺は感度どうのこうのよりハンドルが一切戻らないこのシステムは使っていて気持ちがいい。ただそれだけの理由でこの機能は好きだ。IAR搭載のリールを初めて使ったのは「ABU 4600RD-IMAE」だったと思う。当時4600シリーズはパンクパーカー・ゼルローランド・IMAEモデルと記念モデルが1年おきに発売されており、俺はネイビーカラーのゼルローランドモデルを凄く気に入っていたが、IAR搭載のIMAEモデルを使い始めてからはあれだけ気に入っていたゼルローランドモデル(IAR未搭載)を使う気になれなくなった。
さて、このIARを適切にメンテしている人ってどれくらいいるだろうか?
正直この部分「触らぬ神にたたりなし」と触らない人は多いだろう。俺も何の知識もない状態でこの部分をバラした事がある。グリスでギトギトになっていたこの部分のグリスを拭き取り、新しいグリスを塗って組み上げると何故かハンドルがグニュグニュと僅かに逆転する。「逆転」というより逆方向には一切動かないはずのハンドルがほんの僅かに逆へ動くといった感じだ。再度バラしグリスをほとんどないに等しいくらい少量に抑えると正常に戻った。だから当時の俺のIARに対する知識は「グリスの塗りすぎはダメ」というものだった。しかしその状態で使っていると、ある日またグニュグニュと僅かに逆転し始めた。気になった俺はこのIARのメンテの方法をABUに精通しているSHOPや信頼できるSHOPなどなど・・・1店舗のみの回答で判断するより数多い意見が欲しかったので5~6店舗に同じ内容を問い合わせた。
しかしその回答の全てが明確な回答ではなかったのだ。正直これには驚いた・・・
回答の一部にはこのハンドル逆転防止はDAIWAのスピニングリール(インフィニット・アンチ・リバース)が初搭載で当時DAIWAからは「ここを素人が触るとハンドルが逆転してしまう可能性があるので触らない方がいい」という趣旨の回答があったようだ。そのためDAIWAのリールに限らず「この部分は触らない方がいい」というイメージが長年浸透しているようだった。
「このIARのメンテは謎めいている」と思った俺はそれを解決すべく回答のあった中から俺の疑問に興味を持ってくれたSHOPにメーカーへ問い合わせてもらった。この部分は間違ったメンテを続けると僅かにハンドルが逆転するという状態で済まず、最悪はハンドルが完全に逆転してしまうので、適切なメンテをしたい。
今回はそのピュアフィッシングからの回答、インターネットで収集した情報、自分のこれまでの経験を基にした俺なりのIARのメンテ方法を紹介してみよう。
まず、ピュアフィッシングからの回答。
【IARにグリスが浸入すると逆転の原因になりますので、グリスは使わず低粘度のオイルを使用してください】との回答だった。
この部分に一番使ってはいけないと思っていたのが低粘度オイルだっただけにこの回答には正直驚いた。
次にインターネットで収集した情報。
これはメンテ方ではなく「グリスを塗るとグニュグニュ逆転するようになった」とか「ハンドルが逆転するので脱脂洗浄剤を吹き続けたら直った」などの情報が得られた。どうもIARに水が入るとよくないらしいという投稿もインターネットで確認できた。
そして最後に俺の経験。
記述したように「グリスの塗りすぎはダメ」という認識だった。ピュアフィッシングから「低粘度オイル」を使用しろとの回答があったので、脱脂洗浄剤で油分を飛ばして乾かした後に低粘度オイルのみでメンテをすると逆転は一切しなくなった。でもある日、ここを低粘度オイルのみでメンテした翌日の釣行で雨の中釣りをしていた時にハンドルがグニュグニュと逆転するようになった。リール表面の水分を拭き取りそのまま一晩放置して乾かすと逆転は直った。この事でIARへの水の浸入はNGという事と同時に、低粘度オイルのみではIAR内に水が浸入する。という事は容易に判断できた。
以上をまとめるとこうなる。
・低粘度オイルでメンテしないとダメ。
・グリスの使用はNG
・水の浸入はNG
・低粘度オイルのみのメンテでは水が浸入する。
それではこれらの情報を基に考案した俺のメンテナンス方法をここで公開しよう。
【用意するもの】
・マイナスドライバーとプラスドライバー(各種サイズが揃っているドライバーセットはリールメンテに欠かせない!)
・リールに付属していた金属レンチ 若しくは小さめのモンキーレンチ
・ティッシュ
・低粘度オイル&グリス(グリスは出来るだけ高粘度タイプを用意したい)
・綿棒(グリスを塗るのに使用。ない場合は爪楊枝などの細い棒にティッシュを巻くといいだろう)
・脱脂洗浄剤(出来ればZPIのパーツクリナーを用意したい。これもリールメンテには欠かせないアイテムだ。)
・捨ててもいいようなタオル(濡らして横に置いておくと作業中に手についたオイルやグリスをサッと拭く事が出来る)

まずハンドルユニット側を外し、ハンドルとドラグを外す。
次にハンドルユニットの2本のネジを外してバラすと上の画像のようになる。
(ドラグ内には4~5点のパーツが入っている。並び方や装着向きを必ず覚えておこう。外した順に並べるのがベター)

この状態までバラしたら、IAR部分に脱脂洗浄剤を吹きつけ油分を飛ばし乾燥させる。
ZPIのパーツクリーナーが速乾性で洗浄効果も高いので是非オススメしたい。
(画像右下にある筒状のパーツも脱脂洗浄剤で洗浄する)

IAR部分に低粘度オイルを4~5滴ほど注す。俺は信頼・実績No,1の「IOS-01」を使用する。
まぁ・・・ここは高価なオイルではなく一般的な低粘度オイルでも十分だろう。(ここのオイルは揮発性オイルは避けたいね)

ここまで完了したらIARに筒状パーツを画像のように組む。(上下があるので注意したい)
この筒状パーツには何も塗らなくてOK。

筒状パーツをIARに挿入したら裏向きにして、筒状パーツとIARの隙間を埋めるような感じで画像のように「シリコングリス」を綿棒で塗る。シリコングリスがない人はリールグリスでもOK。
塗り終わったらメインギヤのついている本体と組み合わせる。バラす時に外したネジ2本ももう締めてOKだ。

こちらがIARを外側から見た画像。この部分にも裏面と同じように隙間を埋めるようにシリコングリスを塗る。ここまで終ったらドラグとハンドルを取り付けて、スプールを組み込み完成。
シリコングリスを塗布する理由はもうお解かりだろう。IAR上下からの水の浸入を防ぐ「シール」の役割。
シリコングリスを選定した理由は、非常に高粘度で容易にIAR内にグリスが浸入しないのとシリコングリスは耐水性が非常に高いし樹脂やゴム製品など金属以外のパーツへ悪影響が少ない点などが理由。

シリコングリスは高価だが近くの大型ホームセンターなどで入手できるはずだ。これで800円くらい。
水のシールには安価なリール用グリスでも問題はないがシリコングリスより粘度は低いのでIAR内にグリスが流れ込まないように注意しよう。リール用グリスはチューブに入った格安品が120円程度で釣具屋で購入できるだろう。
このメンテ方法でこれまでドラグが滑ったり、IARの逆転・その他トラブル・故障など不具合が生じた事は1度もない。不特定多数の人が見るブログに確信がない事は載せないが、実践するのは個人の判断でお願いしたい。
ハンドルが逆方向に一切戻らない今となってはコレがついてないリールを発売しても絶対売れないだろうと思えるシステムだ。巷ではこのシステムにより感度が上がるなどの意見があるが、俺は感度どうのこうのよりハンドルが一切戻らないこのシステムは使っていて気持ちがいい。ただそれだけの理由でこの機能は好きだ。IAR搭載のリールを初めて使ったのは「ABU 4600RD-IMAE」だったと思う。当時4600シリーズはパンクパーカー・ゼルローランド・IMAEモデルと記念モデルが1年おきに発売されており、俺はネイビーカラーのゼルローランドモデルを凄く気に入っていたが、IAR搭載のIMAEモデルを使い始めてからはあれだけ気に入っていたゼルローランドモデル(IAR未搭載)を使う気になれなくなった。
さて、このIARを適切にメンテしている人ってどれくらいいるだろうか?
正直この部分「触らぬ神にたたりなし」と触らない人は多いだろう。俺も何の知識もない状態でこの部分をバラした事がある。グリスでギトギトになっていたこの部分のグリスを拭き取り、新しいグリスを塗って組み上げると何故かハンドルがグニュグニュと僅かに逆転する。「逆転」というより逆方向には一切動かないはずのハンドルがほんの僅かに逆へ動くといった感じだ。再度バラしグリスをほとんどないに等しいくらい少量に抑えると正常に戻った。だから当時の俺のIARに対する知識は「グリスの塗りすぎはダメ」というものだった。しかしその状態で使っていると、ある日またグニュグニュと僅かに逆転し始めた。気になった俺はこのIARのメンテの方法をABUに精通しているSHOPや信頼できるSHOPなどなど・・・1店舗のみの回答で判断するより数多い意見が欲しかったので5~6店舗に同じ内容を問い合わせた。
しかしその回答の全てが明確な回答ではなかったのだ。正直これには驚いた・・・
回答の一部にはこのハンドル逆転防止はDAIWAのスピニングリール(インフィニット・アンチ・リバース)が初搭載で当時DAIWAからは「ここを素人が触るとハンドルが逆転してしまう可能性があるので触らない方がいい」という趣旨の回答があったようだ。そのためDAIWAのリールに限らず「この部分は触らない方がいい」というイメージが長年浸透しているようだった。
「このIARのメンテは謎めいている」と思った俺はそれを解決すべく回答のあった中から俺の疑問に興味を持ってくれたSHOPにメーカーへ問い合わせてもらった。この部分は間違ったメンテを続けると僅かにハンドルが逆転するという状態で済まず、最悪はハンドルが完全に逆転してしまうので、適切なメンテをしたい。
今回はそのピュアフィッシングからの回答、インターネットで収集した情報、自分のこれまでの経験を基にした俺なりのIARのメンテ方法を紹介してみよう。
まず、ピュアフィッシングからの回答。
【IARにグリスが浸入すると逆転の原因になりますので、グリスは使わず低粘度のオイルを使用してください】との回答だった。
この部分に一番使ってはいけないと思っていたのが低粘度オイルだっただけにこの回答には正直驚いた。
次にインターネットで収集した情報。
これはメンテ方ではなく「グリスを塗るとグニュグニュ逆転するようになった」とか「ハンドルが逆転するので脱脂洗浄剤を吹き続けたら直った」などの情報が得られた。どうもIARに水が入るとよくないらしいという投稿もインターネットで確認できた。
そして最後に俺の経験。
記述したように「グリスの塗りすぎはダメ」という認識だった。ピュアフィッシングから「低粘度オイル」を使用しろとの回答があったので、脱脂洗浄剤で油分を飛ばして乾かした後に低粘度オイルのみでメンテをすると逆転は一切しなくなった。でもある日、ここを低粘度オイルのみでメンテした翌日の釣行で雨の中釣りをしていた時にハンドルがグニュグニュと逆転するようになった。リール表面の水分を拭き取りそのまま一晩放置して乾かすと逆転は直った。この事でIARへの水の浸入はNGという事と同時に、低粘度オイルのみではIAR内に水が浸入する。という事は容易に判断できた。
以上をまとめるとこうなる。
・低粘度オイルでメンテしないとダメ。
・グリスの使用はNG
・水の浸入はNG
・低粘度オイルのみのメンテでは水が浸入する。
それではこれらの情報を基に考案した俺のメンテナンス方法をここで公開しよう。
【用意するもの】
・マイナスドライバーとプラスドライバー(各種サイズが揃っているドライバーセットはリールメンテに欠かせない!)
・リールに付属していた金属レンチ 若しくは小さめのモンキーレンチ
・ティッシュ
・低粘度オイル&グリス(グリスは出来るだけ高粘度タイプを用意したい)
・綿棒(グリスを塗るのに使用。ない場合は爪楊枝などの細い棒にティッシュを巻くといいだろう)
・脱脂洗浄剤(出来ればZPIのパーツクリナーを用意したい。これもリールメンテには欠かせないアイテムだ。)
・捨ててもいいようなタオル(濡らして横に置いておくと作業中に手についたオイルやグリスをサッと拭く事が出来る)

まずハンドルユニット側を外し、ハンドルとドラグを外す。
次にハンドルユニットの2本のネジを外してバラすと上の画像のようになる。
(ドラグ内には4~5点のパーツが入っている。並び方や装着向きを必ず覚えておこう。外した順に並べるのがベター)

この状態までバラしたら、IAR部分に脱脂洗浄剤を吹きつけ油分を飛ばし乾燥させる。
ZPIのパーツクリーナーが速乾性で洗浄効果も高いので是非オススメしたい。
(画像右下にある筒状のパーツも脱脂洗浄剤で洗浄する)

IAR部分に低粘度オイルを4~5滴ほど注す。俺は信頼・実績No,1の「IOS-01」を使用する。
まぁ・・・ここは高価なオイルではなく一般的な低粘度オイルでも十分だろう。(ここのオイルは揮発性オイルは避けたいね)

ここまで完了したらIARに筒状パーツを画像のように組む。(上下があるので注意したい)
この筒状パーツには何も塗らなくてOK。

筒状パーツをIARに挿入したら裏向きにして、筒状パーツとIARの隙間を埋めるような感じで画像のように「シリコングリス」を綿棒で塗る。シリコングリスがない人はリールグリスでもOK。
塗り終わったらメインギヤのついている本体と組み合わせる。バラす時に外したネジ2本ももう締めてOKだ。

こちらがIARを外側から見た画像。この部分にも裏面と同じように隙間を埋めるようにシリコングリスを塗る。ここまで終ったらドラグとハンドルを取り付けて、スプールを組み込み完成。
シリコングリスを塗布する理由はもうお解かりだろう。IAR上下からの水の浸入を防ぐ「シール」の役割。
シリコングリスを選定した理由は、非常に高粘度で容易にIAR内にグリスが浸入しないのとシリコングリスは耐水性が非常に高いし樹脂やゴム製品など金属以外のパーツへ悪影響が少ない点などが理由。

シリコングリスは高価だが近くの大型ホームセンターなどで入手できるはずだ。これで800円くらい。
水のシールには安価なリール用グリスでも問題はないがシリコングリスより粘度は低いのでIAR内にグリスが流れ込まないように注意しよう。リール用グリスはチューブに入った格安品が120円程度で釣具屋で購入できるだろう。
このメンテ方法でこれまでドラグが滑ったり、IARの逆転・その他トラブル・故障など不具合が生じた事は1度もない。不特定多数の人が見るブログに確信がない事は載せないが、実践するのは個人の判断でお願いしたい。
私の場合、ブログの説明を読んで頂ければ解ると思いますが、シリコングリスはIAR内部には一切使用しません。あくまで隙間から水が入らないようにするシールの役割で塗る量もごく僅かです。この水のシールにシリコングリスを使うのは私流ですので不安な方はリールグリスでもOKだと思います。リールグリスでシールの役割をさせた事がありますが水の浸入は防止できました。IARのメンテは色んな情報がかなり多いので迷うところなので、様々なところから情報を入手し私の経験を踏まえたうえ確立したメンテ方法で投稿した内容でこれまで全く問題はないですが、実践するかどうかは個人の判断でお願いします。
低粘度~より極圧性正の低いグリスの使用が大前提。
その名も『ワンウェイグリス』というのがラジコン大手
の京商から販売されていますね。現状ではベストでしょう。
そしてこの記事を見た時、何のこっちゃ?と思ったのがいい思い出です。
今ならその意味がよく分かるほど成長(?)した釣り基地になってしまいました。
ブログ主様はお元気でやられているのでしょうか・・・