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しょうやの Hercules Life

ヘラクレスの飼育を中心に日常の出来事・その他なんでも…

ベイトのドラグに何を求める?使い手が選ぶドラグメンテ!

2008年07月18日 | ベイトリール
スピニングリールに高性能なドラグを求める方は多いはずだ。でもベイトのドラグはどうか?国産は解らないが、Morrumの場合、お世辞にもスピニングのようなドラグ性能があると言えない。事実、利いてほしい時に効果的に利いてくれない事が多い不明確なベイトのドラグに期待するより、ランディング直前のデカBassの急な突っ込みなどはクラッチを切って親指でスプールをサミングしながら対応した方が早いし確実。それにベイトのドラグを緩めているとラバージグのカバー撃ちでフルフッキングした時などに滑ってしまい確実にフッキングできないなんてケースも多い。またベイトのドラグを緩める事を敬遠する事が多い理由にはスピニングとベイトのドラグには「決定的に異なる部分」があるからだ。スピニングの場合、仮にドラグをユルユルにしておいても「ラインを巻き取る」事は出来る。したがってラインがバンバン出てもガンガン巻けば±ゼロにする事が出来るのでドラグから出て行くライン量と巻き取る量のバランスが取れていれば一定スピードで巻くだけでランディングするなんて事も可能。でもベイトは構造上スプールが回ってラインを出すのでラインの回収とドラグを同時に利かす事ができない。だからベイトのドラグは「フルロック」で使っている人も多いと思う。

ここまで読む限りベイトのドラグには厄介な事はあれど良い事がない気がする。じゃあ・・・どうすんだよ?って感じ。ドラグが滑るのが絶対に許せん!壊れようが何しようが男はドラグフルロック!って人は完全グリスレスのドラグメンテになるし、ある程度の負荷がかかったらやっぱドラグは滑ってほしい人。ターゲットが遠距離やディープなので多少ドラグは緩めてもOKって人、春先8~10lbでライトリグをベイトで操るのでフッキングはスイープフッキングが基本だからドラグは緩めたい。フッキング時は親指でスプールを押さえるからドラグは緩める。などなど使い手のスタイルは様々・・・それに全然力のない女性とムキムキ・マッチョマンではフッキングのパワーが違う。力のない女性のフッキングでは全然滑らないドラグもムキムキ・マッチョマンのフルパワーフッキングではドラグが滑ってどうにもならないなんてケースも出てくるはずだ。使い手のパワーが違う事と同様に使うロッドが変わる事でも同じ事が言えるだろう。

AE74は「ファインドラグチューン」なんて仕様にしてある。インターネットの投稿を見るとドラグが滑るからイヤって人もいれば絶賛してる人もいる。この事実からもベイトのドラグこそ「使い手が好みの状態を選ぶべき機能」なのだ。このファインドラグチューン・・・実はドラグカーボンワッシャーにドラググリスが塗ってあるだけ。滑るのがイヤって人はリールをバラし、ドラグワッシャーのグリスを脱脂洗浄剤で抜いてドライドラグに戻せばOK。という事は逆にノーマルIVCBのカーボンワッシャーにグリスを塗ってファインドラグチューンを施す事も可能なのだ。

あと俺にはベイトのドラグに対する別の考え方がある。それは「ギヤを含めた内部パーツの破損を防ぐ機能」という考え方だ。 実は俺も昔はドラグはフルロック派だったが、気づかないうちにスプールのドライプピンが変形していた事があった。ドラグフルロックで使用していると特に至近距離でのフルパワーフッキングはリールにハンパなく相当な負荷がかかる。ドライブピン程度なら簡単に交換は可能なんて思ってても変形するとコレがなかなか抜けず交換に苦労する。まぁ・・・ドライブピンの変形だけで収まればいいが、メインギヤがフッ飛んだりスプールのシャフトが変形してから後悔しても遅い。俺の場合、手に入れる事が難しい廃盤のAvailスプール「旧SXUMシリーズ」を使用しているので特にスプールへのダメージは最小限に抑えたい。それにIVCBの中にはジュラルミンより強度の低い樹脂製のギヤも一部使われている。こういった内部パーツを守るという事も含めて行う俺のドラグのメンテナンスをここで紹介してみましょう。





まずハンドルとドラグを外し、ハンドルユニット側のネジ2本を外してドラグ部分をバラす。
画像は完全バラバラ状態までバラしてあるが、ドラグだけのメンテならメインギヤ上のドラグパーツだけバラせばOK
この機会にオーバーホールするなら 必見!IVCB・UltraMAG ハンドルユニットのオーバーホール を参考にしてほしい。
 






次にメインギヤの上に乗っているドラグワッシャーを全て外す。
外した順に並べるといいかもしれない。





左がカーボンワッシャーで右が金属ワッシャー。それどれ3枚ずつ入っている。
カーボンワッシャーに脱脂洗浄剤を吹き付けティッシュで拭き取る。完全ドラグフルロック派はカーボンワッシャーへの作業はもうない。
本来このカーボンワッシャーに対するメーカーの指定は「ドライドラグ」なのでグリスレスでも全然OKだ。





俺は脱脂洗浄剤で洗ったカーボンワッシャーにドラググリスを片面に塗る。
この時カーボンワッシャーを変形させないように注意しよう。
ドラグをもっと滑るようにしたい人はカーボンワッシャーの両面にグリスを塗ってもいいだろう。

次に金属ワッシャー。これは別に洗浄しても、しなくてもいい。
ボロ布などに低粘度オイル(俺は車のエンジンオイルを使用)を染み込ませ、その布で金属ワッシャーを拭く。
もちろんフルロック派はこの金属ワッシャーを洗浄して組んでもOK。金属ワッシャーの油分を取っても常にカーボンワッシャーと擦れあっているので腐食する可能性はまずないからだ。
まぁ・・・ワッシャーを触るとオイル分が残っている。って感じに仕上げてもしっかりドラグはロックする事は出来るのでフルロック派でも布で拭く程度のメンテでもOKと思う。
ドラグを滑らせたい人は多めにオイルを塗ってはどうだろうか。

計6枚のワッシャーを上記の要領で処理したら組み上げるわけだが組む際の注意点は重ねる順番があるので注意。





組み終わったら最後に金属パーツを一番上に組む。
そして赤○部分全体に薄くグリスを塗る。使い古した歯ブラシなどにグリスをつけて軽く擦るように塗るとやりやすいだろう。
ハンドル・ドラグ等全てを組み終わったらドラグを少し緩めた状態でスプールを指で押さえ、ハンドルを回し塗ったグリスを馴染ませて完成だ。

俺はリール保管時ドラグは緩めておく。ドラグの固着を防ぐためだ。この保管方法は有名だよね。





これは最近買った「ドラグチェッカー」で5kgまで計測可能な優れモノ。今までは感覚でこれくらいかな?って感じでドラグ調整していたが、これを使えば具体的に調整できる。
画像のゼロの位置にある黒い針が実強度を示し、オレンジの針は常にMAXの位置で止まる。つまりオレンジの針をゼロに合わせドラグを計測し、ドラグが滑った時点でラインテンションを緩めればオレンジの針は最大強度の位置で止まるのでドラグの最大強度も容易に確認できる。握力を測る機械の構造と全く同じだね。
必要以上にドラグが滑らず、且つリールに与えるダメージを最小限に抑える設定をするのにどれくらいのドラグ調整がいいのか?については今後煮詰めていく予定。ぶっちゃけこの手のアイテムはスピニングの方が有効に使えそうですね。5kgの他に3kgもあるのでスピニングなら3kgで十分かな。
本体がかなり小さい(タバコの箱より全然小さい)のでタックルBOXに入れておいても邪魔にならないのがいい。ちなみにラインの張力を測定する原理を利用すればBassの重さも測れます。
でもBassの重さは専用のバネ量りなどで計測したほうが早いね。

このあたりの設定は使い手によって当然変わるからここから先は好みの問題。何回も釣行を重ね自分の好みのドラグ設定をみつけてほしい。ベイトのドラグなんて深く考えた事がない人も多いと思うが、こういったところにシビアな調整をして拘ってみるのもなかなか面白いかもよ。


【番外編】
ドラグの設定だが、リールから出るラインばかり気になって、実は「ロッドにつけた状態でないと正確なドラグは設定できない」って事を知らない人って実は結構多い。
ロッドの弾力がサスペンションになるためロッドティップから出てるラインとリール真上のラインにかかる張力は当然それぞれ異なるわけだが、リール真上のラインよりロッドティップから出るラインにかかる張力の方が大きい。だからドラグは「ティップから出ているラインの張力」に合わせる必要があります。まぁ・・・Bass程度の引きなら、そこまでシビアになる必要はないかも知れないが・・・正しい知識は身につけておいて損はないよね!


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5 コメント

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ありがとうございます! (ニコ2)
2008-07-21 09:44:01
おはようございます。ニコ2です。
先日、某サイトの○ーク○ョンの「最○」って出品物を見て、「ヴぇ!もうSX系の話は終わり!??」っと勝手にショックを受け寝込んでいたため、ご挨拶が遅くなりました。。。
ご丁寧な解説、まことにありがとうございました!
まだ自分は何を求めるか?なところ(ほぼフルロック派になりそう)がありますが、参考にさせていただきます~!
ありがとうございました!
(今後もSX系の特集があることを願っておりますよ!)
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終わりではありません! (しょうや)
2008-07-21 13:48:49
ニコ2さん。こんにちは。しょうやです。寝込むほどのショックを与えてしまってスイマセンでした!!!
現在3600IVCBより1600IVCBの方が圧倒的に使用頻度が高いので3600から1600へ入替えを行ってますので3600IVCBを出品しているだけです(苦笑)
これからも不定期になりますが更新していこうと思いますので宜しくお願いいたします。
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安心~ (ニコ2)
2008-07-21 15:21:02
お暑うございます。ピンボルトとシマノのA-RBの在庫が無くなってしまうんじゃないかと心配なニコ2です。
安心しましたぁ~。高値落札をお祈りしております!
当方、先日、海で使ったモラムHi-Speed(海用に格下げ?)のメンテ中でして、改めてしょうやさんのブログを参考にさせていただいてるトコロです。今後とも、新たな「小ネタ集」も含め、よろしくお願いいたします。
 ※再々掲ですが、私には「小ネタ」ではありません。「大ネタ」です。
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コメント多くてすいません・・・ (ナベ)
2009-08-18 12:48:42
昔の記事から全て読ませていただいているので、コメントだらけで荒らしのようになってすいません^^;
なるべくいっぺんにコメントするのは控えますので・・・
ドラグというか、リールについて疑問があったのでコメントしてみました。これはしょうやさんの日記とは全く関係ない?話と思いますのでそのつもりで・・・

よくですね、国産リールの取説なんかには「根掛りはラインを掴んで切ってください」とありますよね。これは、スプール軸やピン、ベアリングに無理な力をかけて壊さないないため(特にベアリングはすぐ潰れて、ガーっという音の原因になります)なんですけど、勿論しょうやさんはそんな事されてないと思います。
しかし、指でスプールの回転を止めて切るのと、「ドラグMAX閉めで切るのも」、ラインが切れる力がスプール各部にかかっているのは同じですね。
ですから、リールが壊れない為には、「ドラグはスプールが壊れる手前までがMAX」という事になりますよね?
もし、ドラグMAX状態で根掛かりを切っただけでスプール各部が壊れてしまったら、明らかにスプール強度とドラグのバランスが設計上間違ってますよね(笑)
この場合、ドラグを緩くする以外には、「スプール強度に合わせた強度のライン」を使用する以外にはない訳で・・・
ABUに限らず、ドラグのMAX値の方が部品の強度より高いのは意外に多いのかもしれません。
飛距離を出すためにベアリングは必ず必要な部品ですが、抵抗を減らす(球体で支える)=支持力も弱い、ですので、スプールが回って力を逃がさなかった場合、ソッコー潰れてしまいますよね。
しょうやさんのスプールのピンが曲がってたり、プラスチックギヤーが飛んでたりとの事ですのでちょっと気になってコメントしてみました。
部品の強度を一つ一つ検証するのはホント気が遠くなる作業ですし、交換部品代もかなりかかると思います!こういう点ではメーカーがもう少し気を使うべきところかと思います。
多少、壊れたら仕方ない!と思わざるをえないところがありますよね・・・
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コメントありがとうございます。 (しょうや)
2009-08-19 14:49:42
ナベさん。こんにちは。しょうやです。
ナベさんがおっしゃる通り、ベイトのドラグは「内部パーツへ高負荷がかかる事を防ぐ」という意味合いが一番強いと僕は思ってます。僕が経験したピンが曲がったりするのは、一発の強い負荷で起こったことではなく、間違いなく長い年月をかけて徐々に変形して起こった「金属疲労」が原因です。プラスチックギヤの破損に関してはバックシートで釣りしている人のロッドにキャスト時にルアーが引っ掛かり、バックラッシュしてしまったラインを修復時に無理にラインを引っ張った事による破損。いわゆる「ボンミス」ですね(苦笑)

ベイトリールのドラグの設定に関しては、フルロック派もいれば、細いラインを使うから緩めたい人、非力な女性とマッチョマンではフッキングパワーも違うので当然設定は個々で変わります。最終的には設定の仕方に絶対はないし、スプールに何kg以上の負荷がかかると壊れる。というようなデータもないわけだから「無理すれば壊れる」という事を頭にいれて、ユーザー側が何を優先したいか?を決めて設定する以外にないのではないでしょうか?リールに強い負荷がかかろうが、リールがブッ壊れようが強いドラグでロックさせる必要があると感じる人なら、「金属疲労」は絶対に避けられないので、いくらパーツに高強度なものを使用してもいつかは変形したり故障したりします。そういう人は「リールやパーツは消耗品」と割り切って、ランニングコストと考えないといけないのかもしれないです。そういう考え方が出来ない僕はAvailスプールを壊したくないので、強い力がかかったらその負荷をドラグで逃がせる方法を選択します。間違いなく言える事はリールにダメージを与えたくないなら、純正スプール・社外品スプール搭載に関係なく根掛りはラインを手に取って(何かに巻きつけて)ラインを手で引っ張った方がいいと思います。

最後に・・・個人的に「説明書」は僕は読みません。「根掛りはラインを掴んで切ってください」とメーカーが説明書に記載しているのは、根掛りによってスプール軸やピン、ベアリングに力がかかって万が一故障した時に、説明書にそういった注意点が記載されていないとメーカー側は対応に困るからではないでしょうか?以前アメリカでお風呂に入れたペット(ネコだったような・・・)を乾かそうと電子レンジに入れたそうです。当然ネコは死んでしまいました。こんな普通に考えておかしい事でもアメリカでは訴訟問題になる事があります。こういう注意事項を取り扱い説明書に記載がなければメーカー側は困るわけです。だから「電子レンジには食べモノ以外は入れない事」などとしょ~もない事が記載されているんです。説明書の注意書きは「メーカー側の自己防衛」的なことが多いと思います。説明書に書いてある注意事項を守らずに故障した場合は「適切な使用方法ではなかった」と言えますからね。
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