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davinci 1.0 を修理 y軸ベルトの交換、エラーコード0031発生 

2018年09月01日 | ブログ
3Dプリンタのdavinci 1.0を使い始めて早や5年・・・
最近、何やら寸法や形がおかしくなってきた。

丸が○にならない、激しい異音がすることがある等々

プリント中の動作を良く見ると
どうもy軸がスリップしている様だ・・・とほほ・・・


タイミングベルトなので緩むのは必然。
当然調整機構があるだろうと探してみるが、無い・・・


さてどうしたものか? y軸モータの取り付け穴を
削って調整シロを作るか?タイミングベルトを交換するか?

取り合えず、通販サイトやホームセンターで代用品を
探してみたが、意外と種類の多いのには驚いた。

最近の掃除機もタイミングベルトが多用されているらしく
交換部品として売られていた。
しかし、Just Fitしなければ意味が無い。

最終的にはxyzprintingのお問い合わせフォームで
尋ねた所、ホームページの部品コーナーにあるとのことだった。
URL => https://www.xyzeshop.com/jp_ja/categories/45-50-381/

確かに、タイミングベルト一式で販売されていた。
欲しいのはy軸用1つだけなので、ちと高いが渋々購入。

さて、いよいよベルト交換作業だが、このdavinciには
いくつもの地雷が仕込まれていたのだ

大まかな手順は以下の通り。

1)サイドパネル除去

用意するものは、メンディングテープ、-ドライバーもしくは、車の内装はがしの様な道具
・マイナスドライバーの先端にメンディングテープを撒きつける。
・勘合式で、上辺に爪があるので、サイドパネルの隙間にドライバーの先端を入れ、
 爪の位置を探りながら、爪の引っかかりを外していく。

 サイドパネル下側は爪を差し込んであるだけ。
 


2)天井蓋センサー除去(天井フレームカバーを外す為)

センサーの位置はここ。

どうやって組み立てたのか分からないが、線の長さがピッタリ過ぎる。
今、初めて気づいたが、センサーが何やらグラグラしている。これって外れてるのでは・・・
取り合えずピンセットで何とかつまみ出した。

3)フロントパネルカバー除去(天井フレームカバーを外す為)

・フロントパネルは左右の爪で勘合している。この爪は本体内側から手で外すことができる。
 本体正面扉を開け、下から覗き込むと爪が見えるので、手で外す。
・表示基盤にはフレキが接続されているので、引っ張らない様に注意して外す。
・フレキは差込式なので、挿入されている向きを確認してから引き抜く。


4)天井フレームカバー除去(ロック箇所に要注意!)

フロントパネルカバーと同様に、勘合している爪を手で外す。


5)後方x軸取り外し(タイミングベルトの交換に必須)

用意するものは、トルクスドライバ
davinciのネジは全てトルクスネジなので、専用ドライバ(サイズ:T9)が必要となる。

・y軸ステップモーターの固定ネジ(4本)を外す。


外したモーターは、適当において置く。


6)タイミングベルト交換

さてさて、いよいよ本丸だが、どう見てもx軸の外し方が分からない。
そもそもどうやって組み立てたのか謎である。

ここは慎重にやらねばならないが、多少の力技もやむをえない!

・先ずはタイミングベルトのある側の軸受けを固定しているネジを外す。
・軸受けを固定しているパネルは、どうもコの字型の曲げ板の様である。
 外してバラす構造にはなっていないので、力技で引っ張り、軸ごと軸受けを
 外してみた。

 すると、何かポロリと落ちてきた!
 なんじゃこりゃっ


 樹脂製の割れた物体、どうも軸受けホルダーの様だ。
 辺りを探しても、欠けた部分が見当たらない。
 
 そんな壊れ方をする様なことは何もしてないのに、何故??
 もしやこれは、最初から不良品か

 仕方なく残った部品を、2液混合エポキシ接着剤で固め、
 元の位置に戻したが、大丈夫か・・・・

 取り合えず、パネルと軸受けの隙間から、伸びた古いベルトを
 引っ張り出し、新しいベルトを押し込んだ。

 新旧のタイミングベルトはこんな感じ。
 
 左:旧 右:新 

 長さはほぼ同じみたいだった。

・y軸を元の位置に戻す。
 簡単に言うが、これが一苦労。軸受けホルダーの向きが決まっているので
 なかなか入らない。しかも一部欠けていることも災いし、上手く押し込めない。
 悪戦苦闘の末、何とか上手く嵌って、やれやれだぜ・・・

 心配した様なガタツキもなく、x軸は元通りに収まった様に見える。


7)復元組み立て

・天井蓋センサーを天井フレームカバーに取り付ける。
 配線が短すぎて上手く入らない。あれこれしていると、いきなりパキッと何か壊れた!
 よく見ると、コネクタの付根から基盤が折れていた。 とほほ・・・

 まあ、配線は3本、この際延長すれば、
 先にフレームカバーにセンサーを取り付けてから
 本体に組み付けることができて、やりやすい。

 こんな感じ

・他のパーツも順番に組み付ける。


8)動作確認
足掛け4ヶ月、やっと動作確認まで漕ぎ着けた。
・電源を入れる。
 手始めに、ユーティリティのJOGモードでy軸を動かしてみる。
 流石に問題無し! Good Job!

・キャリブレーションを行う。
 と!ここでイキなりガガガッと言う異音が・・・
 
 何度かキャリブレーションを繰り返すと、
システムエラー発生!エラーコードは0031
 
 このエラーコード:0031をググって見ると
 xyzprintingのサイトで以下のページが見つかった。
URL:https://support.xyzfamily.com/en-US/Help/faq/da%20Vinci%201.0

 このページのTech Support Code -> 0031 Y motor cannot move or Y home sensor cannot detect
 ・Check Y motor wire connector
 ・Check Y-axis home sensor connection and position

 と、ご丁寧に写真付きで書いてある。しかし、何のこっちゃ??

 どうも位置検出に問題があるらしい。
 そこで、キャリブレーション実行時に、y軸原点に移動する所を
 観察していると、配線をスパイラルで撒いたものが、裏側に入り込み
 原点位置へ移動するのを妨げていた。
 

 そこで、フィラメントを通す位置を逆にしてみると
 
 引っかからなくなった。
 
 ガガガッと言う異音も、エラーコードも出なくなった。
 やれやれだぜ、davinci・・・・


8)テスト印刷
本体内蔵のサンプル印刷でStarを選択、実行してみた。



上手く印刷できている。


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