『源氏物語』25帖 蛍(ほたる)
蛍のいたずらで求婚者をからかう養父
光源氏36歳夏 太政大臣時代
玉鬘22歳/紫の上28歳/夕霧15歳/柏木20歳
[蛍火に照らし出される玉鬘の美]
光源氏は玉鬘に思いを打ち明けておきながら、自分の弟、蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)を玉鬘の相手に選び、ふたりをけしかけて楽しみます。五月雨の夜、蛍兵部卿宮(源氏の弟)が玉鬘を訪ねます。
光源氏は折を見てたくさんの 蛍 を玉鬘の顔の辺りに放った。
その光に照らされた玉鬘の美しさに兵部卿宮は魅せられてしまった。
昆虫の「蛍」がその巻名になっています。
※写真は、「蛍の光」/無料(フリー)写真素材を使用
[物語論]
そのころ、光源氏は絵物語に熱中している玉鬘のもとにきて、玉鬘を相手に物語論を展開した。
[夕霧の恋]
夕霧は相変わらず雲井雁を恋しく思い続け、仲を引き裂いた内大臣(もと頭中将)を恨んでいた。
【源氏物語25帖に出てくる主な登場人物】
光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮に恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮も藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。
玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。
蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)
桐壺帝の皇子で、朱雀帝、光源氏の異母弟。「蛍」の主要人物であることからこの名で呼ばれる。(藤壺の兄の兵部卿宮とは別人)
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』や『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。
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