潮路のとはずがたり雑記 **shioji's notes

*好き*を日々、つらつらと。
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旧仮名遣い

2007-04-21 16:22:51 | 本・小説
 先日予約した岩波版の『家なき娘』が届いたので、さっそく読みました。
 や、これはある意味ものすごい。初版が1941年(って、うちの親もまだ生まれてないよー)なので漢字は旧字、仮名遣いも古いものなのですが、全くそれに手を入れず重版しているみたいですね。借りてきたのは2001年の第5版、60年の間隔かあ、解説が巻頭にあるのもなんだか新鮮。これが岩波文庫の気概というものなんでしょう、これは「天晴れ」です。
 さて読み始めたのですが、やはり旧字はツライ……。塩じいさんの『塩』の字も古くて、最初なんて読むのか全然分かりませんでした。私だけじゃないんでしょうねえ、最初の箇所に鉛筆で『塩』と横に書き入れた人がいたみたいで(←だめですよー、公共のものに書き込みしちゃw)。いや、そこだけでしたが。
 訳語が古めなのは、まあ仕方のないことでしょうか。地名や固有名詞も。『かくし』ってポケットのこと?? 文脈からするとそうなんですが、まんま『ポケット』と書いてあるところもあるし。『ブルーズ』はブラウスでいいのかな。こういうところと、それから『表現上不適切な言葉』だけはせめて改訂してほしいような、そうでないような……。
 とにかく古文を読んでいるか、もしくは英文を読んでいるようなそんな感覚で。でも楽しいんですよ、意外とこれが。中味が面白いからでしょうか。そして文章自体は格式張っていますがむしろ美しいです。このあいだの『ヒストリアン』とはエライ違いで。これは原文の差か、あるいは訳の差か……(後者かな?)。それだけにこのまま現代風に直して欲しかったりして。
 そういうわけで、衝動的な『読みたい欲』は満たされました。うーん、このあとどうしようかな。もう一方の版もまた借りて、じっくり比べ、そのあとどちらを買うか考えましょか。

1 コメント

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書店サイトではヒットしなかったですね、新訳。 (shioji)
2007-04-22 16:42:14
決定的な解決法は原書で読むことなんですが、
フランス語ではお手上げです(笑)。
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