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潮路のとはずがたり雑記 **shioji's notes

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本のしおり

2025年02月20日 | 本・小説

 来月また新刊発売予定のゆうきまさみ『新九郎、奔る!』(小学館)、雑誌掲載を追いつつwikiを眺めるのに物足りなくなったら、そのあたりの関連本を読んでみたり(*´∇`*)。

 

  新九郎、奔る! 18 - 潮路のとはずがたり雑記 **shioji's notes(前の巻の感想です)

 

 その中で面白かった本があったので覚書的に。

 

 黒田基樹『今川氏親と伊勢宗瑞 戦国大名誕生の条件』(平凡社、2019)

 渡邉大門編『諍いだらけの室町時代 戦国へ至る権力者たちの興亡』(柏書房、2022)

 

 逆になりますがまず下の『諍いだらけ…』から。こちらとにかく内紛(内訌)の多いこの時代の権力争いについて、いくつか項目を分けて解説したもの。(伊勢)宗瑞も一項目語られてます。ってかそこだけ読んで、ほかはつまみ読み程度💦。応仁の乱はもちろん、上杉家とか畠山家とかなんでこんなに争ってるん!? というあたりが書かれているので、時間があればじっくり読み込んでみたいところ。

 

 上は氏親と宗瑞、つまり龍王丸と新九郎の甥・叔父二名を丸ごと一冊で。ちなみに筆者は日本中世史専門の大学教授で、こちらも学術書なのだと思いますが、素人にも取っつきやすい(! 失礼!)本でした。宗瑞という人は昔と今とで生年から出身まで異なることが書かれている人物なので、比較的新しい書籍を探してたどり着きました。それと筆者と。wikiを例に挙げて良いものかどうか迷いますが、この方の書かれたものがよく出典になってましたので。

 ところでこの本では宗瑞の三男(らしい)(葛山)氏広は今川家家臣葛山氏の娘が母親で、四男宗哲は伊豆の狩野氏の娘が母親らしいと書いてありました。でもwikiだと宗哲の母親が葛山氏ってことになってたりします。おそらく出典になっている資料が異なっていて、はっきりしたことは分かっていないのかもしれませんが、この本の説の方が納得できるような気がします。このあたり、コミックの方でどう描かれるのか楽しみですね。そもそもこの本だと宗瑞母は貞国の娘なので(※『新九郎…』では別人とされてます)。

 

 次にまた読みたくなったときのために。


「闇の礎」(死のエデュケーション3)

2024年08月17日 | 本・小説

 暑いけど頑張って買い出しに行ってきました、。車使用ですが、いったん出たからにはと何軒かハシゴして。

 お魚は空振り(T_T)。店に二度寄ったのですが、盆明けで入荷がなかったのかな。ほかにも見つからないものがあったので、来週再来週と第二ラウンドが必要です。いい袋きゅうりが買えましたよ〜、曲がっててお手頃で。

 

 本、コミック感想週間、今日はこちら>ナオミ・ノヴィク『闇の礎』(静山社)、死のエデュケーションLesson3、最終巻です。昨年秋に邦訳が出ていたのですが気付かなくて、やっと読みました。昨日ちらっと触れましたが、何度も読み返したあとより一度目のあとの今、少し感想とコメントを書いておきますね。

 1,2巻の記事はこちら。

  闇の魔法学校 - 潮路のとはずがたり雑記 **shioji's notes

  「闇の覚醒」と「銀をつむぐ者」(ナオミ・ノヴィク) - 潮路のとはずがたり雑記 **shioji's notes

 

 なんというか……「安心して下さい❗️ きれいに終わってますから」とでもいうような最終巻でした。あまりに綺麗すぎてどきどきしながら読んだ私にかなりの脱力感が💧。

 以下、一部内容に触れますので未読の方はネタバレにご注意下さい。

 

 

 

 

 結論から言うと主要キャラはだいたい生存&生還し(オリオン含む)、エル(ガラドリエル)の父方の一族とは和解し、目玉さらいや自治領の秘密も解明されて、伏線回収に終始した巻でした。なので読み終わるともう一度1巻から読み返したくなります(手元にないのが残念!!)。

 2巻ラストの・クリフハンガーで「絶対にこのまま終わるはずがない」とは思っていましたが、オリオンは助けられました。……いろんな意味で。最初「え? なんでこんなにあっさり」と不思議でしたが、それが彼の誕生の秘密ゆえだったんですね。あの『趣味:怪物退治』と履歴書に書きたくなるような性分も理由あってのことでした。ええ、おどろおどろしい秘密です。

 自治領の秘密、成り立ちのからくりも知らされると納得です。訳者あとがきにありましたが、ル・グウィンのあれよりも私は日本の『人柱』を連想しました。

 しかしエルの性格というかものの捉え方考え方は相変わらずで。そんな彼女が落ち込んでいるときにリーゼルとゴニョゴニョなことになってしまったのにはびっくり。今回、目玉さらいの犠牲者の描写(思わずリアル画像で想像してしまった💦)といい、ちょっとオトナな内容になってますのでご注意。

 訳者あとがきでもう一つ驚いたのが、ノヴィクが「ハリポタ」の熱心な読者だったということ。魔法学校というとどうしてもそこに回帰する昨今なので意外というほどではありませんが、1巻の感想で「ハリポタをイメージして読み始めると、ビンタを食らうような衝撃があります。」と私書いてますわ。ほんとにそうです。

 

 そうして二日半くらいかけて、それでも一気に読み終えたのですが、ほんとうに伏線を回収して物語を終わらせるのに忙しかった巻という印象でした。そういうわけなので1,2巻ほどのワクワク感はなかったのですが、ある意味1冊丸々かけてエピローグを読んだとすれば納得です。

 

 このあと読み返したらまた別の感想がありそうですが、今回はここまでにしておきます。あ、スコロマンスは復活しましたよ。無事、たぶん。

 

 これで用意していたネタも一段落ですので、明日からは通常記事に戻る予定です。


最近読んだ本とかコミックとか、ほか

2024年02月11日 | 本・小説

 最近読んだ本やコミック、その感想とかコメントとか。

 

 ○幸村誠『ヴィンランド・サガ』27(アフタヌーンKC) →前巻の感想はこちら(短いです)。

 入植、開拓の話題がまだまだ続いているのですが、先住民とのことと武器の所有についてでなんだかキナ臭くなってきました。後者は現代にも存在する難しい問題ですね。前の巻より少し動きがあったのでほっ。

 ○(雑誌掲載ですが)ゆうきまさみ『新九郎!奔る』(ビッグコミックスピリッツ2024年9号掲載分) →先月発売最新刊の15巻の感想等はこちら

 単行本派ですが、雑誌も借りて追ってます。ネタバレのない範囲で……新九郎の前半生最大の山場とも言うべき出来事が描かれた回でした。めっちゃよかった❗️ 家紋のシーンがツボりました。こんな綺麗な家紋ってあるんですね、調べたら戦国時代、大谷吉継も使っていた有名な紋みたいです。次号も楽しみです。

 ○岡田暁生 片山杜秀『ごまかさないクラシック音楽』(新潮選書)

 こちら、新聞で紹介されていたのを見て借りてきました。かなり順番待ちしました。

 が。かなり難解というか、情報量がてんこ盛りで一度さらりと読んだくらいでは、とてもじゃありませんがレビューなんて書けそうにもありません。というのが私の感想です(汗)。そもそも私、音楽はあれとかこれとかちょっとずつ囓っていたくらいで、そこまでちゃんと勉強したことがないんですよね……楽典とか音楽史とか。こちらはきちんと勉強した方か、もしくはクラシックマニアと名乗れる方向きの本です。

 情報量、とにかくいろんなことが書いてありますし、なかなか過激で時には毒舌だったりします。そして政治や一般の歴史はもちろん、戦争に軍隊、SFや映画の話も絡んでいて、さらには思想的なことも云々。そしてごく最近(昨年ですね)書かれたものなので、ウクライナ侵攻のことにまで話が及んでます。映画『ソラリス』や松本零士さんの名前も出て来てびっくり(でも「のだめ」はなかったな💧)。

 というわけで興味深くはあったけど、もう少し軽めのクラシック話の本だとよかったのにと思った私でした。

 

 おまけ。

 エブリイ@業スー系スーパーで買ってきて冷凍庫に入れたままだった冷食の大判焼きを食べてみました。

 

 カスタードクリーム入りです。ちなみに広島では大判焼きでなく二重焼きと呼ばれることが多いです。

 

 解凍前。

 

 規定より10秒短くチンして。

 

 じゃ〜ん

 

 お味はほどほどに美味しかったです。ええ、このくらいがいいんです


死に山(ディアトロフ峠事件本)

2024年01月07日 | 本・小説

 ふー、年末から暖かかったのに急に今日は寒くなりました。晴れているのに風が強く吹いて、ベランダの物干しスタンドが倒れるのではないかとどきどきしましたよ。

 

 ミステリーチャンネル(旧AXNミステリー)で放送されたドラマ『ディアトロフ峠事件』は録画したのを何度か観て楽しんだのですが、ネット検索しているうちにこの事件を扱ったノンフィクション『死に山』(ドニー・アイカー、河出書房新社)の存在を知りました。

 

ディアトロフ峠事件(ドラマ) - 潮路のとはずがたり雑記 **shioji's notes

寒さはしばし緩んだ様子ですが、あれやこれやと気の抜けない日が続きますね。ロシアのドラマ『ディアトロフ峠事件』(AXNミステリー)、観終えました。ドキュメンタリーとか実...

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 で、図書館で取り寄せて読んでみたので、少しだけ感想とコメントをば。ちなみにこの本のことはwikiに出てくるのですが、ドラマの方はまだ載っていないです。

 以下、実際に起きた事実とはまた別に本の内容にも触れますので、未読の方はネタバレにご注意下さい。

 

 

 

 

 本のタイトルは『死に山』(原題:dead mountain)なんですが、副題があって「世界一不気味な遭難事故 《ディアトロフ峠事件》の真相」とか。Amaのレビューでこの副題がどうとか逆に死に山の方が云々とあったりしますが、原題の直訳に説明をくっつけただけなのでそのあたりはなんとも(´・ω・`)。個人的にはストレートかつシンプルに『ディアトロフ峠事件』にしてなにか内容を表せる副題をくっつけたらどうかな? と思いますが(ベタすぎかなあ?)。

 このドニー・アイカー、アメリカのライターなんですね。で、わざわざ厳冬期の現地にまで出向いてこの本を書いたと。凄い努力ですが、もしそれがなかったらありきたりで厚みのない本になっていたかもしれません。

 本は事件に至るまでのディアトロフ隊の動きと遭難後の捜索、それから作者の語る現在との三つの時制で構成されていています。それぞれの章が交互に出てくるのでちょっと込み入った印象ですが、少しずつ事実が明かされていくので分かりやすくはあります。そして最後に立てた仮説とその検証とにたどり着きます。

 私はドラマ→この本なのでいろんな資料やデータの多さに圧倒されました。ま、ドラマは脚色されているので……サーシャ・ゾロタリョフが二次大戦の帰還兵だった以外は戦争の影はないですし、ましてやKGBがどうのというのも出てきません。ただ当時の社会状況からあちこちより圧力があったのは事実みたいで、最近になってこの事件が注目されてきた理由も分かります。隊から離れて生き残ったユーリが生存していてインタビュー出来ていたのは驚きでした。あと犠牲者の遺族たちも。

 

 この本は遭難の原因を『超低周波音』と結論づけていましたが、wikiにもドラマにもあったように雪崩が原因というのが一般的みたいですね。それにしてもやはり解明さてれいない事柄は多く残っているし、この本がすべてを解決したとはとうてい言えない気がします。

 

 余談というか「ソ連(当時)の女性の地位」なんですが、そのことも本で触れられてました。ドラマでも大学にたくさん女性が通っているし、隊に二人も女性がごく自然に加わっていたので、気になっていたんです。どうやら当時のアメリカよりもずっと女性の地位が高くて、教育も職業も平等とまでは言えないのかもしれませんが、ずっと男性に近かったようです。まあ、アメリカって実は今でもそれほど男女平等ではないし……。社会体制の違いですかね。

 面白い本でしたけど、上でも書いたように情報量が多くて読むのに気合いが要りました。こんなジャンルでなければ買って何度か読み返すタイプの本なのですが……実は私は怖がりです、はい。


『リラ』を2冊買う:やってもーた

2023年08月11日 | 本・小説

 今回の『やってもーた』案件もまた電子書籍でございます

 古いのだとこんなとか。

 

やってもーた - 潮路のとはずがたり雑記 **shioji's notes

手狭なベランダが植木鉢でもういっぱいなはずなのに、またまた買ってしまいました。バラの苗。上がコクテール(カクテル)という種類、下が白のモッコウバラです。だった前か...

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 最近の電書絡みだとこんなのとか。

  お蕎麦と「やってもーた」案件 - 潮路のとはずがたり雑記 **shioji's notes

 

 今月はこれもやってもーたしてるし。

  朝からお客さんほか - 潮路のとはずがたり雑記 **shioji's notes

 

 同じ月なので自粛すべきとは思ったのですが、いろんな要素が絡み合ってやっちゃったんですよ。ちなみに『やってもーた』の語源は昔MacFanで連載されていた『電脳奥様』(のはず)。

 

 さて。

 今回のことの起こりは、久しぶりにL.M.モンゴメリーの『アンの娘リラ』を読み返してみたくなったことでした。この作品はご存じ『赤毛のアン』の続編というかシリーズの最終巻で、アンの末娘リラ主人公の作品です。以前はハードカバーで持っていた本ですが、かなり前に手放してしまったんですよね……でも全巻でなく気に入った巻だけ揃えていたうちの一冊で、実はアンがメインの本よりも好きでした。

 で先日、ふらりと立ち寄った図書館で借りてきたのが村岡花子訳のポプラ社版。ええ、これしか置いてなかったんですよ。他館にあるのを取り寄せも出来たのですが、まずはと思って。でもこれ、いくつか覚えているシーンがないような気がするので、全訳でなく抄訳では? という気がしてきました。これは……全訳版を手に入れるしかない!?

 例によってネットで中古をいろいろ見てみましたが版も値段も様々で、しかもシリーズの全訳だと掛川恭子版というのもあるんですよね。確かに村岡版は『後生だから!』とかアンが叫んじゃうような訳なので、古めかしいと言えばそうなんですが(でも私、改訳の方に馴染んだ経験があまりない……💧)。

 

 といつもの電書サイトを見るとその掛川版@講談社文庫が8/17まで限定でセールになってました。おお……

 これは比べ読みするためにも買ってみようかな、金曜まで待てばお得だし……とカゴに入れて待機することにしたのですが、ここでまたまた浮気心を出した私はAmaのkindleの方もちらりと覗いてみないではいられませんでした。……ええ、セールしてましたよ。でもいつものサイトの方がお得だったり使い慣れていたのでそこはぐっと我慢したのですが、原書がびっくりなお値段で売られてました。『RILLA OF INGLESIDE』(『アンの娘リラ』の原題)が118円でした。Oh……( ゚д゚)。

 

 これっていわゆる1ドル本とか99セント本とかいう類いなんですかね? 1日くらい迷った末、ぽちっちゃいました。Pも使ったので、クレカからの引き落としはなんと69円(^_^;💧。

 

 じゃ〜〜ん

 ってか、私これが初kindleですわ……Macと相性がアレなのでこれまで買ったことありませんでした。このお値段ならなにかあっても諦めがつくしということで。

 

 というのが昨夜の話です。そして今日、とうとう電書サイトポイント増の日。

 実はこんなクーポンを数日前に引き当てていたことも、私の背を押してくれました。

 

 こういうクーポンって結構使用条件が厳しかったりしますが、今回は300円以上と緩かったので有り難かったです。

 

 それでいそいそと購入に。今回この版限定で50%オフになってました。なのでまず935円→467円に。

 

 そこに200円オフクーポンが適用されて267円に。

 

 そしてさらにポイントバック分が支払分からあらかじめ引かれるので、なんと→164円に。

 

 ……ええ、これが今回購入した最大の理由です。8割引き以上で、私買ってる💦💦(←驚異の割引率。これが村岡版全訳だったら、シリーズ全巻大人買いしてたかも……)。

 

 買ったばかりでまだほとんど読んでいないのですが、買うのを決める前、少しお試し分を読んだ感じは『私、やっぱり村岡版がいいかも……』(´・ω・`)。だってジャックフロストを霜男って訳してあったんですもの、たぶん。そしていずれ村岡版の全訳も買いたいなと思ってます。

 

 ともあれ、原書の方と併せて、比べて楽しむ予定です。いつになるか分かりませんが、読み終えたら感想とコメント書いてみたいですね

 (※今回、翻訳者さんの敬称は省略させていただいております<m(__)m>)。


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