潮路のとはずがたり雑記 **shioji's notes

*好き*を日々、つらつらと。
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弧宿の人(宮部みゆき)

2007-01-31 16:22:19 | 本・小説
 ずっと読みたかった『弧宿の人』上下(宮部みゆき、新人物往来社)。読み終えましたので感想をば。例によって苦手なレビューはほかの方にお任せするとしましょう。
 時代ものです。江戸時代、丸海藩(モデルは丸亀藩らしいです)を舞台に、『罪人お預かり』をメインの出来事として様々な人の織りなす人間模様……宮部さんの得意なジャンルですね。いつもながら人間同士のからめ方が惚れ惚れするほど巧みです(『理由』も凄かったですねー)。そして時には残酷にすら思うほど、時代に即した描写、展開。ラストへ向かっての盛り上げ方も迫力あります。
 以下、感想続けますがネタバレをかなり含むので、未読の方ご注意。
 読後感良いのが宮部さんの特徴の一つだと思っていますが、今回一つだけ、「あれ?」と思ったこと。宇佐の扱いです。ほかに命を落とした人物達はそれぞれいわゆる〈死亡フラグ〉が立っていたように思うのですが、彼女に関しては私の見落としですかね? いきなり瀕死の床にいたのでちょっとびっくりしました。ほかに〈落とす〉ポジションがなかったのかな? という雰囲気……。「ほう」の生命力の強さ(悪運か?)との対比でしょうか。
 それからこれは全くの余談ですけど、宇佐って名前、どちらかというとお武家か大店のお嬢っぽい名前ですね。「おうさ」ってなんか言いにくそう。あー、『日本の女性名
が手元にあれば調べてみたい……。
 ともあれ、読んで絶対損のない作品です。時代ものが苦手でなければどうぞ。

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