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「アヴェンジャー」(フレデリック・フォーサイス)とベトナム

2008年11月23日 | 読書
ひさびさに読書。最近本も読んでないなあ。完全に現プロジェクトで忙殺されてる。

アヴェンジャー (上) (角川文庫 (フ6-24))
フレデリック・フォーサイス,篠原 慎
角川書店

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内容はアヴェンジャーというコードネームで人狩りを請け負う退役軍人が主人公。
ボスニアでアメリカ人の青年が殺されるところから始まる。
これを救って欲しいと主人公に依頼が来て、物語が進む。

主人公は元ベトナム兵で「トンネルラット(トンネルのネズミ)」として活躍した。

トンネルねずみ以前マイクル・コナリーの「Black Echo」(邦題「ナイトホークス」。うーん、イマイチ)で読んでいたので、なんとなく購入してしまった。
「ナイトホークス」は下記の通り。

ナイトホークス〈上〉 (扶桑社ミステリー)
マイクル コナリー
扶桑社

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どちらもトンネルラットについて詳細な記述があるが、アヴェンジャーの方がいかにベトナム人が巧妙にトンネルを張り巡らせアメリカ兵を翻弄したか、非常に生々しく詳しく書かれている。

話は変わるが、以前の会社がベトナムへの事業展開を始めた。その初動期にベトナムを訪問したため、「遠い、悲惨な戦争が合った国」という印象から、「料理がおいしく、元気なアジアの国」であることがわかり、親近感とある意味での羨望を覚えた。

アヴェンジャーに戻ると、トンネルラットのトンネルは下記のようなものだったらしい。

・細い坑道
 小さいアジア人がやっと通れるような細い坑道。
 デカいアメリカ人は入れない。

・爆破による攻撃
 乾ききった赤土は固すぎるうえ、トンネル網はあまりにも広大。
 複雑に折れ曲がっているために爆薬の威力は局部に限定される。

・水攻め
 注入した水は、トンネルの床に吸い込まれてしまうため効果がない。

・ガス責め
 水の防御壁で効果なし。
 トイレやシンクの下のパイプの折れ曲がりのようなところに水をためておき、悪臭を防ぐ方法と同じやりかたで防いだらしい。

・入り口は縦穴
 足から下りると、下半身を毒を塗った竹槍で刺される。
 引き上げるにも縦穴の壁に竹槍があたり、こすれて、槍の先端が体をかき回してしまうため、生存の見込みがまずない。
 頭から下りると、のど元に竹槍や銃剣で貫かれる。

・毒蛇の罠
 竿の中に毒蛇を仕込み栓をする。釣り糸で栓が抜けるようにしてある。
 匍匐前進したアメリカ兵が引っかけると身動きできなくて怒り狂った毒蛇が兵士のうなじに落ちる。

・隠し戸
 上下に走るトンネルの間に儲けられ、巧妙に隠されている。


最新鋭の兵器は何一つないが、自然を地の利を利用して優位に立ったところがすごい。またこれを作る勤勉さ、我慢強さというのは想像を絶する。

日本人もここまでできないのではないだろうか。必要があればできるのか?
少なくとも文明にどっぷり使っている今の日本人にできるようには思えない。

勤勉で、我慢強く、頭のいいベトナム人が戦争から約40年ほど経って、復興しているのはとても喜ばしい。
いつか日本を抜くときも来るのではないかと思う。


ああ、またベトナムに行ってみたいな。今度は観光で、うまいもの食いまくろう。
ひとまず今日は行きつけの中華料理屋の上海蟹でも食べに行くか。今が旬らしい。
(ベトナム関係なし)

あ、書評ですが、どっちも面白かったです。
役立たない書評だ。。。

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