
これからぶりの解体ショーが始まります。その前に…
「みんなの心臓、動いているかな?胸に手を当ててみてね。どうして動いているのかな?」

みんな静かに手を当てて考えました。 「そうです。みんなは生きているからです!
でも、これからみせてもらう『ぶり』は死んでいます。どうしてかな?」
すると、様々な意見が出ました。
「そうです。みんなに食べてもらうためです。」
「えー!?」という声と共に、みんな真剣な表情になりました。

そして、板前さんが、大きいぶりをもって登場!
「わー!おっきい!」大きな歓声と拍手が起こりました。6キロ近くもある大きいぶりです。

早速、解体が始まりました。
大きい包丁を、静かにぶりの体に差し込むと、あっという間に内臓を取り出しました。

血の付いた包丁や真っ赤な内臓を見ると共に、魚独特の生臭いにおいがしてきました。

子ども達の表情と声が瞬時に変わっていきます。

「これが頭、これが胃袋、そしてこれが心臓…卵も入っていましたよ、メスの魚だったんだね。」
と板前さんが話をして下さり、トレイの上に次々に並べられました。

子ども達の近くにもトレイが回りました。「うわーっ、なんだ?」

これまで、見たこともない魚の内臓を見たり臭いをかいだりした子ども達です。

様々な感性が刺激されたようです。

「あれは、なんだろう?」興味を持って集中して見つめています。

「これは、心臓。みんなの心臓は動いているけど、これは、動いていないね…。」

興味津々に周りに集まってきた年長組さんは、板前さんに「ぶりは何を食べるの?」など
いろいろな質問をして、丁寧に説明をしてもらいみんな満足そうでした。

「これは、みんなが食べる切り身だよ。」板前さんが、みんなの為にきれいに切って並べてくれました。

日頃から身近にある魚にも親しみました。ビニールの上から触ってみました。
毎日みそ汁のだしをとっている煮干し、節分で『やいかがし』に使ったいわしにも親しみました。
「ちっちゃい魚だねえ。かたいねー。」

給食でよく食べるお魚にも触ってみました。「おめめだ!」「おなかぷくぷくする~。」

なでたり、つっついたりして親しんでいました。

先ほど解体されたぶりは、給食先生の愛情も込められ『ぶりの照り焼き』になってみんなでいただきました。
美味しすぎて、おっきーいおくちでがぶり!

おいしくて、笑顔になったよ。

お魚さんの命をありがとう。
これからも、食べ物に感謝の気持ちを持ち続けてほしいと思います。