AAAA快適生活研究所

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疲れてもいないのに、「お疲れ様」?!?

2021-06-01 09:57:27 | 日記

最近頻繁に耳にする言葉に「お疲れ様(です)」がある。

これが、一日中聞こえてくる。朝からも。。。疲れていないのに。

私らの年代(現在70歳台)にはこの言葉は奇異である。

私らの年代は、「ご苦労様」(ちょっと上から目線っぽい)、「ご苦労様でした」、「ご苦労様でございました」が使われた。後の二つは下から上にも使えた。

子供の童謡「お百姓さんの歌」の歌詞に「蓑着て 笠着て 鍬持って お百姓さん ご苦労さん」とある。子供が大人に「ご苦労さん」と言っているのである。ご苦労さんのニュアンスがわかると思う。

あまり明確に記憶していないが、私が働き始めた昭和50年代から60年代までは、挨拶言葉として「ご苦労様でした」は上下別なく使用できた。「お疲れさまでした」は用途が限られていたと思う(作業をした後などに使う)。それがその後気がついたら、「ご苦労様」系の挨拶は上から目線であるから上の人には使わないようにすべきだ論が氾濫して、「お疲れ様」が幅を利かせてきて、今は大洪水状態である。(前に投稿した、マナービジネス屋の陰謀かも)

日本語には、「お早うございます」の後から「今晩は」(新潟では「お晩です」)の前までのいい挨拶がない。だから「お疲れ様」になるのだとしてもやはりTPOがある。

そういえば、新潟には「ご免ください」という万能の挨拶言葉がある。東京あたりではこの言葉は人の家を訪ねた時くらいしか使わないから、東京生まれの妻が新潟に来て授業参観で「ご免ください」と言われてびっくりしたといっていた。でも新潟では万能である。

声を出して挨拶するのは悪いことではない。教員をやっていたころ、教室に無言で入ってくる学生には「なんか挨拶をして入ってこい」と言っていた。

午前中(10時以降かな)にその日初めてあった人には、「今日は」とあいさつし、その後また会うようであれば、軽く会釈するだけでよいのではないかい。

午後も同様である。

言葉は、使いやすいように短くなる傾向があるそうである。「今日は」はもともと「今日はご機嫌いかがですか」が短くなったという。仕事で先に帰るときに使われる「お先に失礼します」が短くなって「お先に」あるいは「お先です」を使う人がいる。前者まだ許容範囲であるが、後者は何ともなじめない。「お先に」は「今日は」と同じだとしてもどうもまだしっくりこない。

とにかくやたら「お疲れ様(です)」を連発するのはやめて欲しい。