自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『ノーザンライツ』

2008-04-24 18:05:53 | 星野道夫
「九月も半ばを過ぎると、フェアバンクスには晩秋の気配が漂ってくる。・・・・」
こんな書き出しの極北の物語を、南の島でのんびりページをめくっていました。

月曜日から毎日のように吹き荒れる風と、ときおりたたきつけるような雨の中で、ボクはおなかもすかないまま本を読み続けていました。
一体、何冊読んだだろう・・・

今朝はようやく雲が切れ、太陽が顔を見せてくれました。にもかかわらず、あまりにも強い風は気温をあまり上げてくれません。

ビーチでのんびり本を読む、というボクのプランは結局一度も果たされませんでした。
プールサイドのデッキチェアでマンゴージュースを飲みながら・・・なんていうプランもお流れです。

でも、この『ノーザンライツ』に触れて、星野道夫の綴るものがたりの中に引き込まれ、とても豊かな時間を過ごすことができました。



多くの人が、星野道夫の世界に魅せられている。

それは、自分にとってまったく未知の世界を教えてくれるからだと思っていました。
そこに住み、そこに生きる人々とステキなかかわりを作り出していることへのうらやましさもあったし。
彼の集めた「言葉たち」も、同じ言葉を使っているとは思えないほど豊かで魅力にあふれている。

自然環境が破壊され、アラスカの地が油田の開発や、「エスキモー」や「インディアン」たちの民族の深い問題をかかえ、未来への希望が見えなくなってしまうことを、星野道夫なりの表現で警鐘を鳴らし続けているのだと思っていました。

でも、この本の中で出会った、星野道夫の表現は今のボクには違って見えた。

「ぼくはボブと出会い、闇の中で薄明かりを見たように、ある希望をもつことができた。いや、きっとボブだけではない。行く先が何も見えぬ時代という荒海の中で、新しい舵をとるたくさんの人々が生まれているはずである。アラスカを旅し、そんな人々に会ってゆきたい。アラスカがどんな時代を迎えるのか、それは人間がこれからどんな時代を迎えるのかということなのだろう。
私たちは早春の森をさらに歩いていった。あたりは新しい生命の気配に満ちていた。
“木も、岩も、風さえも、魂をもって、じっと人間を見据えている”
ぼくは、まるで一つの生命体のような森の中で、いつか聞いた、インディアンの話の一説を、ふと思い出していた。」

地球の環境を初めとする、大きな問題が山ほど起きている。

その影で間違いなく生まれ始めているたくさんの輝きに、ボクも無関心ではいられない。

雨と風に見舞われた今回の旅にも、ちゃんと光はあったってことか・・・

マンゾクマンゾク


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3 コメント

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Unknown (nozomi)
2008-04-26 00:18:28
おかえりなさい。
光はどこに行ってもちゃんと自分の中にあるんですよね、きっと。
ただ、目の前の現実のために、うっかり見失うことがあるというだけ。
こんな時代だからこそ"Sun Catcher"が必要なんです。
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Sun Catcher (しばしば)
2008-04-26 06:34:59
nozomiさん
帰ってまいりました。
そんなに大げさな「帰還」ではありませんが・・・。

Sun Catcher・・・そういえば、もうすぐCATCのワークショップでしたね。
http://catc.web.fc2.com/
楽しんで「光をつかまえて」きてください。

クエストも3日に千桂子先生のワークショップです。
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一隅を照らす (ぴよ)
2008-05-01 13:21:48
豊かな時間を過ごされたのですね☆
おかえりなさい。

ほのかな光 鋭い光。光り方は色々。
照らし方も色々。
ある部分を隈なく それとも薄暗くとも広い範囲を。
ここにいるよ、と光を放つことに精一杯で
周りを照らしていることに まだ気づいていない光とか。
そんな、それぞれの一隅を照らす光たちが集まり
また新しい輝きが生まれ照らしだす。

ぼんやりとでも光りながら
目をこらして感じて 一歩ずつ進む自分でありたいです。
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