スカパー漂流記

CS放送「スカパー」で放送されている番組について語れればいいなぁと思う次第でございまして・・・

File-005 サウスパーク (for AXN)

2005年03月30日 | Weblog
 日本製の「アツい」アニメの後は、アメリカ製の「キツい」アニメの話を(笑)。
 
 この番組を最初に目にしたのは、今はもう加入していないWOWOWの番宣ででした。切り絵をモチーフにした稚拙なキャラを観て、「アメリカって国はホント、つまらないトコロで保守的な国だよなぁ」と鼻白んだのをよく覚えています。ですから何の気なしに観始めるまで、この番組のことは完全に「Out of 眼中」のノーマークでした。

 しかし、この作品にハマる素養を秘めた人間であれば、毒気満点の本編をほんの1分観ただけで思いっきり深くハマります。・・・プチヲタなどは、まさにその典型でした。

 本作のストーリーをここで説明することはしません。それは内容が「下品で幼稚で低俗で醜悪で、かつ人種的・宗教的・思想的・性差的・社会的な偏見に満ちているようにみえる」からではなく、物語の流れを記したところで、本作の核をなすエッセンスが読み手の皆さんに伝わらないことは明白だからです。
 少し挑発的な書き方をすれば、本作を単なる「低俗なアニメ!」と一刀両断してしまう思考の持ち主は、社会的な事柄に対する認識や洞察、関心や理解の度合いが低い人だと言えるでしょう(作風が肌に合わないから嫌い、という反応はフツーです。万人から等しく愛される「創作物」など存在するはずがないのですから)。

 そもそもあの訴訟大国アメリカで、単に笑いを取るためだけの目的で差別的な言動を毎回毎回繰り返してたら、間違いなく訴えられて番組は早々に終わります。しかし「サウスパーク」は、プチヲタの記憶では最低でも第6シーズンまでは作られていたはずです(現在AXNで放送されているのは第5シーズン。ちなみにアメリカでは第4シーズン以上製作されると、その作品は「大ヒット」したとの認識になるらしい)。また本作は全米のPTAのお母様方によって「子供に観せてはいけない番組」№1に選ばれたそうですが、本作は明確に大人向けとして製作されているのですから、そんなのは当たり前といえば当たり前のことなのです。

 抽象的な話ばかりに終始していても仕方がないので、勇気を出して(笑)一つ例を挙げましょう。
 劇中のあるエピソードに「NAMBLA」という名前が出てきます。略語なのですが、意訳すると「北米小児男児愛好会」といったところでしょうか。あまりに馬鹿馬鹿しい(おぞましい?)名前だったので、プチヲタは面白半分でググってみました(^^;)。日本人の常識というか良識からすれば、こんなモンが存在するなんてこと、まず「あり得ない」話ですよね?でも、あったんですよ・・・。しかも堂々と(この記事を書くために今日また検索したら、まだありました・・・)。さすがにアクセスする勇気は無かったですが、ふとアメリカの牛乳パックには行方不明になった子供たちの写真が「尋ね人」として印刷されているという話を思い出しましたよ。で、「サウスパーク」の中では、この「NAMBLA」のメンバーが自分たちの性癖を(社会的に)認めろ!みたいな主張をするのですが、製作者側は件の組織を笑いのネタにしながら、「いくら自由の国だからって、主張して良いことと悪いことがあるだろ!アメリカ人はそんな判断すらできなくなったのか」という社会批判をしたのだと思う(少なくともプチヲタはそう感じた)。

 こういった問題は当然ながら日本にもあって、プチヲタなどは「キチガイ」って言葉が差別語として公的な使用を禁じられていることに憤りを感じてたりするワケです。だって小学生を幾人も刺殺した宅間なんたらいう輩や、殺した少女の写真をその親に送るようなクソ野郎に、「キチガイ」以上に当てはまる言葉ってあります?しかも放送コードに至っては「気が狂った」って表現すら抵触するというのだから、筒井康隆が筆を折ろうとしたのもやんぬるかなですよ、ホントにもう・・・。

 んで、結局のところ「サウスパーク」というのはですね

「世界で一番強大で豊かな国の民のはずなのに、なんでアメリカ人は心の安静を求めてカウンセラーや麻薬に頼らなきゃならないんだろう?」
 そんな疑問を抱いた二人の若者(本作の製作者。製作開始当時は、たしかまだ20代だったはず)が、「自由」という名前の鎖でがんじがらめになっている社会に向かい、
「建前を捨てて、もうちょっと本音で話そうぜ!子供ン時みたいにさ!」 

 と言ってる物語だと思うワケなんですよ、プチヲタは・・・。
 分かってもらえます? 

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