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さらりさらりと…

五十路に入り来し方に懐かしさを求める最近ですが、気持ちは三十代(^^;。まだまだ人生これからです(^-^)!

神道について(2) ~となりのトトロ考~

2005年10月27日 11時34分47秒 | 独り言

久しぶりに「となりのトトロ」を鑑賞したのは、読んでいた神道の本に、
その場面が引用されていたからなんだ。

息子が小さい頃に大好きだったので、毎日3回は見せられていた(^^;。
話の筋はすっかりわかっているのに、終盤になるとお約束の涙ボロボロ(T_T)。
サツキが泣くシーンから、メイがおばあちゃんに抱きしめられるシーンまで。
どういうわけか、涙が止めどもなく出てきてしまう(^^;。

ところが、トトロを改めて見て、今まで見過ごしていた部分に気付かされた。
そう、随所随所に、神道のイメージが散らばっているんだ。

① 引越しのシーンで、トラックが通過する稲荷大明神
② メイが小トトロを追いかけて迷い込む、塚森の大楠木のしめ縄
③ 挨拶に行く水天宮の鳥居、石段、そして荒れた境内と祠
④ サツキとメイが雨宿りする道ばたのお地蔵さん
⑤ お父さんを待つ、バス停の前のお稲荷さん(①と同じ?)
⑥ 迷子になったメイが疲れ果てて座り込む、送電線の下の六地蔵

お地蔵さんは、正確には仏像だけれど、神仏習合によって、
村境を外敵(悪霊)から守る道祖神としての性格も与えられてきたらしい。

いずれにせよ、こうしたイメージは、日本独特のものであって、
風景の中に無意識に目に焼きついているために、
僕達の心に、ノスタルジーを感じさせるのかも知れない。

トトロは、しめ縄が施された大楠木(ご神木)に住んでいる塚森の主。
いわゆる「鎮守の杜」の主ということになるんだろうな。

サツキは、メイに「トトロって、絵本に出ていたトロルのこと?」と問うけれど、
北欧神話の「トロル」は「ドワーフ」のなれの果てとか。
顔は醜く、背中には大きなこぶがあり、腰まで垂れ下がるような鼻と長い牛の様な尾を持ち、
灰色の上着と赤いとんがり帽子を身につけているんだって。
…ありえない、ありえない
一説には、トトロの舞台のモデルとされる狭山丘陵が所沢に近いので、
「トコロザワ」→「トトロザワ」→「トトロ」となったというのもある。こっちを採用

日本人は、昔から村の守り神の住処として、鎮守の杜を大切にしてきたんだよね。
神様の住まいとしての祠が造られるようになったのは、仏教の影響らしいから、
もともとの神様は、トトロみたいに地面の中に住んでいたのかもしれない。
「杜=森」を大切にする日本人の心が、自然との調和を保つエコロジーを生んだ。

人間は、自然を支配する全権を、神から委譲されたとするのが西洋的思想。
旧約聖書の創世記が、その思想の源流になっている。
しかし、この思想が科学至上主義を生み、化石燃料を燃やし続け、
文明の発達と引き換えに、現在の地球の環境破壊を生んできたのである。

日本は今や西洋文明に漬かりきって、消費文明の先端を走ってしまっているが、
古の日本の心を大切にしていくことは、これからとても大切になる思う。

明治の後期、東洋と西洋の邂逅をテーマとして、日本を世界に紹介したのは、
小泉八雲こと、ラフカディオ・ハーンだ。
彼が、出雲大社を訪れたとき、松江から、宍道湖の湖上を船で渡った。
そのとき、この景色と風の中に息づいている「何か」を感じ取ったという。
やはり日本中の神様が集う場所と言われるだけに、何かがあるんだろう。

最近、難しい話題で、自分の首を絞めているような…(^^;。
ま、読書の秋だし、そんな時期があってもいいよね。
そうだ、バザーが終わったら、「トトロの森」を散策するピクニックでも企画してみようかな?


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