僕の塾人生の中で、最も幼い教え子が、毎週水曜日に来るRちゃんだ。
今は、皇族のお通いになる○○院の初等科の一年生。
幼稚科の年中の終わりからの付き合いなので、かれこれ1年9ヶ月になる。
すでに、小学校3年生の勉強が終わって…そんなに急いでどこへ行く?
目標は御三家!早く勉強を始めたからって、入れるものじゃないんだが…。
今日は、問題を解きながら、なぜかカニの話題に。
「カニなんか食べたことある?」(例によって迂闊な質問)
「うんっ、よく食べるよ。この間、かに…道…なんだっけ?」
「かに道○かい?」
「そうそう!そのお店で、ズワイの唐揚げ食べた。んまかった~っ♪」
「唐揚げ~?カニの~?そんなのあるんだ?なんかもったいないような…」
「え~っ、食べたことないの~?」
「茹でたのとか、焼いたのとかしかないよ~。唐揚げって、カニを丸ごと?」
「足にお肉がこうタップリついているところが唐揚げになってるんだ。」
「そうなんだ~~(クソ~、喰イテーナー、涎出テキヤガッタ)」
帰ってから調べてみたら、ズワイの唐揚げ2350円也。
たまに僕が行く、イタメシ屋の飲み放題つきコース、クーポン利用割引料金だ!
もちろん、Rちゃん家はお金持ち。
今年の夏休みは、家族で一週間のハワイ旅行!
先月行ったTDRでは、
二泊三日でホテルミラコスタ&ヒルトンホテルを梯子!!
ヒルトンでは、リビング、ダイニングつきの
えらく広い部屋にお泊まりだったらしい!!!
Rちゃんが図を描いて説明してくれたけれど、どうにも途中で嫌気が…。
だんだん笑えなくなってくるな、この話題。
でもね、どれだけ富が偏在しているのか…いい証左だと思わない?
我が家のカニは、カニカマ。ときどき、鍋にワタリガニが入ると大騒ぎッ。
2年前の夏、知人のつてで、蓼科の高級別荘にお世話になったことがある。
とても広くて、SECOMがついてて(^^;、我が本宅が物置小屋に感じられた。
この別荘の持ち主は、とある有名な工芸デザイナー。
近くのお友達の別荘にも呼ばれて、ワインパーティーとやらに参加したけれど、
大手○○新聞の常務、弁護士、医師とか、まあそれはセレブなこと!
たしかにワインは美味しかったけれど、ガチンガチンに肩が凝ってしまった。
僕の今の教え子達も、親はたいていセレブだから、別荘くらい持っているかな?
…と思って、そのとき中3だった、アリス(仮名)に聞いてみた。
「ねえねえ、アリスの家って、別荘とかあるわけ?」
「はい…ありますけど?」
やはりそうだろう。何しろお父さんは、お医者さま。
本人は、超お嬢さま学校の○百合女子学園にお通いになっている。
「やっぱり蓼科とか?それとも海の方?」
「あの~、蓼科と~、軽井沢と~
、伊豆と~
、
ハワイにあるんですけど~、
軽井沢のは~ちょっと傷みが激しいので、最近使ってないんです~。」
ううっ、別荘って、一家に一軒とは限らないのね。初めて知った。
「…軽井沢のでいいから、僕にちょうだい」
小声でこう言うのがやっと。もはや半泣き。
今まで深窓の令嬢という雰囲気の、おとなしくて可愛かった子が、
一気に、とお~~~い存在に感じられた瞬間だった。
今は受け持ちを外れたのだが、今年の夏はオーストラリア旅行だったとか。
同伴はいつも、お母様。もちろん彼氏などはいようはずがない。
いつも、温かい微笑を絶やさずに、のんびりとお勉強。
「何か質問はあるかな?」などと聞こうものなら、
「えっと~、…えっと~」と、ノートを1ページずつ繰りながら、探し始める。
「ちょっと、用を足してくるからね」と、教務室で社員達とバカ話をして戻ると、
アリスはさっきと同じペースで、「えっと~、…えっと~」とノート繰っている。
もちろん、この手の話は…他にもありますって!それでは、また後日~。
11月3日は、教え子Mの誕生日だった。11歳。そう、まだ小学5年生。
ところが、この子は、例のホワイトバンド騒動のお嬢さま。
去年のクリスマスには、サンタさんにPSP、お父さんに任天堂DSを頼んで、
ちゃっかり両方ともゲットしたつわものである。
好奇心から、恐る恐る「お誕生日のプレゼントは何だったの~?」と聞いてみた。
期待される答えは、「ぬいぐるみ」「ブランドのお洋服や靴」「ファンシーグッズ」。
果たして彼女の口から出た答えは…
帝国ホテルのおディナー♪
前菜は「鴨のフォア・グラのポワレ」
お魚料理は「オマール海老のキャロット仕立て」
メインは「乳飲み仔牛のココット焼きケレスヴィネガー風味」
「美味しかったよ~♪」
(あ…あたりまえじゃ!バカモン!このオデブ娘め!)
はああぁぁぁぁ、しかし、フォア・グラってのは、どんな味がするものなんだい?
だいたい僕なんぞ、フォアとグラの間に点が入るなんてことも知らなかったよ。
8日には、おじいちゃんが、秋の褒章とかで、皇居にお出かけだったとか。
こんな生徒は滅多にいないと、お思いでしょう。ところがどっこい!
この後に来た小6の生徒は、ちょっとオシャレ。ちなみに男の子。
うしろの髪を肩まで伸ばす予定だったのに、受験の写真撮影の時期になったため、
切らなくちゃならないらしく、しょげていた。
「また伸ばせばいいじゃないか」と慰めながら、「いつもどこで切ってるの?」
と、迂闊にも聞いてしまった(^^;。
「六本木ヒルズの美容院」
「い…いくらかかるの?」
「ま、5000円くらいかな」
(き…きさま~…僕なんて、僕なんて、自分で切ってるんだぞーっ!)
と叫びたくなったが、あまりにも惨めなのでやめといた。