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仙台POSSE(NPO法人POSSE仙台支部)活動報告

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東北医療器械事件の第四回弁論【7月16日(水)】の傍聴のお願いについて

2014-07-06 14:45:35 | 活動報告(裁判)

 昨年末に始まった、全国初のブラック企業に対する集団提訴である、東北医療器械事件の第四回弁論を仙台地方裁判所で行います。
 皆様のご支援もあり、第四回弁論からはより大きな法廷での開催が決まり、今回はより多くの方に傍聴していただくことが可能になりましたので、ぜひご参加いただけたらと思います。

(日時)7月16日(水)16時~(17時頃まで)

(場所)仙台地方裁判所308号法廷

 

(当日スケジュール)
15時30分~ 事前集会 at.三角公園(仙台地裁前)
16時~    弁論   at.仙台地裁308号室
17時~    報告集会 at.戦災復興記念館 4階研修室

(事件の概要)
 
この裁判は、仙台や松島などのホテルや旅館にセラピスト(エステ・マッサージ)を派遣する東北医療器械(現:REジャパン)に勤務していた20代の男女6人が、同社と取締役15人を相手取り、未払い残業代と精神的苦痛に対する損害賠償など計約3658万円を求めて仙台地裁に提訴したというものです。

 2013年の3月に仙台POSSEで開催した「仙台・宮城 若者のためのブラック企業相談ホットライン」で初めて相談者が来たことをきっかけに、次々とこの会社の従業員が相談に来ました。約半年間の準備を経て、仙台POSSEとブラック企業対策仙台弁護団が支援する形で集団訴訟を開始しました。

 事件の詳細については、仙台POSSEブログ記事:「1月17日(金)仙台地裁でブラック企業に対する裁判が始まりました!」をご覧ください。

(支援の輪の広がり)
 
これまで、毎回30人を超える傍聴者の方に訪れていただいています。宮城県内の大学や大学院に通っている学生さんや、原告の方と同じようにブラック企業で働いていて悩んでいる方、何らかの支援活動に関わっている方など、多くの方が応援や勉強のために、裁判の傍聴にいらしています。

 初めての方でも、裁判の内容や意義が理解できるように、事前集会や報告集会を開催して、原告の方々や弁護士の方から説明をいただいておりますので、これまで裁判や裁判所には縁がなかったという方も、ぜひお気軽に足を運んでみてくだい。

 

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(事件に関する参考資料)
【損賠訴訟:「ブラック企業」と提訴 男女6人、仙台の会社に賠償求め /宮城】(毎日新聞 2013年11月16日)

http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20131116ddlk04040247000c.html

仙台市青葉区中央2の健康器具販売業「REジャパン」に勤務していた20代の男女6人が、同社と取締役15人を相手取り、未払い残業代と精神的苦痛に対する損害賠償など計約3658万円を求めて仙台地裁に提訴した。原告側代理人の菊地修弁護士は「過酷な労働環境で若者を使い捨てにする『ブラック企業』に焦点を当てた集団提訴は、全国初めて」とする。

訴状などによると、6人は2010~12年に入社し、マッサージ師として東北の温泉旅館に派遣されていた。だが求人票と異なり正社員ではなく個人事業主扱いの外交員で、社会保険はなかった。労働時間は1日12時間だったが、時間外労働に対する割増賃金は払われていないという。また毎日の朝礼において、売り上げが低い社員を怒鳴るなどの「パワハラ」があり、自腹で売り上げを計上する社員もいたという。これらにより、10年に入社した約60人全員がすでに退職した。

原告の女性(23)は「やりたい仕事だったが、朝礼でのパワハラのような叱責がつらかった。新卒学生に同じ思いをしてほしくない。全国でブラック企業と戦う人の背中を押したいと提訴を決意した」と話す。

同社は、雇用調整助成金の不正受給で社長が逮捕されて経営破綻。事業は他社に譲渡された。【山越峰一郎】


【[宮城] エステティックサロン経営(株)REジャパン】(東京商工リサーチ 2013年10月25日)
http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20131025_01.html

健康用機械器具およびマッサージチェアの販売を目的として設立、昭和56年1月に(株)東北医療器械に商号を変更し、温泉旅館やホテルの一角を利用しての催事販売を主力としていた。

平成9年にグループ会社であった(株)東部アルビを吸収合併して以降は、東北地区に加え北海道地区も営業エリアに加え、業容を拡大した。

また、11年からはリゾートホテル向けのエステティックサロン業に参入。21年12月期には決算期変更に伴い11カ月の変則決算ながら、ピークとなる約30億円の売上高を計上した。

東日本大震災の影響などから一時売上はダウンしたが、関東地区や北陸地区へ営業エリアを拡大し、24年12月期は売上高約29億円、当期利益5200万円を計上していた。

ところが、25年7月に前社長の木村かほる氏と取締役だった小西玲子氏が、雇用調整助成金824万円を宮城県労働局から不正受給したとして逮捕。さらに、所得税法違反容疑で再逮捕された。

その後、(株)REジャパンに商号を変更したうえ、代表者を交代し企業イメージの払拭を図ったが、一連の事件を境に業績悪化が顕著となり事業の見通しが立たなくなった。

このため、エステティックサロン事業および従業員の一部をシダックスビューティーケアマネジメント(株)へ譲渡し、今回の措置となった。

 

 


東北医療器械(REジャパン)事件・第3回弁論の報告

2014-05-23 15:03:27 | 活動報告(裁判)

【POSSEスタッフからの報告】

先日5月20日、第3回弁論が行われましたので、報告したいと思います。

 今回の弁論も、多くの方々(約30名)が傍聴に駆けつけてくださいました。今回割り当てられた法廷では傍聴席が足りず、裁判開始前には立ち見が出るほどでした。残念ながら立ち見は許可されず、全員が裁判を傍聴することはできませんでしたが、次回からはより大きい法廷に移ることが決まりました。

 また、今回から担当の裁判官が変更になりました。新しい裁判官にもブラック企業の問題点と、それを争う本裁判の意義を伝えるため、弁護団団長の菊池弁護士から意見陳述がなされました。本裁判の重要性が、傍聴席があふれるほどの注目度の高さと合わせて、裁判官にも理解してもらえたと思います。

 弁論終了後の報告集会でも、今回の一番の成果は、裁判の舞台をより大きい法廷に移せたことだという話になりました。これは、原告や弁護団の方々の頑張りに加えて、傍聴席を埋め尽くした支援者の力によって成し遂げられたものです。
 支援者の多くは、地元の学生やブラック企業で働く当事者らの若者です。この裁判を原告だけでなく自分たち自身の問題として捉え、一丸となって戦っていくことの大切さを実感できる1日となりました。

 次回弁論は、7月16日(水)16:00より、仙台地方裁判所308号法廷にて、行われます。法廷も大きくなりましたので、さらに多くの方に傍聴に来ていただけたらと思います。
この裁判に関心のある方は、ぜひ仙台POSSEまでご連絡ください。


【原告(20代女性)からの報告】

先日、第3回弁論が行われました。

 今回も裁判所の都合で法廷は小さなところでしたが、法廷を溢れるくらいの傍聴者にお集まりいただき裁判官にも良いアピールができました。特に学生の子が多く嬉しく思いました。お陰様で次回は大きな法廷に変えていただけました。

 たくさんの方に支えられてると、改めて実感いたしました。こんなにたくさんの方に支えていただき、私はなにかお返しはできているのだろうかと感じることがあります。なにかをすることはできないかもしれませんが、私ができることはずっと前をみて自分が信じた道を進んでいくことだと思っております。

 私たち原告が自信をもって進んでいかなければ誰もついてきてくれなかったのではないかと思います。私にできることは、これから社会で働く子たちに同じ思いをさせない、同じ被害に遭われてる方々の励みになりたい、これらのことに信念を持って活動することだと思います。

 これからも応援よろしくお願い致します。

 

【事件の参考資料】


〔損賠訴訟:「ブラック企業」と提訴 男女6人、仙台の会社に賠償求め /宮城〕(毎日新聞 2013年11月16日)
http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20131116ddlk04040247000c.html

仙台市青葉区中央2の健康器具販売業「REジャパン」に勤務していた20代の男女6人が、同社と取締役15人を相手取り、未払い残業代と精神的苦痛に対する損害賠償など計約3658万円を求めて仙台地裁に提訴した。原告側代理人の菊地修弁護士は「過酷な労働環境で若者を使い捨てにする『ブラック企業』に焦点を当てた集団提訴は、全国初めて」とする。

訴状などによると、6人は2010~12年に入社し、マッサージ師として東北の温泉旅館に派遣されていた。だが求人票と異なり正社員ではなく個人事業主扱いの外交員で、社会保険はなかった。労働時間は1日12時間だったが、時間外労働に対する割増賃金は払われていないという。また毎日の朝礼において、売り上げが低い社員を怒鳴るなどの「パワハラ」があり、自腹で売り上げを計上する社員もいたという。これらにより、10年に入社した約60人全員がすでに退職した。

原告の女性(23)は「やりたい仕事だったが、朝礼でのパワハラのような叱責がつらかった。新卒学生に同じ思いをしてほしくない。全国でブラック企業と戦う人の背中を押したいと提訴を決意した」と話す。

同社は、雇用調整助成金の不正受給で社長が逮捕されて経営破綻。事業は他社に譲渡された。【山越峰一郎】


〔[宮城] エステティックサロン経営(株)REジャパン〕(東京商工リサーチ 2013年10月25日)
http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20131025_01.html

健康用機械器具およびマッサージチェアの販売を目的として設立、昭和56年1月に(株)東北医療器械に商号を変更し、温泉旅館やホテルの一角を利用しての催事販売を主力としていた。

平成9年にグループ会社であった(株)東部アルビを吸収合併して以降は、東北地区に加え北海道地区も営業エリアに加え、業容を拡大した。

また、11年からはリゾートホテル向けのエステティックサロン業に参入。21年12月期には決算期変更に伴い11カ月の変則決算ながら、ピークとなる約30億円の売上高を計上した。

東日本大震災の影響などから一時売上はダウンしたが、関東地区や北陸地区へ営業エリアを拡大し、24年12月期は売上高約29億円、当期利益5200万円を計上していた。

ところが、25年7月に前社長の木村かほる氏と取締役だった小西玲子氏が、雇用調整助成金824万円を宮城県労働局から不正受給したとして逮捕。さらに、所得税法違反容疑で再逮捕された。

その後、(株)REジャパンに商号を変更したうえ、代表者を交代し企業イメージの払拭を図ったが、一連の事件を境に業績悪化が顕著となり事業の見通しが立たなくなった。

このため、エステティックサロン事業および従業員の一部をシダックスビューティーケアマネジメント(株)へ譲渡し、今回の措置となった。

 

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NPO法人POSSE仙台支部

法人代表:今野晴貴

所在地:宮城県仙台市青葉区本町1-14-20 キクタビル6階

TEL:022-302-3349

FAX:022-302-3239

Email:sendai@npoposse.jp

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東北医療器械(REジャパン)事件・第2回弁論(3月11日)の報告

2014-04-09 09:35:45 | 活動報告(裁判)

【東北医療事件の原告(20代女性)より】

先日3月11日に第2回弁論を終えました。

内容としては原告、弁護士さんの意見陳述でした。

相手側の弁護士の方々も来ていて、やっと裁判らしくなってきたなと感じております。

法廷からあふれるほど傍聴者に集まっていただけました。中でも私たち同様に悩んでいる方、これから闘おうとしている方に来ていただけたのはとてもすごいことだと思います。

私たち原告がこの裁判を行う意味として、同じ様に悩んでいる方に勇気を与えられたらいいなという気持ちがありました。

POSSEや支援者の方々のお声掛けにより、他の会社で被害に遭っている当事者の方の方に来ていただけたのは、大きな意味があると思います。

ここでの繋がりが大きくなったら、仙台だけにとどまらず本当に社会の問題として捉えてもらえると思います。

裁判を進めていく中で勝利を勝ち取ることは私たち原告の問題ですが、私たちだけの問題にしたくないのです。

全国初めての裁判として判例をつくり、同じ悩みを抱えている方の力になりたいのです。

第3回、第4回と長い闘いは続きます。たくさんの方に来ていただけるように頑張ります。

次回弁論は仙台地裁307法廷にて、5月20日(火)13時半~です

お時間ありましたら是非お越しいただければと思います。

 

仙台POSSEの青木です。

今回の弁論の傍聴には、傍聴席の数をはるかに越える人数が集まりました。

地元の東北学院大学・東北大学の学生やブラック企業で働く当事者など、若者を中心に支援の輪が広がってきています。

ブラック企業で働く当事者の方は、地元仙台から3人、東京から1人が参加しました。

弁論終了後には原告と、他のブラック企業で働く当事者の交流会も行いました。

「私たちも裁判をやりたい!」「会社と争うイメージが少し膨らんだ。」といった感想を話していました。

今回の裁判の傍聴に来た4人全員が、今後、会社と争っていく決意を固めています。

この裁判闘争・裁判支援を通じて、ブラック企業を許さない若手弁護士、支援者、地元の大学生、ブラック企業で働く当事者のネットワークを作り、仙台から全国へと取り組みを広げていきたいと考えています。

この裁判に関心のある方は、ぜひ仙台POSSEまでご連絡ください。

学生の方も、社会人の方も歓迎です。

 

以下、事件の参考資料


【損賠訴訟:「ブラック企業」と提訴 男女6人、仙台の会社に賠償求め /宮城】(毎日新聞 2013年11月16日)
http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20131116ddlk04040247000c.html

仙台市青葉区中央2の健康器具販売業「REジャパン」に勤務していた20代の男女6人が、同社と取締役15人を相手取り、未払い残業代と精神的苦痛に対する損害賠償など計約3658万円を求めて仙台地裁に提訴した。原告側代理人の菊地修弁護士は「過酷な労働環境で若者を使い捨てにする『ブラック企業』に焦点を当てた集団提訴は、全国初めて」とする。

訴状などによると、6人は2010~12年に入社し、マッサージ師として東北の温泉旅館に派遣されていた。だが求人票と異なり正社員ではなく個人事業主扱いの外交員で、社会保険はなかった。労働時間は1日12時間だったが、時間外労働に対する割増賃金は払われていないという。また毎日の朝礼において、売り上げが低い社員を怒鳴るなどの「パワハラ」があり、自腹で売り上げを計上する社員もいたという。これらにより、10年に入社した約60人全員がすでに退職した。

原告の女性(23)は「やりたい仕事だったが、朝礼でのパワハラのような叱責がつらかった。新卒学生に同じ思いをしてほしくない。全国でブラック企業と戦う人の背中を押したいと提訴を決意した」と話す。

同社は、雇用調整助成金の不正受給で社長が逮捕されて経営破綻。事業は他社に譲渡された。【山越峰一郎】


【[宮城] エステティックサロン経営(株)REジャパン】(東京商工リサーチ 2013年10月25日)
http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20131025_01.html

健康用機械器具およびマッサージチェアの販売を目的として設立、昭和56年1月に(株)東北医療器械に商号を変更し、温泉旅館やホテルの一角を利用しての催事販売を主力としていた。

平成9年にグループ会社であった(株)東部アルビを吸収合併して以降は、東北地区に加え北海道地区も営業エリアに加え、業容を拡大した。

また、11年からはリゾートホテル向けのエステティックサロン業に参入。21年12月期には決算期変更に伴い11カ月の変則決算ながら、ピークとなる約30億円の売上高を計上した。

東日本大震災の影響などから一時売上はダウンしたが、関東地区や北陸地区へ営業エリアを拡大し、24年12月期は売上高約29億円、当期利益5200万円を計上していた。

ところが、25年7月に前社長の木村かほる氏と取締役だった小西玲子氏が、雇用調整助成金824万円を宮城県労働局から不正受給したとして逮捕。さらに、所得税法違反容疑で再逮捕された。

その後、(株)REジャパンに商号を変更したうえ、代表者を交代し企業イメージの払拭を図ったが、一連の事件を境に業績悪化が顕著となり事業の見通しが立たなくなった。

このため、エステティックサロン事業および従業員の一部をシダックスビューティーケアマネジメント(株)へ譲渡し、今回の措置となった。

 

 

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東北医療器械事件の第二回弁論の傍聴のお願いについて

2014-02-26 23:51:02 | 活動報告(裁判)

  昨年末に始まった、全国初のブラック企業に対する集団提訴である東北医療器械事件の第二回弁論を仙台地方裁判所で行いますので、ぜひ傍聴にお越しいただけたらと思います。

 

(日時)2014311日(火) 13時半~

(場所)仙台地方裁判所307法廷

 

 この裁判は仙台や松島などのホテルや旅館にセラピスト(エステ・マッサージ)を派遣する東北医療器械(現:REジャパン)に勤務していた20代の男女6人が、同社と取締役15人を相手取り、未払い残業代と精神的苦痛に対する損害賠償など計約3658万円を求めて仙台地裁に提訴したというものです(詳しくは先日掲載のブログをご覧ください。http://blog.goo.ne.jp/sendai-posse/e/36f3ebc86531984482f3ed723231c614)。

 

 この裁判の訴状においては、被告をブラック企業の典型とし、長時間労働を初めとした使い捨てを前提とする労務管理によって、原告らが「新規学卒者としての雇用機会を台無しにされ、専門学校で身につけたスキルやそのためのコストを無為にした」ことの責任を法的に追及する、という構成となっています。若者を使いつぶすことを前提にした労務管理の是非を問うという意味において、全国初の裁判であり、この裁判で企業や経営者に対して責任を取らせる判決が出れば、現在社会問題となっているブラック企業に対して「NO」をつきつける法的な根拠になります。このような大きな社会的意義がある裁判なのです。

 

 今回の裁判を勝利に導くためにも、ぜひ多くの方に裁判傍聴にお越しいただき、ブラック企業問題への社会的な関心の高さを裁判官にも伝えていきたいと考えております。当日は、原告の一人が、ブラック企業での苦しかった経験や裁判にかける思いなどを法廷で話しますので、多くの方に応援にお越しいただけると心強いです。

 

 また、ブラック企業で働いている方々にとって、こうした裁判はブラック企業の被害に対して責任を取らせるための一つの選択肢といえます。「自分もブラック企業で働いているが使いつぶされそう」「家族や友人がブラック企業に勤めていて大変そうだ」などと感じてらっしゃる方も、ぜひ一度見に来てみてはいかがでしょうか。実際にブラック企業に対して行動を起こした原告の方々と話してみることで、自分の問題の解決の糸口になるかもしれません。

 

 以下は、原告からのメッセージになります。

 

いつも皆様に支えていただき大変感謝しております。

私たち原告は、この裁判を私たちだけの問題にしたくないという気持ちがあります。

たしかに裁判で勝利を勝ち取るという意味では私たちの問題であり、戦いであります。

しかしこの裁判の意味である労働者の大切さや、労働者の在り方を改めさせたい思いがあります。

この裁判を通し、私たちと同じ様に悩んでいる方や、戦おうとしている方々の力になり、励みになりたいと思っております。

そこでまた皆様に頼ってしまうのですが、皆様のまわりで私たちと同じ様に悩んでいる方がいらっしゃいましたらぜひ傍聴に誘っていただけたらと思います。この輪が広がったら私たちだけの問題ではなく、本当に世の中の問題として捉えてもらえる大きな力になると思います。

次回は3月11日ということもあるので、第3回、第4回とたくさんの相談者の方に傍聴していただきたいと思います。

皆様のお力添え宜しくお願い致します。

 

 私たち仙台POSSEはこの裁判で勝利を得るため、原告の方々や弁護団の方々と共にこれからも頑張っていきたいと思います。この裁判に興味がある方は是非期日に裁判所へお越しください。

 

 

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法人代表:今野晴貴

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1月17日(金)仙台地裁でブラック企業に対する裁判が始まりました!

2014-01-19 16:39:04 | 活動報告(裁判)

ブラック企業に対する裁判が始まりました!

 

○東北医療器械事件

1月17日、東北医療器械事件の第一回弁論がありました。この裁判は仙台や松島などのホテルや旅館にセラピスト(エステ・マッサージ)を派遣する東北医療器械(現:REジャパン)に勤務していた20代の男女6人が、同社と取締役15人を相手取り、未払い残業代と精神的苦痛に対する損害賠償など計約3658万円を求めて仙台地裁に提訴した(提訴の時の記事はこちら:http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20131116ddlk04040247000c.html)、というものです。

2013年の3月に仙台POSSEで開催した「仙台・宮城 若者のためのブラック企業相談ホットライン」で初めて相談者が来たことをきっかけに、次々とこの会社の従業員が相談に来ました。約半年間の準備を経て、仙台POSSEとブラック企業対策仙台弁護団が支援する形で集団訴訟を開始しました。

 

○事案の内容と労働実態

原告の方々は皆、専門学校を卒業後この会社に入社しました。学校に来ていた求人には、雇用形態は正社員で、賞与は年2回、昇給も年1回で社会保険有、労働時間は16時~23時15分(所定労働7時間)といった労働条件が記載されており、賃金の額も専門学校生が新卒でもらえる金額の中では比較的多めでした。原告の方々は専門学校で勉強してきた技術を活かして、安定して働けるという期待を胸に入社しましたが、実態は全く違いました。

 

①    求人とはかけ離れた実際の労働条件

正社員として入社したはずなのに、実際は「外交員」という個人事業主扱いであり、そのため社会保険にも加入させてくれませんでした。賞与も昇給もなく、手当などもほとんどないため、年金保険料や所得税などを支払えない人もいました。

 

②    長時間労働と残業代未払い

労働時間も13時25分に勤務を開始して、終業は早くて24時頃、遅いときには26時前までと長時間にわたるものでした。ミーティングのため12時に出社したり、他県などに派遣されたときは自宅に帰るのが深夜3時になった日もありました。休みも月6日しかなく、病院に行けず悩んでいた人もいました。また、残業代に関しては一切支払ってもらえず、年間100万以上の未払いがありました。年次有給休暇については「入社後1年3か月以降にならないと取得できない」、「日数も1年間で5日までに限られる」などと虚偽の説明を受け(法律的には最低でも半年で10日は取得できる)、必要な日数の取得はできませんでした。

 

③    パワハラと覆面調査

元々ノルマは無いと言われていましたが、達成するのが困難な目標が設定されており、達成できなかったり、1日の売り上げがゼロだったりすると自腹を切り、1円でも多くの売り上げを作らせるという暗黙の了解がありました。それを実行させるために朝礼ではパワハラが頻繁に行われていました。売り上げが悪い人に対してそのことを問い詰め、「ロープレ(ロールプレイングの略)をしてください」と会社が作成したマニュアルを暗唱するよう言われ、一字でも間違えるとやり直しをさせられます。「今日の売り上げ目標は?」「目標金額を超えないと帰らないつもりでいてください」と言われることもありました。また、スタッフとは別の会社の親族などが客を装って施術を受けに来て、従業員の働きぶりを監視するという覆面調査も行われていました。よくできた時の報告はされず、あらさがしのような結果だけを報告され、それについて朝礼で集中攻撃を受ける、というようなことも行われていました。この朝礼では泣かされる人もいましたし、メンタルヘルスに不調をきたす人もでていました。

 

④    耐え切れなくなるまで働かされる

辞職は3か月前に伝えるように指導されており(その後6か月前に変更)、また辞めたい旨を伝えると慰留のために勝手に昇進させてきて(昇進といっても形式だけで、待遇は改善しなかった)、辞めづらくさせる仕組みがありました。また、それらを振り切って辞めようとすれば、「協力、フリー」と称して左遷(福島や一人体制の旅館に派遣)され、仕方なくバックれるようにしていなくなれば、最終月の給料を支払はないというような嫌がらせをされます。また会社は離職手続きを取らないため、ほとんどの人が雇用保険も受給できませんでした。辞めた後の生活が不安なためなかなか辞められないという状況がありました。

 

以上のような労働実態があり、この会社では新卒が毎年次々と辞めていきます。平成22年入社の新卒(約60名)は約3年で全員が離職を余儀なくされています。しかし、会社は労働条件を改善しようとはせず、毎年大量に新卒を採用し(仙台支店では1年に30~40人採用)、使い捨てにすることで利益を上げ続けていました。それらの状況に対して怒りを持った原告らが、自分たちの損害を回復することに加え、「これから入る新卒学生に同じ思いをしてほしくない」「全国でブラック企業と戦う人の背中を押したい」という思いで裁判を起こしました。

 

 

○裁判の社会的意義

この裁判の訴状において、被告の(株)東北医療器械は「新規学卒者を正社員として大量に採用し、違法な労働条件で働かせ、身体や人格が壊れるまで使いつぶす」ブラック企業の典型であるとしたうえで、被告による長時間労働を初めとした使い捨てを前提とする労務管理によって、原告らが「新規学卒者としての雇用機会を台無しにされ、専門学校で身につけたスキルやそのためのコストを無為にした」ことの責任を法的に追及する構成となっています。若者を使いつぶすことを前提にした労務管理の是非を問うという意味において、全国初の裁判であり、この裁判で企業や経営者に対して責任を取らせる判決が出れば、現在社会問題となっているブラック企業に対して「NO」をつきつける法的な根拠になります。

 

○裁判当日の様子

当日はブラック企業問題に関心がある学生や教員など合わせて約30名の傍聴者が集まり、裁判所の傍聴席はほぼ満員でした。原告の一人(20代女性)は意見陳述の中で、自分たちが受けてきた被害のつらさや、これから入社する新卒の方々のためにも本当に夢や希望を持てる労働環境を望むということを強く主張しました。報告集会は、原告・弁護士・支援者(過労死遺族の会の方、労組の方、労働NPO)・記者・他の当事者・多数の学生・原告の親御さんが集まり、活発な意見交換や原告への激励がありました。裁判はメディアからも注目を浴びており、第一回弁論の前日には「使い捨てだった 「ブラック企業」あす初弁論」(朝日新聞 宮城版2014年1月16日)が掲載され、第一回弁論の翌日には朝日新聞や河北新報で取り上げられました。このように、社会的にも大きく注目される裁判になっています。

 

○次回日程

 

2014年3月11日 13時半 仙台地方裁判所307法廷

 

私たち仙台POSSEはこの裁判で勝利を得るため、原告の方々や弁護団の方々と共にこれからも頑張っていきたいと思います。この裁判に興味がある方は是非期日に裁判所へお越しください。

 

○メディア記事

 

・朝日新聞「使い捨てだった 「ブラック企業」あす初弁論」2014/01/16

 


・朝日新聞「被告側、棄却求める 元従業員賃金請求「ブラック企業」訴訟」2014/01/18

・河北新報「過酷労働訴訟 会社側 争う姿勢」2014/01/18

 




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仙台POSSEでは、この度の東日本大震災における被災者支援・復興支援ボランティアを募集しています。ボランティアに参加したいという方は、下記までお問い合わせください。

NPO法人POSSE仙台支部
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