しっとりした歌もの並ぶ
日本のヒップホップの先駆けとして1980年代から活躍する藤原ヒロシ=写真=が、新作「manners」(ソニー・アソシエイテッド)を出した。
DJ、プロデューサーなどとして、日本のクラブシーンを先導してきたが、「最先端は、僕にはもう見つけられないですね。それが本当にないのか、あるけど年を取って気づかないだけなのかは、分からないですけど、最先端と言われるものも、何かのリサイクルという感じがします」。本作は自身の作詞・作曲による、しっとりとした雰囲気の歌ものが並ぶ。
以前から古井戸など1970年代のフォークを聴いていたという。アコースティックライブを行ううち、真心ブラザーズのYO-KINGとユニット「AOEQ」を結成。彼の作詞法から多くを学んだ。「歌い手の本当の気持ちを伝えるものが歌詞だと思い込んでいたんですが、他人の話でもいいし、読んだ本の主人公になりきって書いてもいいんだと分かった」
「僕らは 帝国主義や 修正主義には 騙(だま)されない」と歌う「1978」は、長らく鎖国状態にあった欧州のアルバニアについての本から影響を受けた。異国の話だが、政府と国民という観点に立てば、テーマは日本にも通じる。「嘘(うそ)をつかず 君の考えてることを全部話してくれ」と訴えるのは「stasi」。タイトルは旧東独の秘密警察を意味する。「日本語だとテーマになりにくいから、面白いと思って」。ユニークな歌詞で、ラブソングにも聞こえる。巧みな言葉遣いで聴き手の想像力を刺激する作品だ。Yaff.showAffTag({'disp':'li','iseven':'','irakuten':'','w':'','t':'','a':'','m':'','p':'','seven':'','rakuten':'','isbn':'B00ED7VAP0'});
(2013年11月7日
読売新聞)
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