≪フィギュアに魅せられた仏師の青年≫
火事で失った父親の後を継ぎ、仏像を彫る仏師を目指して修行中の青年・奈良崎玄造が、幼なじみの少女につれられ行った先がフィギュアの祭典ワンダーフェスティバル。
仏像とはまるで違ったアニメや漫画のフィギュアに、自分の目指すものとは違うと感じた玄造だったが、そこで出合った１体のフィギュアが彼の人生を変える。
人を救う仏像も、欲望のかたまりのようなフィギュアも、誰かを幸せにしたくて作られた点は同じ。
そんな真理を抱きつつ、両極端の表現に取り組む玄造の苦闘ぶりが楽しい。
フィギュア業界の秘密も分かる。
作者は小野洋一郎。
講談社、５７０円。
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