日々徒然 正和流

岡山で体術、居合術、気功術を修練しています。
http://seiwaryu.wixsite.com/seiwaryu

古術の事

2016-03-12 21:45:26 | 日記
靖国演武 備州福光派古術


古術の事。

福光派古術は福岡の地、豊前にて400年16代にわたって伝承されて来た古武術。
関ヶ原で負け御家再興のために落ち延びたのだとか。
独自の武術を男系で繋いで現代に至る。
(深い話はたくさん聞いていますが文章にするには膨大過ぎてかなり端折らせて頂きました。)

2008年から第16代守人(宗家)の福光先生から学ぶようになって既に8年目。
一向に腕が上がらないのが心苦しい限りですが、当道場では古術は夏の風物詩になっています。
今後も学び続けたいと思っています。

福光先生からは備中、備前での活動はすべて任せるとのお言葉を頂いておりますゆえ勝手気ままにやらせて頂いています。
福光先生のご好意に感謝です。

今年は備州(備中・備前の総称)のメンバーで靖国神社での演武もさせて頂きました。
おそらく国際的な公の場での演武は古術の歴史の中でも門外不出の時代が長かったゆえ初めての事。
僭越ながら道を切り開きましたので豊前にても時間の問題でしょう。
靖国、あるいはそれに勝るとも劣らない場で世の中の認知を広く受ける日も来るでしょう。

もっとも古術は世の中に広く普及する野望は無く家伝の芸として選ばれた者が守るべきものは断じて守りつつ、代えても良い部分は現実に適応させながら、次世代に繋いでいければそれで良しとする気風あり。

武家の武術ではありませんが代々の伝承にはすこぶる腕の立つ達人もいたようです。
話に聞くと先代、先々代も大した方だったとか。
先々代はせむし男のように背中の筋肉が盛り上がったフィジカルの強さが尋常では無かったらしいです。

先代はまたタイプが違い、時代小説にでも出てくるように殺気が読める方だったそうです。
満州などで暴漢に襲われる事が少なからずあったそうですが、殺気をちらつかせている相手は予め殺気が放たれているのが見て取れるので遅れを取る心配は全くなかったようです。

難しいのはプロの殺し屋。
彼らは殺気を放たずに近づいて来ていきなりズブっと来るのでやっかいだったとか。
それでも先代は襲われる刹那に発せられる殺気を、バチッとした光りとして感受出来たそうで難無く制したようです。

私はこういう話が好きでとても印象に残っていますし、古術にホレ込む部分でもあります。

現代の格闘技には無い超越した感性の世界。
命のやり取りがあり得る時代だからこそ人の感性も研ぎ澄まされていたのでしょう。
信じるか信じないかはそれぞれですが私は信じる側です。
人間にはそういう能力が備わっていると思っています。

自分のような凡人には手の届きそうもない絶望的とも言える達人たちの世界。
このような超越した感性を持たないで特定のルールの中で格闘技の猛者と戦えば部が悪いのが現実と言って良いかもしれません。
しかし私は達人の世界を信じるゆえに古武術としての福光派古術にも惚れ込んでいます。

達人のいる世界に一歩でも近づきたいものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする