晴嵐改の生存確認ブログ

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず

台湾独立を阻止しようとする中国への疑問

2004年12月30日 | 時事
「反分裂法」案を採択 中国、台湾へ圧力強化 (共同通信) - goo ニュース
台湾独立阻止へ 中国が「反国家分裂法」案採択(産経新聞)

正直に言って、中国の台湾に対する態度は全く理解できません。
建国以来、中国はただの一度たりとも台湾を実効支配下に置いたことがありません。にもかかわらず、台湾は中国の一部であると声高に主張し、台湾が独立を宣言するなら、それを阻止するために武力行使も辞さないと恫喝を繰り返しています。
ですが、台湾に対して武力行使を行って独立を阻止したとしても、中国が得るものなど何も無いはずです。領土は少し広がるかもしれません。ですが、国際的な評価は低下し、中国の経済的発展を阻害するなどといったデメリットの方が多いと思います。むしろ、台湾を独立させて、対等な政治的、経済的パートナーシップを築いた方が良いように感じられるくらいです。

台湾独立を断固阻止しようという中国政府の姿勢は、台湾独立が引き起こすであろう、中国国内の分裂を恐れるところから来ているのでしょう(だからこそ「反国家分裂法」なのでしょうし)。サッカーのアジア杯における中国サポーターの反日的行動の盛り上がりを中国政府がコントロールできなかった(しなかった?)ということも、中国政府の分裂への危機感を間接的に裏付けている……そう捉えると、少し穿ちすぎでしょうか。
中国の歴史は、古来より、分裂と統一の繰り返しでした。今は、統一の時代です。ということは、その時期はともかく、やがて分裂の時代が来ることを示唆しているとも言えましょう。
急速な市場経済化は、中国に経済的繁栄をもたらしましたが、その一方で社会に歪みをもたらしている――とも言われます。
十二億の人口を抱える中国は、ひとつの国家としては巨大すぎるのではないでしょうか。そんな気もします。幾つかに分裂(分割)した方が、むしろ好ましいのではないかとさえ思えるときもあります。
しかし、中国が自らそのような国家分割という政策を選択することはあり得ないでしょう。

分裂の可能性を内包しつつ、それを抑え込むために台湾や日本に対して強硬な外交態度をとり続け、軍事力の増強に力を注ぐ。そうした中国の有り様が、いずれ東アジアの平和と安定に悪影響をもたらすことになるのではないか。そう懸念せざるを得ません。
勿論、その心配が杞憂であってくれればよいとは思っていますけれど……。

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