清野幸輝/Photo日記

徒然なるままに撮り歩いた、「水の景」「花の景」.......

●心癒される絵封筒(便りが待ち遠しい)

2012-07-03 20:56:48 | パーキンソン病

  

 

 

 札幌市中央区に画家でデザイナーのTさんが活躍している。彼はパーキンソン病(PD)で、発症してから久しい。手足の筋肉が固縮し、体全体のバランスが悪く、かなりの歩行障害をともない、時には転倒を余儀なくされる。しかし、彼は極めて明るい。不自由な体をものともせず釣り船に乗ったり、作品作り(絵画)に向けてのスケッチ旅行に出かけたりする。

 彼は2008年、今までに描き続けてきた作品を個展という形で発表した。彼のギャラリーには一般の人は勿論、彼がPDであることを知った多くの難病患者が駆けつけ激励し、その作品に感動した。彼の作品は観る人の心にほのぼのとした灯明を灯し安らぎを与える。じっと観ていると過去の自分が走馬灯のように駆け巡り、遠い少年の時まで連れ戻してくれる。何とも心安らぐ気持ち良い時間が流れその場から立ち去り難い気持ちになる。彼の作品にはそんな不思議な魅力がある。

 この個展で多くの人は彼の作品に魅了されると同時にPDなのにここまで出来るという事実に感激した。彼は個展に駆け付けたPDの仲間や難病の仲間とその家族に交流会を呼びかけた。以来4年目に入るが月1回の交流会は絶え間なく続いている。毎回15名程の参加で、春はお花見、夏はイチゴ狩り、秋は焼き芋大会などを札幌やその近郊で行っている。時には白老のアイヌコタン、倶知安の「冒険家族」、石狩市の望来海岸まで足を延ばすこともある。毎回、美味い昼飯を食べながら話すことが楽しい。同じPDの仲間同士ということもあって気兼ねなく話すことがこの上なく爽快だ。話の内容は、PD故の悩み、体調のこと、薬のこと、自らの体験談等など。最近は海外旅行の話も出ているから凄い。話している中で、仲間たちからいろいろなことを学ぶことができる。そして、凄いのは互いが大きな勇気とやる気を貰うことが出来るのだ。その交流会が今年から「P’S倶楽部」という名称を決め、規約などを定め組織的にも明確なものとして新たな第1歩をあゆみ出すことになった。

 仲間たちは会の代表のTさんから送られてくる「p’S倶楽部」開催の案内状を楽しみに待っている。勿論、会の開催そのものも楽しみであるが、案内状の封筒が彼のデザインした絵封筒なのだ。風景画や花の絵柄、バイクの絵柄まである。今回送られてきたこのバイク、何とも精密に描かれているではないか。聞くところによると、その昔(PD発症前)大型バイクを乗り回し、遠距離のツーリングを楽しんでいたようだ。そんな彼の横顔がうかがえる見事な作品だ。毎月送られてくる絵柄を観ているとこの上なく心が癒される。そして今月も仲間に会えると思うと大きな喜びが湧き上がってくる。Tさん、今回もありがとう!

 


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