清野幸輝/Photo日記

徒然なるままに撮り歩いた、「水の景」「花の景」.......

●秋の気配(北大植物園)

2011-08-15 20:37:45 | パーキンソン病

                         

8月6日、7日の両日、かでる2・7(札幌市)を主会場に「難病患者・障害者と家族の全道集会」が開催された。今年は38回目の集会で広いかでるホールが満席になった。初日は全体集会が行われ、翌日は各疾病ごとに分科会が行われた。私はパーキンソン部会に参加した。毎回、ここで多くのパーキンソンの仲間と再会し、互いに体調の事など近況を話し合う。その中で、互いに励ましあい、勇気と明日への活力を得て来年の再会を誓う。だから、昨年はお会いしたのだが、今年は欠席という仲間がいると気になってしょうがない。

少しずつ体の機能が失われていく中で、今、自分が出来る事に最大限の努力をし、喜々として生活している仲間と交流すると、私もこうありたいと感じ入ってしまう。本当に充実した人生観を感じとることが出来る。私などは「以前はこれも出来たし、あれも出来た」と愚痴を並べ、いまだに過去の憧憬から脱け出すことが出来ないでいる。

今出来ない事を過去と同じようにする事が出来るのか?出来る!その内容を変えず、条件を体調に合わせて変えてやればいいのだ。私の趣味は自然写真(nature photo)である。以前は EOS-1V に大口径レンズを装着し、重い三脚にセットし野山を駆け回っていたものだ。同じような事を今やるには、重いカメラやレンズ、三脚などの器材を軽量に代えればよいのだ。調べてみると超軽量の1眼レフOLYMPUS PEN、 レンズも小型軽量のズームが用意されていた。これらの器材は今の体力、体調でも充分に使いこなせる事が分かった。撮影場所も広いフイールドから短距離の狭いフイールドに切り替えた。じっくり観察しながら歩くと、そこには幾つもの自然の小窓が用意されていて、覗いて見ると素晴しい自然の営みが展開されていた。お蔭で私の撮影活動は、パーキンソン発症前とほぼ同レベルで続けることが出来ている。若干の発想の切り替えによって、精神的に極めて快適な日常生活を送っている。

さて、今回も仲間達に元気をもらい、貴重な意見を吸収しドーパミンの分泌も良くなった私は会場向かいの北大植物園に入ってみた。気温は30度を超え暑かったが、時折涼しい風が吹き渡り初秋の風情が感じられた。アジサイの花に1匹のトンボがじっと止まっていた。来年も素晴しい仲間との再会を祈りながらシャッターを切った。