草莽の記     杉田謙一

教育・防衛・慰霊・エネルギー・歴史についての意見

教育に週休二日はいらない。

2008-03-10 14:24:00 | Weblog
   土曜授業を復活せよ
 京都市では来年度どからいよいよ土曜授業を復活することになった.正規な授業としてではなく土曜補習という形で.
とりあえず市内三十校でモデル実施し、最終的に対象を全市二百五十四小中学校に拡大する計画である。土曜学習は全国各地で取り組みが始まっているが、教育委員会が本格的に取り組むのは全国初という。
 土曜日の学習は明治以降のわが国の教育水準を高めた根幹であった。大学生が分数計算すらできずにいる。専門的分野で活躍するために基礎基本をおろそかにしてよいはずはない。本来備わっているはずの叡智も努力の大切さを知らずして発揮できるはずもない。
 七五三なる言葉も言い古された(小学生七割中学生五割高校三割の授業理解度)が、いまは五三二ほどの理解度では有るまいか。個性化、少人数化との美名の中で、実際、基本的な計算力や理解力が育てられていないのが現状である。
 更にその基礎たる学習姿勢など、目を覆うばかりになっている。茶髪やピアスなど、考えられないほどの学校現場である。日本の教育の迷走は驚くばかりである

 ちなみに昨年の愛知県学力テスト調査結果は小六は全国二十二位、中学生は九位。決して芳しき成果ではない。岐阜13位5位静岡14位7位長野16位15位に比べ、見劣りしてならない。教育で名を売る愛知にしてこの結果である。
 岡崎市に市の公開条例に基づき中学別のデータを求めたが、発表せずとのこと。これ以上公表を求めれば裁判での決着しかないとのこと。争いは本意ではないのであきらめましたが、けっして安穏とできるものではあるまい。

 対処するに果たして現状でよいのであろうか。
 かつては土曜は半日授業。いつしか二週に一度の出校となり、今では完全休み。これに学校行事が絡んできて、授業は年間365日の中で十日程度しかない。学力向上は無理な話である。それ以上に金曜夜から土日にかけてのプチ家出問題やなど、生活指導に翻弄されている現場教師の疲弊はとどまる所を知らない。教育効果から言っても、継続した学習が中断してしまうわけで、非効率極まりない現状なのである。

 更に問題がある。偏差値教育批判の中で偏差値を敵視した結果、本人の学力現状が本人に伝わらない。客観的なデータを知りえないのである。教師が励みにさせようとも相対評価が出せないから現状に甘んじてしまう。校内順位が市レベル、県レべルでどのくらいなのか知りえないのである。当然教師の教育力は問われなくなる。授業がなされなくても済まされてしまう。
 密室の中での評価のみで、生徒は井の中の蛙の状態となっており、父兄もそのデータを知りえないため指導ができなくなってしまっている。個人を大切になどの言葉が美名に過ぎなくなっているのである。
 
 問題山積の現状を何とかしようとする教師がいても、いつしか現状に流されてしまう。刺激にかけているのである。ならばルネッサンスを学校外部から働きかけるしかない。子らは地域の宝であるから。
 
 土曜授業の復活は子どもを大切にする以上、必須事項であります。
            

2 コメント

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御説尤もです。 (美加。)
2008-03-10 18:59:29
 塾は塾で存在意義があると思いますが、基本的には公教育がある程度のラインまで責任を以って提供すべきですね。
 
 家庭の経済状況(教育にお金をかけられるかどうか)で、子供の学習機会が不均衡になりすぎる環境は、階層の固定化にも繋がると思います。

 土曜授業の復活、早く実現するといいですね。


 ところで、予想ドンピシャの件は、宣伝にもなるし記事で書かれたらどうですか?

 
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教師よプロのプライドを (杉田)
2008-03-10 22:56:22
週休2日制を実施するにあたって教育委員会と確実に打ち合わせた合意事項にどちらかの日は部活はさせないとあった。しかし現実は岡崎では連日部活の日になっている。ならば授業をすべきである。夏休みもとり(授業なく)通常の日も授業コマが20コマ程度。それで大変といわれても。
 授業の内容もこれほど減っていればプロ教師じゃなくても十分できてしまうレベル。哀しくなります。
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