星尋山荘's blog

彗星発見で知られたアマチュア天文家、故・本田実の最晩年の観測所です。

倉敷天文台のスライディングルーフが生きる

2013-03-07 13:22:00 | 日記
倉敷天文台のスライディングルーフが生きる

 「倉敷天文台のスライディングルーフ観測室を活用する」と、伊東香織倉敷市長は3月7日、田辺昭夫市議(日本共産党)の一般質問に答弁しました。
 倉敷天文台(倉敷市中央2丁目)の構内から、同市のライフパーク倉敷(倉敷市福田町古新田)へ、観測室を移転・整備して、子どもたちの観望会にも活用するというものです。

 伊東市長の答弁
 「倉敷天文台のスライディングルーフ観測室は、本市の名誉市民である倉敷天文台の創設者・原澄治氏と天文家・本田實氏とのゆかりが深い施設であり、国の登録有形文化財として貴重な国民的財産でもあることから、ライフパーク倉敷に移して後世に残すものです。移築後は、本田氏ゆかりの資料を展示するとともに、当時観測していたように屋根をスライドして開放し、天体観望会を行うことにより、多くの子どもたちが、星の観察を通して科学する心を育むことができるよう、活用してまいりますので、よろしくお願いします。あわせまして、ことしが本田實氏の生誕100周年にあたることから、建物を利用したイベント等も計画していきたいと考えておりますので、よろしくお願いします」

 倉敷天文台 (1926年設立)は、日本最初の民間天文台です。当時としては国内最大級を誇った口径32㌢の反射望遠鏡(市指定重要文化財)が設置され、無料開放されました。
 この望遠鏡をおさめるために建設されたスライディングルーフは、屋根を真ん中から東西両側にスライドさせる手法がとられています。
 観測室内壁面に歯車の付いたハンドルがあり、これを回転させて屋根を開閉させます。雨対策は、屋根の真ん中部分が重なり合うように、トタン板で加工されているだけですが、不思議に雨漏りの形跡がありません。「スライディングルーフ観測室」は、文化庁から「登録有形文化財」として指定(2001年)されたのちも利用され続けてきました。

 観測室の移設整備事業は、本田實先生の生誕100年を記念した事業にもなります。

 観測室の入り口(東側)
  

 観測室の南側