ほどなくぼくは彼女と、仕事帰りに定期的に逢う約束を取り付けた。何しろお互いがお互いの、中学校卒業後の足跡を知るには、それなりに時間が必要だった。連絡は、Facebookでの再会以来、メッセンジャーで取るのが常だった。日本酒と魚が好きな彼女のためには、毎回西荻窪の寿司屋がグットチョイス!となるが、寿司屋の大将の奥さんは、ぼくらお互いに共通の友達と高校で同級生であったし、第一ぼくと奥さんもその店が行き付けであったから、そうそう利用するのはキケンだ。彼女は横浜の高層マンションの高層階に住んでいる。横浜はかつて、ぼくにとっても思い出の地であった。ぼくは、二度目の会食地に、横浜の中華街を提案した。彼女からはOKの即答。すぐに会食を楽しみに、日常を過ごすようになった。ハリが出て、甲斐になった。一月も経っていなかった。二度目の会食の日は、すぐに来た。
リザーブした
聘珍樓横濱本店
の最寄り駅、元町・中華街改札で待ち合わせ。少し遅れてきた彼女と無事再会。道すがら、会話もすぐに、滑らかさを取り戻し。
二度目の会食では、主に女子大を出て、日本最大のメーカーに就職したところから、話を聞いた。そこで新人で入ってきた彼氏が、彼女の旦那さんだ。彼女のような魅力的で品があり、聡明で真面目な女性が、どういう生活を経たら、結婚感について、
「勢いとはずみと、何かの間違い」
で誰でも結婚する、となるのか?
大変に興味があった。