自由気ままに自分らしく暮らすというテーマの新書なんですが、前書きにこう記されています。「われわれが長い余生を過ごす上で永井荷風ほどいい友達はないかもしれない。他人を頼らず独立し、子なく、妻なく、死ぬときもたった一人だった」と。今の時代はとかく何かにつけ勝ち組、負け組と二つに分けたがる風潮がありますが、そうではない生き方を紹介している本でして、世間一般では負け組と評される僕なんかにはいい気休めになりました。
面白かったエピソードは若い愛人との関係を「是また老後の逸興と云ふべし」と日記で述べている事。変わり者にとって、この「逸興」という言葉はとても便利です。
世に日記文学なるものは数多くありますが、「断腸亭日乗」は漢語、啄木の日記はローマ字でしたし、読まれたら困るほどの恥ずかしいことを書いて簡単には判らないようにしてしまうところが文学なんでしょうか。
面白かったエピソードは若い愛人との関係を「是また老後の逸興と云ふべし」と日記で述べている事。変わり者にとって、この「逸興」という言葉はとても便利です。
世に日記文学なるものは数多くありますが、「断腸亭日乗」は漢語、啄木の日記はローマ字でしたし、読まれたら困るほどの恥ずかしいことを書いて簡単には判らないようにしてしまうところが文学なんでしょうか。