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Hulu ■■17歳のカルテ■■

2013年08月18日 19時20分22秒 | DVD・Hulu
主人公スザンナが診断をくだされた
境界性人格障害
(Borderline personality disorder)

Wikipedia によると
青年期または成人初期から多く生じる、不安定な自己 - 他者のイメージ、感情・思考の制御不全、衝動的な自己破壊行為などを特徴とする障害である。

ということです。



精神療養施設に入所経験のある作者の
自伝的小説の映画化らしい



若き日のアンジェリーナ・ジョリーの
熱演が光る
これでアカデミー賞助演女優賞を受賞

アンジーと言えば
最近はもっぱらアクションばかりだから
とても新鮮でした

乱暴で問題ばかり起こすけど
人を惹きつけて止まない瞳の輝きがあり
まるでナイフのように鋭く危険なんだけど
実は非常に傷つきやすい孤独を抱えている
そんな17歳のリサを本当に魅力的に演じていました

若いころから才能ある人だったんだと
改めて知りました



映画 ■■17歳のカルテ■■

☆☆

Yahoo映画の評価(2013年8/18現在) 4.03(5点満点)



アスピリンと酒を大量に飲んで
病院に担ぎ込まれ

クレイムーアという精神療養施設に
入院させられたスザンナ



しかし療養所に来てみると
他の入院患者は
スザンナよりも明らかに深刻な病状を抱えており

スザンナは
ただ、自殺未遂騒動を起こしたり
反社会的な問題行動を起こしてしまうけれど

それは
両親に対して
「もっとかまって」というサインを
出しているだけのように見えるのです



或いは
社会に出て自立する自信がなくて
後退しているだけのような



そして、アンジェリーナ・ジョリー演じるリサも
反社会的行動とか衝動性が
スザンナより度を越しているけれど
根幹の部分は
精神の病を患っているとは思えません



反抗とか非行とかいうレベルのように
見えてしまうんだけどな~

隔離・入院までするほどのことかな~
と、思ってしまいました



でもまあ
「一見健康な人と全く変わらないように見える」
というのが
この境界性人格障害の難しいところなのだと思います
きっと



















ネタバレ感想



「隔離するほどの病状か」と疑問に思ったけど
スザンナに関して言えば
確実に成長したので
療養所に来たことの意味はありました



同じように心を病んでいる仲間たちと
痛みを共有し、信頼関係を築いていき
孤独から救われ
落ち着いていくのが分かって
見ていて安堵しました

しかし、仲間と一緒にいる生活が
居心地良く感じると言うことは
退院して社会に出て行くことが
ますます怖くなってしまうことにもなります



その後
かつての療養所仲間の自殺を目の当たりにし
彼女を自殺に追い込んだリサと
精神的に距離を感じるようになります



仲間の悪口が書かれた自分の日記を
仲間に読まれてしまったり

リサに「あなたはもう死んでる」と
酷いことを言ってしまったり
最悪なことも続くのですが



仲間や自分の精神状態も
客観的に冷静に
見つめられるようになったということなのだと思いました



療養所のTVで
「オズの魔法使い」を観るシーンがあって
その中の、ドロシーの台詞を
スザンナはかみしめます

「自分の周りにないものを探して
自分探しの旅に出て
遠い所であちこち探してみても
自分の周りにないものは
どこに行ってもきっと見つからない」



これは、「青い鳥」と同じ
青い鳥を探して、長い旅に出たけれど
探していた青い鳥は
実は自分の家にいた...というお話



スザンナは
自分を治す力を
自分自身の中にしっかり
発見したような気がしました



最後に
スザンナが先に退院して
「療養所の仲間達の
何人かは退院し再会したけど
何人かとはそれきりだった...」
という独白で終わるのですが

もしもリサが退院して再会できていたら
それはハッキリとそう言うはずと思うので

きっと会えなかったのでしょう



多分この映画は
20代の時に観ていたら
リサやスザンナに自分を投影して
瞼が腫れるくらい泣いてしまっただろうと思う...



今の私はそれ程でも...



本当の心の病と
単なる甘えとの見極めは
素人には難しいな~
と、感じました

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