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映画 ■■トラッシュ!-この街が輝く日まで-■■

2015年01月19日 16時40分49秒 | 映画
とても良かった
これはずっとずっといい映画として
私の中で記憶に残る映画だと思う



監督は「リトル・ダンサー」「愛を読むひと」などの
スティーヴン・ダルドリー

脚本は「ラブ・アクチュアリー」「アバウトタイム」などの
チャード・カーティス

私の大好きな映画を作ったこの二人が組んでいるんだから
面白くないはずがない!



■■トラッシュ!-この街が輝く日まで-■■



Yahoo映画評価 4.08 (5点満点 2015年1月19日現在)



リオデジャネイロ
ゴミ捨て場そばのバラック街に住み
捨てられたゴミの山から
売り物になるものを拾って暮らす子ども達の話

雑然とした不衛生な暮らしぶりは
見ていて心地よいものではない

オリンピックやW杯を招致した国に
このようなエリアがあるのは
本当に不可解

日本にもホームレスはいるけれど
あんな風に村が出来るほどの規模ではない
(と、信じる)

国民誰もが文化的な生活を送るには
ある程度、経済的に豊かでないと
無理なのかな、と思った

経済というのは
社会を健全に回して行く上で
キーとなるのは事実

そして経済が豊かになっても
独占しようとする人がいれば
スラム街はなくならないし
犯罪率も減らない

「真面目に正直に働いていれば
いつか必ず暮らし向きは良くなる」
という希望がなければ
真面目に生きていこうと思えなくなる

頑張っても頑張っても
金持ちが全てを吸い上げていくしくみの社会にいては
全てがバカバカしくなる
貧困層から抜け出せないシステムの社会では
犯罪率が上がっていくのもうなずける



そんなことを考えながら観たけど…



今回もネタバレするので
これから観る予定の人は読まないで下さい。







スラム街に住む少年が
ゴミの中から
市長の汚職を暴露する鍵となる財布を拾ったことにより
市長と結託している警察に
命を狙われるという話



例によって根性なしの私は
子どもの顔が血まみれになったり
拳銃を突き付けられて
死の恐怖を嫌という程味わったりしたすごく早い段階から

「もういいよー
諦めようよー
逃げようよー
また痛い目にあうよー
殺されるよー」
と、泣きそうになっていたのだけど

少年達は諦めない
死んでも構わないと言いたげな覚悟

財布に隠された謎を追い求めて
武装した警察を相手に戦う
そして逃げる、逃げる

そこに一切の迷いはない
死の恐怖に怯え逡巡することがない
ただ、休むことなく走り続ける

名もないスラム街の少年達が
巨大な腐敗した組織に
果敢に戦いを挑むのだ

今まで誰もなしえなかった
組織的犯罪の暴露を
小さな子ども達が企てる

襲ってくる相手は警察官だ
身体の大きさも体力も全然違うし
武器も人数も資金力も
圧倒的に勝る

貧民街の子ども達など
赤子の手をひねるように
それこそゴミを丸めて捨てるように
「最初からいなかったことにする」のは
簡単なこと

それでも挑む

ドブに住む小さなネズミが
巨大なモンスターを倒そうとするのだ



不潔なシャツを着た
汚い指の、ベトベトの髪の毛の子ども達が
だんだん愛おしくなってくる

脅されても脅されてもひるまない
あの勇気は、エネルギーは
あの生命感はどこから来るのだ

あの瞳の輝きに比べると
私の目は腐った魚の様ではないか



「どうしてそこまで
命がけで秘密を暴こうとするのか」
と、問われて
子ども達は答える
「それが正しいことだから」

それを聞いて
アメリカ人の神父と
ボランティアスタッフも
手に入れた帳簿や映像を
ネット上に公開する決心をする

それをすることで
自分たちは危険にさらされることになるが

子ども達が命がけで戦ってきたのだ
「正しいことだから
やらなくてはいけない」と



市長の闇帳簿には
アメリカの教会や
FIFA や国際オリンピック協会とも
賄賂のやりとりがあったと記入されていたが

このストーリーはフィクションなのね
まあ、でも、非常にありえそうな腐敗であった



チャード・カーティスは
「ラブ・アクチュアリー」とか
「アバウトタイム」とか
ほんわか、ほんわかと進んでいくストーリーが
印象的だったけど
「トラッシュ」はとてもテンポよく
スリリングで目が離せない
アクション・ムービーでもあった

こういう作品も書くんだなあ~
本当に多才な人
でも、作品の根底には
人間に対する愛情がとても深く感じられる

本当に大好きな脚本家です

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