
日曜日にモーリス・ユトリロ展の最終日に行ってきた。
新宿の損保ジャパンビル、42階の東郷青児美術館での開催だったが、混雑していて、エレベーターに乗るまでに20分以上待った。
モーリス・ユトリロ(Maurice Utrillo, 1883年12月26日 - 1955年11月5日)は、日本でも人気のある画家です。
今回見た90数点の日本初公開の作品では、建物や風景画が主流で、人物が画面に登場するのは後半生のように見受けられました。
フランスの画家で、母は画家シュザンヌ・ヴァラドンです。
ユトリロは母親が18歳の時の子供で、父親がいなかったため祖母に育てられました。
ユトリロが7歳のときに、スペイン人ジャーナリストのミゲル・ウトリリョ(ユトリロ)が彼を認知したが、ユトリロは生涯この法律上の父に会うことはなかった。
ユトリロは、10代でアルコール中毒になり、治療のため、独学で絵を描き始めた。
「白の時代」といわれる、アルコールに溺れていた初期のものの方が一般に評価が高い。
信仰が支えになってからは、教会の絵も多いと、美術館で聞いた解説にあった。
わたしの印象ですが、構成などは特筆する感じではないのですが、実際に目にしたときの受ける印象は大きかったです。
白の時代といわれる、突き抜けるような白を使用した、整然とした建物や町並みには、聖なるもの、整ったもの、認知された確かなもの、有機への強い欲求と憧れ、渇望が感じられました。
その後、色彩の時代と言われるものに移行していきますが、だんだんといい意味でも、いい意味ではなくても、安心、ゆとり、愛情が感じられるようになり、だんだんと人が画面に姿を現したり、柔らかいカラーが散らばり始めます。
50代で、10歳ほど年上の女性と結婚し、彼女が薄めたワインなどでユトリロの健康管理をし、73歳まで生きます。
ユトリロという一人の人間の、価値観の変遷を観れた気がして、楽しい鑑賞でした。
もちろん、常設のゴッホのひまわりも目にしました。
うずまくものが、周囲の空気を呑むような、黄色、黄緑、緑、でした。
代表作
ラパン・アジル(1910年)(パリ、ポンピドゥー・センター)
コタンの袋小路(1911年)(パリ、ポンピドゥー・センター)
パリのサント=マルグリート教会(1911年)(ドイツ、マンハイム市立美術館)
ラヴィニャン街の眺め(1911-15年)(ニューヨーク、メトロポリタン美術館)
サン=セヴランの聖堂(1912年)(ワシントン、ナショナル・ギャラリー)
パリ郊外(1910年) (倉敷、大原美術館)
ノルヴァン通(1910年) (名古屋、名古屋市美術館)
資料はWikiより。

