嫌われる勇気

昨日、今日と母の見舞いにいった。

が、ここんところずっと気分にムラ

があって、今日は頗る機嫌が悪かった。

数週間前に熱を出して伏せっていた

のが影響したのか、それまでは体を

起こしていた時間が長くなっていた

ので体力もついてきて元気で朗らか

にしていたのに。歳を取ると気難しく

なるというが、母は昔から気難しい

人間だったから、病で倒れてからも

それほどには思わなかったし、寧ろ

家族が見舞いに行くと感謝して喜ん

でいたのに。今日はリハビリのために

質問した内容に答えられず、あんたが

分かってるならあんたが答えればいい

やろ、と小学生のような口振りでふく

れっつらを向けてきた。母はある日

自宅で倒れた。一命をとりとめたが、

もう元の母には戻らないのだと諦めた

が、半身不随となり時間と空間認知

に後遺症があるが、奇跡的に言語と

記憶は回復し、日常的な会話は問題

なくできていたのだが。母が倒れて

５年以上が経ち、更に年齢は上がって

いるから、普通でもそろそろ認知の

問題が発生してきても不思議ではない

のだ。父は病に倒れて入院し、約半年

で完全に認知ができなくなり私の顔も

名前も何もかも忘れて最後は苦痛も

忘れて、眠るが如く逝ったことを思

うと母もなのか？と…。まだ生きていて

欲しいとは思う。いくら憎まれ口をき

かれても。一番お世話してる私に一番

きつく当たる母だけど。小さい時から

迷惑なんてかけたことのない私を一番

きつく叱った母。理不尽だと腹が立つ

けど憎いとは思わない。少しだけ母に

見直し欲しい。でももうそれは叶わない

んだろう。このまま母には嫌われてい

くんだろう。そう思うと、何だか母の

世話も虚しくなる。親だから世話する

のは当たり前なのだけど。私がしなけ

ればならないのだけど。母にはそれが

気に入らない。姉や妹は自分達の事情

を平気で優先するけど母は彼女たちが

大好きなのだ。毎週かかさず最優先で

見舞う私の顔は鬼に見えて、たまに見

せる姉妹の顔は仏様のように優しく見え

るんだろう。私はリハビリを苦しがる

母を甘やかさない。だから鬼なんだそ

うだ。誰が鬼やねん。甘やかして良く

なるなら、誰が嫌われてまで厳しく

するかよ、ってこと、分からない。

どっちが正解なんだろう。自分のため

には。母に元気でいてもらいたい。

でも、嫌われる。母が認知できなくな

って寝たきりになる、私は真っ先に

忘れられる。でも嫌われることはない。

どっちも嫌だ。考えるのも面倒くさい。

アドラーの｢嫌われる勇気｣もう一度読み

かえそうかな(笑)