夜空の衛星 よ・ぞ・ら・の・ほし

アマチュア衛星通信やDX通信など                                   

カンボジ~ア

2008-11-10 | サテライト
 いろいろと物議を醸し出した衛星DXペディションでしたが、本日(FO-29 24時便)をもって運用は終了します。

 全くの素人の方が衛星通信を、それも海外から行う難しさを表した、衛星ユーザーから見ればとても残念な結果だったと酷評すればそうなるでしょう。しかしながら、果敢に挑戦されたことに敬意を表したいと思います。

 衛星通信が難しかったのではなく、「無線通信のやり方自体に問題があった」と私自身は思っています。今や衛星通信はモービルホイップ1本の移動運用で10数分と言う僅かな衛星飛来時間中に数十局と交信する方さえ居られます。

 さて、私の場合を例に顛末を書くと、

 11月7日のFO-29の23時台の南下パス。LOS間際に「LDE?」とコールバックがあり、プリフィックスが取れていないと判断したので「JR6LDE JR6LDE 599 BK」とあえてコールサインを2回送った。すると「599 TU」が返ってきたので、ここで2回打ったコールサインを理解してもらえたと判断し、こちらからも「TU」を送って相手がコールサインを復唱しなかったことに一抹の不安を抱えつつも交信を終了した。この時の仰角は僅か残り1度、ぎりぎりだった。

 自分のコールサインを相手が復唱してくれなかったことに大きな疑問を抱いたので、前交信は無かったものと考える事にした。のちにDUPEのそしりを受けようと自分の完全なコールサインを相手から聞くことが無かったのだから仕方が無いと考えた。

 11月9日のFO-29の24時台の南下パス。このパスでもLOS直前にコールバックがあった。「JR6LOE」。また違っている。でも殆ど合ってきた。この時点で「コピーが間違っているのでは無く、キーイングが出来ていないのではないか」と思い始めた。「JR6LDE JR6LDE 599 BK」を送ると、「QSL TU」が返ってきた。やはり、私のコールサインの復唱はしてもらえなかった。「しくじった」と思った。ここでふと昔HFDXハントで培った技術を思い出した。それは「相手がコールサインを完全に返してこない時はレポートを送ってはいけない。」と言う事。相手はレポートを受け取ると「交信完了」と理解してしまうのだ。こんな時の対処方法は「ひたすらコールサインだけを送る。」これが良策だった。このパスも交信成立とは理解できなかった。

 夜が明けて11月9日午前。きょうは午前中にFO-29のパスが2回あり、どちらもXUがウインドウに入る。しかし、10時台のパスには所用で出られない。急ぎ所用を済ませて帰宅、12時近かった。12時27分AOSの北上のパス。地理的に南下のパスでは九州はJAで一番最後、逆に北上のパスでは1番最初だ。AOS後暫くしてCQを発見。ループを取りコールする。すぐにコールバックがあるが、やはりコールサインが間違っている。ここでレポートは付けずにコールサインだけを2回送った。すると間違っていたサフィックスの「DE」だけが訂正されて復唱された。ここでプリフィックスは合っていたし、間違っていた「DE」を復唱してくれた事により、トータルで「コールサインは完全にコピーされた」と判断した。こちらから「599 TU」を送ると「QSL TU」が返ってきて、ここで完全に交信できたと確信した。

 この夜、或るサテライターのブログに衛星による交信局リストがアップされた。この時点でトータル20局弱。私のコールサインが2つある。人目にはDUPEだ。出来ない人が居る中でDUPEなど許されない。急ぎ事情のコメントを書かせてもらった。もし、最初の交信で相手からの「TU」を信じてその後呼ばないでいれば、私のコールサインはこのリストには無かっただろう。

 一連の運用で不思議に感じたことは、
1.呼んでいない最近衛星に出始めた局のコールサインを返していた。同じJAエリアの知り合いなのか。この行為は疑惑の交信につながる。

2.サフィックスしか取れていないのにレポートを送り、JA局も「599 TU」だけで交信を終わらせてしまった事があった。プリフィックスはどうするの?。この方は貴重な1エンティティを逃した。

3.コールサインの一部が取れているのに、その局を丁寧に取るのではなくさっさと見捨てて、その局に被せて執拗に呼んでくる悪質な局の方を取ってしまっていた。これをやられると「傍若無人に振舞った者勝ち」となってしまい、混乱が増すのは必至。

 コールサインの一部が取れたら、その局との交信が完了するまでその局に拘って取ってもらいたい。時間が掛かっても不完全な交信2つよりも完全な交信1つを望みます。

 これがここ数日の衛星通信です。
こちらから見た極めて一方的な見方です。相手側の事情は知る由も有りません。
今回はごくごく一部のJAしか交信できませんでしたが、貴重な1エンティティをサービスしてくださったメンバーの皆さんに感謝いたします。ご無事の帰国をお祈りいたします。



コメント (3)
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